埼玉県入間市にお住まいの高齢者の方や、そのご家族にとって、病院への通院やデイサービスへの通所は大きな負担となることがあります。そんな移動の負担を軽減するため、入間市では「要援護高齢者等タクシー利用料金助成事業」を実施しています。この制度を活用することで、タクシー料金の一部が助成され、経済的な負担を軽くすることができます。

この記事では、入間市の高齢者向けタクシー券助成事業について、対象者や助成額、申請方法などを誰にでも分かりやすく徹底解説します。ただし、この事業は令和7年度から内容が変更され、令和8年度末をもって終了する予定です。対象となる方は、制度内容をよくご確認の上、お早めに申請をご検討ください。

【重要】事業の見直しと終了について

本事業は、近年の高齢者人口の増加や厳しい財政状況を踏まえ、見直しが行われました。ご利用を検討されている方は、以下の変更点を必ずご確認ください。

  • 要支援1・要支援2の方は、令和7年度から対象外となります。
  • 令和7年度より、最大交付枚数が年間12枚(6,000円分)に変更されます。(従来の半分)
  • 本事業は、令和8年度末(2027年3月31日)をもって終了する予定です。

制度が利用できる期間は限られています。対象となる方は、計画的にご活用ください。

助成事業の概要

まずは、この助成事業がどのようなものなのか、基本的な情報を確認しましょう。

目的と背景

この事業は、正式名称を「入間市要援護高齢者等タクシー利用料金助成事業」といいます。平成12年(2000年)の介護保険制度導入に伴い、支援が必要な高齢者の方々が、老人福祉施設や病院へ通う際の交通手段を確保し、自立した生活を支援することを目的として開始されました。タクシー利用料金の一部を助成することで、経済的な負担を軽減し、福祉の向上を図るための入間市独自のサービスです。

しかし、事業開始から20年以上が経過し、高齢者人口の増加や社会状況の変化、市の財政状況などを考慮し、事業の見直しと段階的な終了が決定されました。

制度の基本情報

入間市要援護高齢者等タクシー利用料金助成事業 概要
正式名称 入間市要援護高齢者等タクシー利用料金助成事業
実施組織 埼玉県入間市(福祉部 高齢者支援課)
助成内容 1枚500円のタクシー利用券を交付
最大助成額(令和7年度〜) 年間6,000円分(500円券 × 12枚)
申請期間 随時受付(年度内1回のみ申請可能)
事業終了予定 令和8年度末(2027年3月31日)

助成内容:いくら、どのように助成される?

具体的にどのような助成が受けられるのか、金額や使い方について詳しく見ていきましょう。

助成額と利用券の詳細

申請が承認されると、1枚500円分の価値があるタクシー利用券が交付されます。令和7年度からは、交付される枚数の上限が年間で最大12枚となります。これにより、1年間で合計6,000円分の助成が受けられる計算です。

  • 利用券1枚あたりの額面:500円
  • 年間最大交付枚数:12枚
  • 年間最大助成額:6,000円

利用方法と注意点

利用券を使う際には、いくつかのルールがあります。

  • 1回の乗車で最大2枚(1,000円分)まで使用できます。
  • お釣りは出ません。例えば、タクシー料金が800円の場合に利用券を2枚(1,000円分)使うことはできますが、差額の200円は返ってきません。
  • 利用券は、入間市と協定を結んでいるタクシー会社でのみ利用可能です。利用できる会社は市のホームページで確認できます。
  • 利用券の有効期限は、交付された年度の3月31日までです。
  • 他人への譲渡や転売は固く禁じられています。

対象者と条件【令和7年度からの変更点に注意】

この助成を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。特に令和7年度からの変更点は重要ですので、しっかり確認してください。

対象となる方

以下のすべての条件を満たす方が対象です。

  • 入間市内に住所があること。
  • 介護保険の認定審査会において「要介護1以上」の認定を受けていること。
  • 身体障害者手帳1・2級、または療育手帳〇A(マルA)・Aの交付を受けていないこと。(※例外あり)

※例外として、高齢者施設等に入所している要介護1以上の方で、かつ身体障害者手帳1・2級または療育手帳〇A・Aをお持ちの方は対象となります。

【注意】令和7年度からの対象者変更

これまで対象だった「要支援1」および「要支援2」の認定を受けている方は、令和7年度(2025年4月1日)から本事業の対象外となります。ご自身やご家族の介護度が該当する場合はご注意ください。

対象外となる方

以下のいずれかに該当する方は、この助成事業の対象外となります。

  • 要介護認定を受けていない方
  • 要介護認定が「自立」の方
  • 【令和7年度から】要介護認定が「要支援1」「要支援2」の方
  • 入間市重度心身障害者福祉タクシー利用料金助成事業の利用券の交付を受けている方(重複しての利用はできません)

対象となる利用目的(補助対象経費)

