経済産業省の「令和3年度補正 再生可能エネルギー導入加速化に向けた系統用蓄電池等導入支援事業」は、再生可能エネルギーの導入拡大を目的とした重要な補助金です。この記事では、本事業の概要、目的、そして採択された企業の具体的な事例について詳しく解説します。
【重要】受付終了のお知らせ
本事業は、令和4年3月31日をもって予算額に達したため、交付申請の受付を終了しています。最新の事業については、公式サイトをご確認ください。
事業の概要
本事業は、再生可能エネルギーの出力変動に対応し、電力系統の安定化に貢献する系統用蓄電池や水電解装置の導入を支援するものです。これにより、再生可能エネルギーのポテンシャルを最大限に引き出す環境整備を図ることを目的としていました。
項目 | 内容 |
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事業名 | 令和3年度補正 再生可能エネルギー導入加速化に向けた系統用蓄電池等導入支援事業 |
実施機関 | 経済産業省 資源エネルギー庁(執行団体:一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)) |
公募期間 | 令和4年2月16日(水)~ 令和4年3月31日(木)※受付終了 |
対象設備 | 系統用蓄電池、水電解装置 |
補助金の目的と背景
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、再生可能エネルギーの導入が加速しています。しかし、太陽光や風力などの再エネは天候によって発電量が大きく変動するため、電力の安定供給が課題となります。本事業では、この課題を解決するため、余剰電力を吸収(充電)し、不足時に供給(放電)できる大規模な蓄電池や、余剰電力で水素を製造する水電解装置の導入を支援しました。
この事業のポイント
- 電力の安定化: 再エネの出力変動を調整し、電力需給のバランスを保つ。
- 再エネの有効活用: 従来は抑制されていた可能性のある余剰再エネを有効に活用する。
- 新たなビジネス創出: 需給調整市場や卸電力市場など、各種電力市場での取引を通じて新たな収益機会を創出する。
採択事例紹介:東邦ガスの取り組み
本補助金を活用した代表的な事例として、東邦ガス株式会社の取り組みが挙げられます。同社は東海3県で初となる系統用蓄電池の導入を決定し、2025年度の運用開始を目指しています。
東邦ガス 系統用蓄電池プロジェクト概要 | |
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設置場所 | 三重県津市雲出鋼管町(東邦ガス 津LNGステーション跡地) |
蓄電池種別 | 日本ガイシ株式会社製NAS®電池 |
出力 | 11,400kW |
容量 | 69,600kWh |
このプロジェクトは、自社の調整力として活用するだけでなく、各種電力市場での取引を通じて電力の安定供給に貢献し、カーボンニュートラルな社会の実現を目指すものです。
税務上の特例(圧縮記帳)について
本補助金は、国税庁より圧縮記帳等の適用対象となる旨の回答が得られています。これにより、補助金で取得した固定資産について、税務上の優遇措置を受けられる可能性があります。適用にあたっては、税理士等の専門家への相談が推奨されます。
公式情報・お問い合わせ
本事業は既に終了していますが、関連情報や今後の事業については、執行団体である一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)の公式サイトをご確認ください。
お問い合わせ先(参考情報)
一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)
- 電話番号: 03-6260-6951
- メールアドレス: k_ess_info@sii.or.jp
- 受付時間: 平日10:00~12:00、13:00~17:00(土日祝除く)
※お問い合わせの際は、件名に【質問】と記載してください。また、本事業は受付終了しているため、最新の情報については公式サイトをご確認ください。