令和7年度 水力発電導入加速化事業費補助金とは？
令和7年度「水力発電導入加速化事業費補助金」は、再生可能エネルギーの導入拡大を目指し、中小水力発電所の新設やリプレイスを計画する事業者を対象とした制度です。事業の初期段階で最もハードルとなる事業性評価（FS）に必要な調査や設計にかかる費用の一部を補助することで、開発リスクを低減し、水力発電の導入を加速させることを目的としています。実施主体は一般財団法人新エネルギー財団（NEF）です。
この補助金のポイント
- 最大2,000万円/年の大型補助！
- 事業初期の調査・設計費用を重点的に支援！
- 民間事業者だけでなく、地方公共団体も対象（事業類型により補助率10/10も可能）！
- 発電出力20kW以上30,000kW未満の新設・リプレイスが対象！
補助金の概要
| 補助金名 |
令和７年度 水力発電導入加速化事業費（水力発電の事業初期段階における支援事業（初期調査等支援事業）のうち水力発電の事業性評価に必要な調査及び設計等を行う事業） |
| 実施機関 |
一般財団法人新エネルギー財団（NEF） |
| 公募期間 |
令和7年4月7日（月）～ 令和7年9月24日（水）
※ただし、交付申請の受付は2次締切（6月17日）までとなります。 |
| 補助対象者 |
・自ら中小水力発電を実施予定の民間事業者等（法人及び青色申告の個人事業者）
・地方公共団体 |
| 補助額・補助率 |
【民間事業者等】補助率：1/2以内、上限：最大2,000万円/年
【地方公共団体】補助率：定額（10/10）、上限：最大2,000万円/年 |
| 公式サイト |
新エネルギー財団 公募ページ |
2つの事業類型と支援内容
本補助金は、申請者の属性や目的に応じて2つの事業類型が用意されています。
1. 水力発電事業性評価事業（民間事業者・地方公共団体向け）
自ら水力発電事業を行う事業者を対象としたメニューです。
- 対象者：自ら中小水力発電を実施予定の民間事業者等、地方公共団体
- 補助対象経費：事業性評価に必要な調査・設計等に要する経費（原則、外注費とリース料のみ）、作業道整備費
- 補助率：1/2以内
- 補助上限額：
- 調査費等：1,000万円/年（基本設計を含まない場合）
- 調査費等：2,000万円/年（基本設計を含む場合）
- 作業道整備費：別途上限 1,000万円
2. 地方公共団体が行う水力発電事業性評価・公募事業
地方公共団体が主導して地域の有望地点を調査し、開発事業者を公募する取り組みを支援するメニューです。
- 対象者：地域の有望地点を調査し、発電事業者を公募する地方公共団体
- 補助対象経費：有望地点の調査・設計、公募用資料作成に係る経費、作業道整備費
- 補助率：定額（10/10）
- 補助上限額：
- 調査費等：2,000万円/年
- 作業道整備費：別途上限 2,000万円（2ヵ年）
申請スケジュールと締切
申請は随時受け付けられますが、審査・交付決定は締切ごとに一括して行われます。
| 締切 |
申請書到着期限 |
交付決定予定 |
| 1次締切 |
令和7年5月13日（火） |
6月下旬 |
| 2次締切 |
令和7年6月17日（火） |
7月下旬 |
| 3次締切 |
令和7年9月24日（水） |
10月下旬 |
【重要】申請受付期限に関する注意
公募要領によると、交付申請は2次締切（令和7年6月17日）までと明記されています。3次締切は設定されていますが、申請を検討している事業者は必ず2次締切までに手続きを完了させる必要があります。また、予算額に達した場合は期間内でも公募が終了する可能性があるため、早期の申請準備をおすすめします。
採択率を高める3つの重要ポイント
本補助金は専門性が高く、申請難易度は高いとされています。採択されるためには、以下のポイントを意識した事業計画の策定が不可欠です。
- 事業性の明確化と具体性
発電量、売電収入、投資回収期間などの具体的な数値を算出し、事業の実現可能性を客観的に示すことが重要です。流量データや発電量試算の根拠を明確にしましょう。
- 環境への配慮と対策
生態系への影響評価（環境アセスメント）を計画に盛り込み、適切な環境保全措置を具体的に提案することが求められます。周辺環境への配慮を具体的に記述してください。
- 地域との円滑な合意形成
水利権者や地元関係者との調整状況を明確に示すことが審査で重視されます。地域社会との連携体制を構築し、事業が地域に貢献する点をアピールしましょう。
申請方法と公募説明会
申請方法
申請は、原則として経済産業省の補助金申請システム「Jグランツ」による電子申請となります。やむを得ない事情がある場合に限り、電子メールでの申請も受け付けられます。公募要領や申請様式は、必ず公式サイトから最新版をダウンロードして使用してください。
公募説明会
制度内容を詳しく知るためのオンライン説明会が複数回開催されます。出席は申請の必須条件ではありませんが、疑問点を直接確認できる貴重な機会ですので、積極的な参加をおすすめします。申し込みは公式サイトから可能です。
まとめ
「水力発電導入加速化事業費補助金」は、水力発電事業の初期投資負担を大幅に軽減できる、非常に魅力的な制度です。特に地方公共団体にとっては、定額補助（10/10）という手厚い支援が受けられます。申請には専門的な知見や詳細な事業計画が必要となりますが、本記事で紹介したポイントを押さえ、専門家とも連携しながら準備を進めることで、採択の可能性を高めることができます。
申請受付は実質的に令和7年6月17日（火）までと期間が限られています。水力発電の導入を検討されている事業者の皆様は、ぜひこの機会を最大限に活用してください。
