宮崎市内で事業を営み、深刻な人材不足にお悩みの経営者・人事担当者の皆様へ。新たな人材確保の選択肢として注目される「特定技能人材」の雇用を、宮崎市が強力に後押しする補助金制度があるのをご存知でしょうか。それが「宮崎市特定技能人材雇用促進事業補助金」です。この制度を活用すれば、特定技能人材の雇用にかかる初期費用の一部として、1人あたり最大15万円、1事業者あたり最大30万円の補助を受けることが可能です。本記事では、この魅力的な補助金の概要から、対象となる条件、具体的な経費、そして採択されるための申請手順まで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく徹底解説します。初めて特定技能人材の雇用を検討する事業者様にとって、必見の内容です。

この補助金のポイント

  • 宮崎市内で初めて特定技能人材を雇用する事業者が対象
  • 人材1名につき最大15万円、1事業者あたり2名まで(合計最大30万円)を補助
  • 登録支援機関への手数料や渡航費、住居初期費用など幅広い経費が対象
  • 申請は就労開始予定日の3ヶ月前から準備が必要
  • 予算に限りがあるため、早めの申請が採択の鍵

1. 宮崎市特定技能人材雇用促進事業補助金の概要

まずは、本補助金の基本的な情報について確認しましょう。どのような目的で、誰が実施している制度なのかを理解することが、申請への第一歩です。

制度の目的と背景

この補助金は、宮崎市内の産業における深刻な人材不足の解消と、地域経済の活性化を図ることを目的としています。即戦力となる専門的な技能を持つ外国人材である「特定技能人材」の受け入れを促進するため、市内で新たに特定技能人材を雇用する事業者の経済的負担を軽減するために創設されました。

制度の基本情報

正式名称 宮崎市特定技能人材雇用促進事業補助金
実施組織 宮崎市(担当課:総合政策部国際政策課)
目的 市内の人材不足解消と経済活性化
公式サイト 宮崎市公式ウェブサイト

2. 補助金額と補助率

事業者にとって最も気になるのが、いくら補助されるのかという点でしょう。本補助金の補助額と補助率は以下の通りです。

項目 内容
補助率 補助対象経費の2分の1
補助上限額(1人あたり) 特定技能人材1名につき上限15万円
補助上限額(1事業者あたり) 1事業者あたり2名まで申請可能(合計で最大30万円

計算例

例えば、特定技能人材を1名雇用するために、登録支援機関への手数料や渡航費などで合計40万円の対象経費がかかった場合を考えてみましょう。

  • 補助対象経費:400,000円
  • 補助率:1/2
  • 計算上の補助額:400,000円 × 1/2 = 200,000円
  • 実際の補助額:150,000円(上限額が適用されるため)

このように、計算上の補助額が上限の15万円を超える場合は、15万円が支給されます。

3. 補助対象者と主な要件

この補助金は、誰でも申請できるわけではありません。以下の要件をすべて満たす必要があります。申請前に必ず自社が該当するかを確認してください。

補助対象事業者(申請する会社・個人事業主)の要件

  • 宮崎市内に事業所を有する法人または個人事業主であること。
  • 過去3年以内に特定技能人材を就労させた実績がないこと。(最重要ポイント!)
  • 市税を滞納していないこと。

補助対象事業(雇用の内容)の要件

  • 特定技能人材の雇用契約締結日が令和7年4月1日以降であること。
  • 就労開始日から1年以上継続して就労させる見込みがあること。
  • 特定技能人材の住民登録地および就労場所が宮崎市内であること。
  • 補助対象経費を補助対象事業者が負担するものであること。
  • 補助対象事業者による直接雇用であること。(派遣などは対象外)
  • 補助対象事業者内における技能実習から特定技能への移行に伴う雇用でないこと。

注意点:特に「過去3年以内の雇用実績がないこと」と「技能実習からの移行ではないこと」は重要なポイントです。すでに特定技能人材を雇用している事業者や、自社で育てた技能実習生を特定技能へ移行させる場合は対象外となりますのでご注意ください。

