はじめに:千葉県への企業立地が今、最大のチャンス!
千葉県が、県内への企業立地を促進するため、令和7年度から「立地企業補助金」制度を大幅にリニューアルします。今回の改正では、最大70億円という破格の補助限度額に加え、成長が期待される特定地域への投資に対する補助の上乗せや、賃貸オフィスで進出する企業への支援拡大など、企業の多様なニーズに応える強力な内容となっています。
この記事でわかること
- 令和7年度から変わる千葉県立地企業補助金の5つの主要な改正点
- 大規模投資から賃貸オフィスまで、自社に合った補助金メニューの詳細
- 申請前に必ず押さえるべき手続きの流れと重要注意点
この記事では、千葉県への立地を検討しているすべての企業様に向けて、新しくなった優遇制度の全貌を専門家が分かりやすく解説します。
【最重要ポイント】
この補助金制度を活用するには、原則として建物の取得前または建設の着工前に「立地計画認定申請書」を提出し、県の認定を受ける必要があります。計画段階での早めのご相談が成功のカギです。
【速報】令和7年度の5つの主要な改正点
今回の制度改正は、千葉県の経済成長をさらに加速させるための戦略的なものです。特に注目すべき5つのポイントを見ていきましょう。
1. 特定地域への投資を強力に後押し!「補助の上乗せ」
成田空港周辺や東京湾アクアライン着岸地など、「県経済けん引地域」において、成長産業分野の工場や研究所が立地する場合、従来の補助に加えて土地取得税や法人二税相当額などが上乗せされます。
2. 中小規模の投資も対象に!「補助要件の緩和」
人口減少などが課題となっている「特定振興地域」では、工場や研究所の敷地面積や従業員数の要件が緩和され、より幅広い企業が補助金を利用しやすくなりました。
3. オフィス賃借も支援!「賃借型企業立地の対象拡大」
これまで本社や研究所に限られていた賃借型の補助対象が、一定規模以上の「事業所」も対象に加わりました。初期投資を抑えたいスタートアップやサテライトオフィス設置に最適です。
4. 従業員の定着を支援!「千葉ウエルカム加算」の新設
新たに立地する企業が従業員のために行う県内観光や県産品購入などの福利厚生費を補助します。人材確保と地域への定着を同時に促進するユニークな制度です。
5. 用地開発を促進!「産業用地関連の補助限度額引き上げ」
市町村が行う産業用地の整備事業や可能性調査に対する補助限度額が大幅に引き上げられました。これにより、新たな産業用地の供給が加速し、企業にとっての選択肢が広がることが期待されます。
補助金メニュー一覧【企業向け支援】
自社の投資計画に合ったメニューをご確認ください。詳細な要件は必ず公式サイトの交付要綱で確認が必要です。
種目 | 主な対象及び要件 | 補助額 | 補助限度額 |
---|---|---|---|
大規模投資企業立地 | ・対象: 製造業の工場等 ・投下固定資産額: 500億円以上 ・事業従事者: 300人以上 |
建物・償却資産の不動産取得税・固定資産税相当額 【R7改正】県経済けん引地域+成長産業分野は土地取得税・法人二税等相当額を加算 |
70億円 |
本社立地 | ・対象: 本社(全業種) ・延床面積: 500㎡以上 ・事業従事者: 50人以上 |
建物・償却資産の不動産取得税・固定資産税相当額 | 10億円 |
研究所立地 | ・対象: 自然科学研究所 ・敷地面積: 1,000㎡以上(特定振興地域は500㎡以上【R7改正】) ・事業従事者: 10人以上(特定振興地域は3人以上【R7改正】) |
建物・償却資産の不動産取得税・固定資産税相当額 【R7改正】県経済けん引地域+成長産業分野は土地取得税・法人二税等相当額を加算 |
10億円 |
工場立地 | ・対象: 製造業の工場 ・敷地面積: 1,000㎡以上(特定振興地域は500㎡以上【R7改正】) ・事業従事者: 10人以上(特定振興地域は3人以上【R7改正】) |
建物・償却資産の不動産取得税・固定資産税相当額 【R7改正】県経済けん引地域+成長産業分野は土地取得税・法人二税等相当額を加算 |
10億円 |
賃借型企業立地 | ・対象: 本社、研究所、その他事業所【R7改正】 ・事業従事者: 10人以上(本社・研究所)、50人以上(その他事業所)等 |
建物賃借料の1/2(12か月分) | 最大1,000万円 |
千葉ウエルカム加算 | 【R7新設】 ・上記主要な立地補助を受ける企業が対象 ・従業員の県内観光・消費を促す福利厚生を実施 |
福利厚生経費(上限1万円/人) | 1,000万円 |
※上記以外にも「がんばる市町村連携」「競争力強化(再投資支援)」「雇用創出支援」など多様なメニューがあります。
申請から補助金交付までの流れ
- 1事前相談
計画段階で、千葉県企業立地課に必ず相談します。制度の詳細や要件について確認し、計画の方向性を固めます。
- 2立地計画認定申請
建物取得前または建設着工前に、必要書類を揃えて「立地計画認定申請書」を提出します。
- 3立地計画の認定
県による審査を経て、計画が認定されます。この認定を受けてから、工事着手や建物取得が可能になります。
- 4工事着手・操業開始
認定された計画に基づき、工場の建設や設備の導入を進め、操業を開始します。
- 5補助金交付申請
操業開始後、不動産取得税等の納付を終えたら、実績報告を兼ねて補助金の交付申請を行います。
- 6補助金交付
県の審査・確定を経て、補助金が交付されます。
まとめ:戦略的な立地計画で千葉県の支援を最大限に活用しよう
令和7年度から始まる千葉県の新しい企業立地優遇制度は、企業の成長ステージや投資規模に応じて活用できる、非常に魅力的な内容です。特に、成長分野や重点地域への投資には手厚い支援が用意されており、戦略的な事業展開の大きな後押しとなります。
成功の鍵は、計画の初期段階で県の担当窓口と密に連携することです。本制度を最大限に活用し、貴社のビジネスを千葉県で飛躍させてみてはいかがでしょうか。