東京都の防犯・地域活性化支援策の全体像
東京都では、都民の安全確保や地域経済の活性化を目指し、個人宅向けの防犯対策から商店街の魅力向上まで、多岐にわたる助成金・補助金制度を実施しています。これらの支援策は、東京都が直接個人や事業者に給付するのではなく、各区市町村を通じて実施されるのが大きな特徴です。
はじめに押さえるべき重要ポイント
- 申請窓口は各区市町村: ほとんどの事業は、お住まいまたは事業所が所在する区市町村が申請窓口となります。
- 自治体による制度差: 東京都の補助事業を基にしていても、自治体ごとに補助額、対象品目、申請期間などが異なる場合があります。
- 予算の上限: 多くの助成金は予算に上限があり、申請期間内でも受付が終了することがあります。早めの確認と準備が重要です。
- 事前相談を推奨: 申請を検討している場合は、まず担当の区市町村窓口へ事前に相談することをおすすめします。
【個人宅向け】防犯機器等購入緊急補助事業
昨今の体感治安の悪化や防犯意識の高まりを受け、東京都が区市町村と連携して実施する個人宅向けの補助事業です。ご自宅のセキュリティ強化をお考えの方は必見です。
事業概要
項目 | 内容 |
---|---|
補助対象物品 | 区市町村が定める侵入盗被害防止に有用な防犯機器等 (例:防犯カメラ、カメラ付きインターホン、防犯フィルムなど) |
補助限度額 | 上限2万円/世帯 |
負担割合(基本) | 都:1/2、都民:1/2 ※お住まいの自治体によって負担割合が異なる場合があります。 |
補助対象者 | 都内に住民登録があり、その住所に居住している世帯主またはこれに準ずる方 |
⚠️ ご注意ください
この事業は都が区市町村に補助金を交付するもので、都民の方へ直接補助するものではありません。必ずお住まいの自治体の制度をご確認ください。また、「断熱防犯窓」は東京都環境局の別事業の対象となるため、本事業の対象外です。
実施区市町村一覧(令和7年10月15日時点)
下記は本事業を実施している自治体の一例です。最新の情報や詳細、申請方法については、各自治体のリンク先をご確認いただくか、直接お問い合わせください。(順次更新予定)
ア行
- 昭島市
- あきる野市
- 足立区
- 荒川区
- 板橋区
- 稲城市
- 江戸川区
- 青梅市
- 大田区
カ行
- 葛飾区
- 北区
- 清瀬市
- 国立市
- 江東区
- 国分寺市
- 小平市
- 狛江市
サ行
- 品川区
- 渋谷区
- 新宿区
- 杉並区
- 墨田区
- 世田谷区
タ行
- 台東区
- 立川市
- 中央区
- 調布市
- 千代田区
- 豊島区
ナ行
- 中野区
- 西東京市
- 練馬区
ハ行
- 八王子市
- 羽村市
- 東久留米市
- 東村山市
- 東大和市
- 日野市
- 日の出町
- 福生市
- 府中市
- 文京区
マ行
- 町田市
- 瑞穂町
- 三鷹市
- 港区
- 武蔵野市
- 武蔵村山市
- 目黒区
【事業者・団体向け】防犯・商店街活性化支援
町会・自治会、商店街、マンション管理組合などを対象に、地域の安全確保や魅力向上のための多様な支援メニューが用意されています。ここでは代表的な事業をいくつかご紹介します。
防犯設備整備費助成(都連携・区単独)
地域の防犯カメラ設置などを支援する制度です。多くの区市町村で、東京都と連携した事業と、自治体独自の単独事業が用意されています。中央区の例を見てみましょう。
項目 | 都連携事業(中央区の例) | 区単独事業(中央区の例) |
---|---|---|
対象者 | 町会、自治会、PTA、商店街など | 町会、自治会、商店会、マンション管理組合など |
補助率(自己負担) | 24分の1(令和7年度) | 3分の1 or 2分の1(団体による) |
補助限度額 | 575万円(連携で862万円) | 50万円~600万円(団体による) |
※上記は中央区の例です。制度の有無や内容は自治体によって異なりますので、必ず所在地の区市町村にご確認ください。
東京都 商店街支援メニュー
商店街の活性化を目的とした、非常に手厚く多様な支援メニューが用意されています。イベント開催から設備投資、防災対策まで幅広くカバーしています。
主な支援事業ピックアップ
- イベント・活性化事業: お祭りやイルミネーション、HP作成、キャッシュレス対応などを支援。
- 政策課題対応型商店街事業: 補助率最大9/10、限度額1.2億円と非常に手厚い。LED街路灯設置、防災・防犯設備、バリアフリー化などを支援。
- 商店街防災力向上緊急支援事業: 防災資機材の購入や防災訓練の実施を支援。補助率10/10(上限30万円~)。
- その他: 地域連携、インバウンド対応、リノベーション支援など、10種類以上の多彩なメニューがあります。
申請の一般的な流れ
事業によって詳細は異なりますが、一般的な申請プロセスは以下の通りです。
- 1事前相談: まずは所在地の区市町村の担当窓口に、計画している内容が助成対象になるか相談します。
- 2書類準備: 募集要領に従い、申請書、事業計画書、見積書などの必要書類を準備します。
- 3申請: 指定された期間内に、窓口への持参、郵送、または電子申請(Jグランツ等)で提出します。
- 4審査・交付決定: 提出された書類に基づき審査が行われ、採択されると交付決定通知が届きます。
- 5事業実施と報告: 交付決定後に事業を開始し、完了後に実績報告書を提出して助成金が支払われます。(契約や着工は交付決定後が原則です)
まとめ
東京都では、個人から事業者・団体まで、安全で活気ある街づくりを支援するための強力なバックアップ体制が整っています。ご自身のニーズに合った制度を見つけ、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
まずは、お住まい、または事業所のある区市町村のウェブサイトを確認するか、担当窓口に問い合わせることから始めましょう。この記事が、その第一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。