詳細情報
【令和7年度】東京都葛飾区の事業者向け「かつしかエコ助成金」のご案内
東京都葛飾区では、区内の中小企業等を対象に、再生可能エネルギーの利用促進や省エネ・節電対策を目的とした「かつしかエコ助成金(事業所用)」を実施しています。太陽光発電システムや省エネ性能の高い空調、LED照明などの設備導入にかかる費用の一部が補助され、企業の環境経営とコスト削減を強力に後押しします。
この記事では、令和7年度の「かつしかエコ助成金(事業所用)」について、対象設備、助成額、申請方法、注意点などを網羅的に解説します。設備投資をご検討中の事業者様は、ぜひ最後までご覧ください。
この助成金の重要ポイント
- 対象者: 葛飾区内の中小企業、医療法人、社会福祉法人など
- 申請期間: 令和7年4月1日(火)から令和8年3月31日(火)まで【必着】
- 助成額: 最大100万円(空調設備、蓄電池など)
- 申請タイミング: 原則として工事着工前の申請が必要(一部例外あり)
- 令和7年度の主な変更点: 空調設備が工事後の申請(事後申請)に変更され、利便性が向上
※注意:予算の上限に達し次第、受付を終了する場合があります。申請は早めに行うことをお勧めします。
※重要なお知らせ:現在、完了報告から支払いまでの期間が大幅に遅延しており、最大で6か月程度となる見込みです。(通常2か月程度)
助成対象となる主な設備と助成額(事業所向け)
事業所向けに用意されている主な助成対象設備と、それぞれの助成額・限度額を一覧表にまとめました。
| 対象設備 | 助成額 | 限度額 |
|---|---|---|
| 太陽光発電システム | 8万円/kW | 80万円 ※蓄電池併設の場合: 5万円加算 |
| 蓄電池 | 助成対象経費の1/4 | 100万円 ※10kWh未満: 20万円 ※太陽光発電システム併設の場合: 5万円加算 |
| 空調設備機器改修 | 助成対象経費の1/4 | 100万円 |
| LED照明機器 | 助成対象経費の1/2 | 50万円 |
| 換気設備機器 | 助成対象経費の1/4 | 100万円 |
| 高反射率塗装 | 対象経費の1/4 又は 施工面積(㎡)×1,000円 のいずれか小さい額 | 40万円 |
| 断熱改修 | 助成対象経費の1/4 | 40万円 |
| 電気自動車等充電設備(普通・急速) | 国のCEV補助金の交付額の1/4 | 30万円 |
| ビークル トゥ ホームシステム(V2H) | 本体価格の1/3 | 15万円 |
| 温室効果ガス排出量算定・削減クラウドサービス | 1年間分の利用料の1/2 | 15万円 |
※上記以外にも「省エネ型小規模燃焼機器等」「電気自動車等」「宅配ボックス」なども対象となります。詳細は葛飾区の公式サイトをご確認ください。
令和7年度の主な変更点(事業所向け)
令和6年度からいくつかの変更点があります。特に事業者に関わる重要な変更は以下の通りです。
- 空調設備機器改修の申請方法変更
【変更前】事前申請(工事前)→ 【変更後】事後申請(工事後)
設備の故障など、急な更新が必要になった場合でも助成金を活用しやすくなりました。これは事業者にとって大きなメリットです。 - 高反射率塗装の要件変更
【変更前】日射反射率50%以上 → 【変更後】日射反射率65%以上
より遮熱効果の高い塗装が対象となりました。使用する塗料の性能を事前に確認する必要があります。 - 電気自動車等の助成額変更
【変更前】車両区分ごとの一律額 → 【変更後】国が実施する補助事業における補助額の1/4(限度額30万円)
国の補助金と連携した制度となり、助成額が変動します。
申請の流れと注意点
本助成金は、対象設備によって申請のタイミングが異なります。
1. 事前申請が必要な設備
太陽光発電システム、蓄電池、LED照明、高反射率塗装など、多くの設備がこちらの対象です。
- 【工事前】助成金の申込(事前協議)
申請書類を揃え、葛飾区環境課へ郵送または窓口で提出します。工事着工の4週間前までに申し込むことが推奨されています。 - 事前協議回答書の受領
区から「事前協議回答書」が送付されます。通常3〜4週間かかります。この回答書を受け取るまで工事を開始してはいけません。 - 設置工事の開始・完了
回答書の内容に従って、工事を行います。 - 完了報告・助成金交付申請
工事完了後、指定された期間内に完了報告書や領収書の写しなどを提出します。 - 助成金の振込
書類審査後、指定の口座に助成金が振り込まれます。(現在、支払いに遅延が発生しています)
2. 事後申請が可能な設備
令和7年度より、空調設備機器改修がこちらに該当します。(その他、電気自動車等、充電設備、クラウドサービスも事後申請です)
- 設置工事の完了・支払い
対象設備の導入と支払いを完了させます。 - 助成金の申請
申請期間内(令和8年3月31日まで)に、申請書や領収書の写しなどを提出します。 - 助成金の振込
書類審査後、指定の口座に助成金が振り込まれます。
申請における重要注意点
- 悪徳業者にご注意ください: 「葛飾区から委託されている」などと偽る業者や、高額な契約を迫る業者に関する情報が寄せられています。区が特定の業者を委託・紹介することはありません。必ず複数社から見積もりを取り、慎重に検討してください。
- 過去の助成について: 申請時点から過去10年以内に、同じ建物・同じ種類の機器で「かつしかエコ助成金」を受けている場合は対象外となることがあります。(一部例外あり)
- 必要書類の準備: 申請には「事前協議書」「見積書」「カタログ」「施工前後の写真」「納税証明書」など、多くの書類が必要です。対象設備ごとに手引きが用意されているので、必ず公式サイトで確認してください。
よくあるご質問(Q&A)
- Q1. 国や東京都の補助金と併用できますか?
- A1. 葛飾区が実施する他の助成制度との併用はできませんが、国や東京都の補助制度との併用は可能です。ただし、助成対象経費が重複しない範囲での併用となります。
- Q2. リース契約の設備は対象になりますか?
- A2. リース契約は助成の対象外です。申請者が所有権を持つ設備が対象となります。
- Q3. 申請手続きが複雑そうです。代行は可能ですか?
- A3. 施工業者によっては申請サポートを行っている場合があります。ただし、申請者本人が内容を理解し、書類を準備する必要があります。申請代行を謳う業者に依頼する場合は、サービス内容や費用をよく確認してください。
まとめ
葛飾区の「かつしかエコ助成金」は、事業者の省エネ設備導入を金銭的に支援する非常に価値のある制度です。特に令和7年度からは空調設備が事後申請可能になるなど、使いやすさが向上しています。
一方で、申請には工事前の手続きが必要な設備が多く、書類準備にも時間がかかります。また、予算には限りがあるため、早期の検討と申請が成功のカギとなります。
この機会に、自社の設備を見直し、助成金を活用した賢い設備投資を検討してみてはいかがでしょうか。まずは信頼できる施工業者に相談し、見積もりと合わせて助成金の活用についてアドバイスをもらうことをお勧めします。