この記事では、農林水産省が公募する「令和7年度飼料穀物備蓄対策」について、畜産・飼料関連事業者の皆様向けに分かりやすく解説します。事業の目的から4つの支援内容、対象経費、申請方法まで、必要な情報を網羅しています。

令和7年度「飼料穀物備蓄対策」とは?

「飼料穀物備蓄対策」は、自然災害や国際情勢の変動といった不測の事態が発生した際にも、畜産農家へ配合飼料を安定的に供給できる体制を構築することを目的とした、農林水産省の補助事業です。飼料製造業者や関連団体が策定する事業継続計画(BCP)に基づく取り組みを強力に後押しします。

事業の目的

本事業の主な目的は以下の通りです。

  • 飼料の安定供給確保: 災害時などでも畜産農家への飼料供給が滞らないように、飼料穀物の備蓄体制を強化します。
  • 事業継続計画(BCP)の推進: 飼料製造業者等が策定したBCPに基づく具体的な取り組みを金銭的に支援します。
  • サプライチェーンの強靭化: 緊急時の輸送体制や関係者間の連携を強化し、飼料供給のサプライチェーン全体を強靭なものにします。
  • 輸入リスクの分散: 飼料穀物の輸入先国を多様化する検討を支援し、特定の国への依存リスクを低減します。

4つの支援事業の概要

本対策は、以下の4つの事業で構成されています。自社の取り組みに合わせて、適切な事業を選択して申請することが可能です。

1. 飼料穀物備蓄支援事業

配合飼料製造業者等が、BCPに基づき、飼料穀物を通常の在庫数量以上に備蓄する場合、その備蓄にかかる費用の一部を助成します。これにより、突発的な供給不足リスクに備えることができます。

2. 配合飼料緊急運搬事業

災害などにより配合飼料の供給が困難となった地域に対し、緊急で配合飼料を輸送する際の輸送費用や、畜産農家へ届けるまでの詰替え等にかかる費用の一部を助成します。迅速な支援体制の構築をサポートします。

3. 配合飼料安定供給連携支援事業

不測の事態における円滑な飼料供給を目指し、関係者間の連携体制を強化するための取り組みを支援します。具体的には、検討会の開催、原料の利用・生産状況の調査、BCP推進のための研修会、優良事例調査などが対象です。

4. 輸入先国多様化検討支援事業

飼料穀物の安定供給を確保するため、飼料会社やサイロ会社、畜産関係団体などが連携して行う輸入先国の多様化に向けた検討を支援します。海外の供給力に関する検討会開催、輸出余力のある生産国の現地調査、飼料原料としての適性試験などが対象となります。

公募期間と申請方法

公募期間

令和7年1月31日(金曜日)から 令和7年2月26日(水曜日)午後5時まで(必着)

期間が短いため、早めの準備をおすすめします。

申請書類

申請には、事業ごとに指定された書類が必要です。詳細は農林水産省の公式ウェブサイトにある公募要領をご確認ください。主な応募書類は以下の通りです。

  • 飼料穀物備蓄支援事業及び配合飼料緊急運搬事業: 別紙1, 別紙2, 様式第1号, 様式第2号, 様式第3号
  • 配合飼料安定供給連携支援事業: 別紙3, 別紙4, 様式第4号
  • 輸入先国多様化検討支援事業: 別紙5, 別紙6, 様式第5号, 様式第6号

応募書類は公式ウェブサイトからダウンロードできます。

提出先・問い合わせ先

申請書類は、以下の宛先に提出してください。

宛先: 〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1
農林水産省 畜産局 飼料課 流通飼料対策室 需給対策第2班

電話番号: 03-3591-6745(直通)

E-MAIL: tikusan_siryou★maff.go.jp(★を@に置き換えてください)

お問い合わせ時間: 月曜日から金曜日(祝日を除く)の午前10時から午後5時まで(正午から午後1時を除く)

公募説明会について

本事業に関するオンライン説明会が開催されます。参加は任意ですが、事業内容の理解を深める絶好の機会です。

  • 開催日時: 令和7年2月5日(水曜日) 14時00分から15時00分
  • 開催方法: オンライン
  • 申込期限: 令和7年2月4日(火曜日)午後5時まで
  • 申込方法: 公式サイトから「公募説明会参加申込書」をダウンロードし、上記提出先へ提出してください。

まとめ

「令和7年度飼料穀物備蓄対策」は、飼料の安定供給という畜産業の根幹を支える重要な補助事業です。自社の事業継続計画を強化し、業界全体の安定に貢献するためにも、本事業の活用をぜひご検討ください。公募期間が限られていますので、計画的な準備と早めの申請が成功の鍵となります。