埼玉県では、高齢者や障害を持つ方など、誰もが安全かつ快適に鉄道を利用できるよう、駅施設のバリアフリー化を進める市町村を支援する「みんなに親しまれる駅づくり事業補助金」を実施しています。この記事では、地域交通の利便性向上を目指す市町村担当者様向けに、補助金の概要や対象事業、申請方法などを分かりやすく解説します。
補助金の概要
本事業は、地域の拠点である鉄道駅を誰もが利用しやすい施設にするため、バリアフリー設備の整備を行う市町村に対し、予算の範囲内で経費の一部を補助するものです。公共交通機関の利便性を高め、人にやさしいまちづくりを促進することを目的としています。
項目 | 内容 |
---|---|
補助額 | 1施設あたり最大2,000万円 |
補助率 | 市町村負担額の2分の1以内 (普通交付税不交付団体は3分の1以内) |
対象者 | 埼玉県内の市町村(政令指定都市を除く) |
対象事業 | 駅のバリアフリー化に資する施設(エレベーター、スロープ、多機能トイレ等)の整備 |
申請期間 | 詳細は公式サイトをご確認ください(例年、前年度に次年度の要望照会があります) |
この補助金の重要ポイント
- 地域住民の利便性向上:高齢者や車いす利用者、ベビーカー利用者など、誰もが安心して駅を利用できるようになります。
- 柔軟な施設整備:エレベーターやスロープだけでなく、障害者対応型トイレなど、駅の実情に応じたバリアフリー設備の整備が対象です。
- 継続的な支援:埼玉県では長年にわたり駅のバリアフリー化を推進しており、令和7年3月時点で県内対象駅の段差解消率は98.9%に達しています。
補助対象となる事業・経費
対象事業
原則として、駅のバリアフリー化の促進に資する施設の整備事業が対象となります。具体的には以下のような設備が想定されます。
- 障害者対応型エレベーター
- スロープ
- 障害者対応型トイレ(多機能トイレ)
- その他、駅利用の円滑な移動や快適性向上に資する施設
※各施設の整備は「埼玉県福祉のまちづくり条例」に基づいて行う必要があります。
対象経費
補助の対象となる経費は、以下の計算式で算出された額です。
補助対象経費 = (施設整備費 + 付帯工事費) – (鉄道事業者負担額 + 国庫補助金 + 地方債等)
⚠️ 注意点
設計費は補助対象外となりますのでご注意ください。
申請手続きの流れ
本補助金は市町村を対象としているため、一般的な公募とは手続きが異なります。大まかな流れは以下の通りです。
- 要望照会:県から各市町村へ、次年度の事業計画に関する要望照会が行われます。(例年8月頃)
- 交付申請:事業計画に基づき、市町村が県へ交付申請書および必要書類を提出します。
- 交付決定:県が申請内容を審査し、補助金の交付を決定します。
- 事業実施:交付決定後、市町村または鉄道事業者がバリアフリー施設の整備工事を実施します。
- 実績報告:事業完了後、市町村は県へ実績報告書を提出します。
- 補助金交付:実績報告の内容に基づき、補助金額が確定し、市町村へ支払われます。
令和6年度の補助実績
参考として、令和6年度には以下の事業に対して補助が行われました。
- 補助金額合計:4,930万円
- 補助対象市町村:3市(狭山市、志木市、桶川市)
- 補助対象施設:3駅、5施設(エレベーター4基、障害者対応型トイレ1箇所)
まとめと公式情報
「みんなに親しまれる駅づくり事業補助金」は、埼玉県内の駅のバリアフリー化を力強く後押しする制度です。地域の交通インフラを整備し、誰もが暮らしやすいまちづくりを実現するために、ぜひ本補助金の活用をご検討ください。
詳細な交付要綱や申請様式については、必ず埼玉県の公式ページをご確認ください。