タクシー利用券は、どのような目的でも使えるわけではありません。利用目的が限定されているので注意が必要です。

利用できる目的

  • 病院、診療所、歯科医院などの医療機関への通院
  • デイサービスセンターなどの介護施設への通所

利用できない目的

以下のような目的での利用は助成の対象外です。

  • 買い物
  • 友人宅への訪問
  • 趣味やレジャー活動
  • 市役所などでの手続き
  • その他、通院・通所以外の私的な目的

申請方法と手順をステップ解説

申請は難しくありません。以下の手順に沿って進めましょう。

Step 1: 申請方法の選択

申請方法は、原則としてオンライン申請となりますが、ご本人が申請する場合に限り、紙での申請も可能です。

  • オンライン申請(原則):入間市の電子申請サービス「LOGOフォーム」から申請します。スマートフォンやパソコンから24時間いつでも手続きができて便利です。
  • 紙での申請(本人が申請する場合のみ):申請書を市役所や支所の窓口で受け取るか、市のホームページからダウンロードして印刷し、必要事項を記入します。

Step 2: 必要書類の準備

申請に必要なものは以下の通りです。

  • 入間市要援護高齢者等タクシー利用券交付申請書(紙で申請する場合)
  • 介護保険被保険者証の写し(入間市外の市区町村が介護保険者となっている方のみ)

Step 3: 申請手続き

準備ができたら、以下のいずれかの方法で申請します。

申請方法 詳細
オンライン 市のホームページにある申請フォーム(LOGOフォーム)にアクセスし、必要事項を入力して送信します。
窓口 入間市役所 高齢者支援課、または各支所の窓口に申請書を提出します。
郵送 記入済みの申請書を以下の宛先に郵送します。
〒358-8511 埼玉県入間市豊岡1-16-1 入間市役所 高齢者支援課 宛

申請後の流れ(利用券の受け取り)

申請は月末に締め切られ、審査が行われます。審査に通ると、申請した月の翌月に、住民票のある住所地へタクシー利用券が郵送されます。例えば、5月中に申請した場合、6月中に利用券が届くスケジュールです。

利用できるタクシー会社

利用券が使えるのは、入間市と協定を結んだタクシー会社に限られます。対象のタクシー会社の一覧は、入間市の公式ホームページでPDFファイルとして公開されています。利用する前に必ず確認しておきましょう。

申請前に確認!確実にもらうためのチェックポイント

この助成は、条件を満たせば基本的に誰でも受けることができます。申請漏れや間違いがないように、以下のポイントを確認しておきましょう。

  • 対象者要件を再確認する:特にご自身の介護度が「要介護1以上」であることを確認してください。令和7年度からは「要支援」の方は対象外です。
  • 申請は年度に1回のみ:申請は1つの年度につき1回しかできません。紛失しても再発行はされないので、大切に保管しましょう。
  • 制度の変更と終了予定を理解する:助成額の変更や事業の終了時期を念頭に置き、計画的に利用することが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 誰でも申請できますか?

A1. いいえ、どなたでも申請できるわけではありません。入間市在住で、「要介護1以上」の認定を受けていることなど、いくつかの条件を満たす必要があります。詳しくは本記事の「対象者と条件」の項目をご確認ください。

Q2. 令和7年度から何が変わるのですか?

A2. 大きく3つの点が変わります。①「要支援1・2」の方が対象外になります。②年間の最大交付枚数が24枚から12枚に半減します。③そして、この事業自体が令和8年度末で終了する予定です。

Q3. タクシー券はどのタクシー会社でも使えますか?

A3. いいえ、使えません。入間市と協定を結んでいる指定のタクシー会社でのみ利用可能です。利用可能なタクシー会社の一覧は、入間市の公式ホームページで公開されていますので、事前にご確認ください。

Q4. 申請してから利用券が届くまでどれくらいかかりますか?

A4. 申請は月末で締め切られ、翌月に郵送されます。例えば、8月10日に申請しても、8月30日に申請しても、利用券が届くのは9月中になります。

Q5. 家族が代理で申請することはできますか?

A5. はい、可能です。同一世帯の方や代理人による申請も受け付けています。オンライン申請は代理の方でも手続きがスムーズです。

まとめ:制度を賢く活用し、負担を軽減しましょう

今回は、入間市の「要援護高齢者等タクシー利用料金助成事業」について解説しました。最後に重要なポイントをまとめます。

  • 対象者:入間市在住で要介護1以上の方(令和7年度から要支援者は対象外)。
  • 助成額:500円の利用券を年間最大12枚(6,000円分)交付(令和7年度から)。
  • 利用目的:通院・介護施設への通所に限定。
  • 申請方法:原則オンライン申請。本人は紙での申請も可。
  • 重要事項:本事業は令和8年度末で終了予定です。

制度の変更や終了は残念ですが、まだ活用できる期間は残されています。通院などでタクシーを利用する機会が多い方は、この制度を上手に利用して、移動に伴う心身や経済的な負担を少しでも軽くしてください。ご不明な点があれば、入間市役所の担当課へ問い合わせてみましょう。

お問い合わせ先

福祉部 高齢者支援課
〒358-8511 埼玉県入間市豊岡1-16-1
電話番号:04-2964-1111(代表)
ファクス番号:04-2965-0232