4. 補助対象となる経費

特定技能人材の雇用には様々な初期費用がかかりますが、本補助金では幅広い経費が対象となっています。具体的にどのような費用が対象になるのか、詳しく見ていきましょう。

対象経費リスト

  • 職業紹介事業者・登録支援機関への支払い費用:初期費用、紹介手数料、支援委託料など
  • 在留資格関連費用:在留資格の申請(変更・認定)に行政書士等へ支払う費用
  • 渡航関連費用:海外からの渡航費(航空券代など)および国内の移動費用
  • 住居環境整備費用:住居の借上げにかかる初期費用(敷金、礼金、仲介手数料、火災保険料など)
  • その他、市長が必要と認める経費

対象とならない経費の例

  • 特定技能人材に支払う給与、賞与、各種手当
  • 社会保険料、労働保険料
  • 家賃、光熱水費などの月々の生活費
  • 家具・家電などの備品購入費
  • 消費税及び地方消費税

5. 申請方法と全体の流れ

補助金の申請は、大きく分けて3つのステップで進みます。特に最初の「雇用計画認定申請」は期限が早いため、計画的に進めることが重要です。

【STEP 1】雇用計画認定申請 → 【STEP 2】交付申請兼実績報告 → 【STEP 3】補助金請求

STEP 1:雇用計画認定申請

まず、特定技能人材を雇用する計画について、市の認定を受ける必要があります。

  • 提出期日:特定技能人材の就労開始予定日の3ヶ月前まで
  • 主な提出書類:
    • 特定技能人材雇用計画認定申請書(様式第1号)
    • 特定技能人材雇用計画書(様式第2号)
    • 人材等の雇用契約書の写し
    • 【個人の場合】住民票の写し
    • 【法人の場合】定款及び登記簿謄本の写し

STEP 2:交付申請兼実績報告

計画の認定を受けた後、実際に人材を雇用し、経費の支払いが完了したら、補助金の交付申請と実績報告を同時に行います。

  • 提出期日:補助事業完了後、30日以内又は完了した日の属する年度の3月31日のいずれか早い日まで
  • 主な提出書類:
    • 補助金交付申請書兼実績報告書(様式第6号)
    • 特定技能人材雇用実績報告書(様式第7号)
    • 収支決算書(様式第8号)
    • 補助対象経費に係る領収書等の写し
    • 外国人雇用状況届出書の写し
    • 在留カードの写し(表裏面)
    • 滞納無証明書
    • 誓約書兼同意書(様式第9号または第10号)

STEP 3:補助金請求

市から交付決定・確定通知書が届いたら、最終ステップとして補助金の請求手続きを行います。この請求書に基づき、指定した口座に補助金が振り込まれます。

  • 提出期日:交付決定・確定通知受領後、速やかに
  • 主な提出書類:
    • 補助金請求書(様式第14号)
    • 相手方登録申出書

申請書等の提出先

  • 郵便番号:880-0031
  • 住所:宮崎市船塚1丁目58番地 宮崎公立大学交流センター内
  • 担当課:総合政策部国際政策課
  • 電話:0985-23-8555

6. 採択されるためのポイント

補助金は申請すれば必ずもらえるものではありません。予算には限りがあり、審査も行われます。採択の可能性を高めるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

  1. 早めの準備と相談を徹底する
    本補助金は予算の都合上、年度途中で受付を締め切る可能性があります。特定技能人材の雇用を検討し始めたら、すぐに市の担当課に相談し、早めに準備を進めることが最も重要です。
  2. 雇用計画の具体性を高める
    「特定技能人材雇用計画書」では、なぜその人材が必要なのか、どのように業務に従事させ、どのように定着を図っていくのかを具体的に記述しましょう。市の目的である「人材不足解消と経済活性化」に貢献する計画であることをアピールすることが大切です。
  3. 書類の不備をなくす
    申請書類の不備は、審査の遅れや心証の悪化に繋がります。様式の記入漏れ、添付書類の不足がないか、提出前に複数人でダブルチェックすることを強くお勧めします。特に領収書などの証拠書類は、宛名や日付、内容が明確にわかるものを準備しましょう。
  4. 対象要件を再度確認する
    申請準備を進める中で、自社が本当に対象要件をすべて満たしているか、何度も確認しましょう。特に「過去3年以内の雇用実績」や「技能実習からの移行ではない」といった点は、勘違いしやすいポイントです。

7. よくある質問(FAQ)

Q1. 以前、自社で雇用していた技能実習生が、一度帰国した後に特定技能として再度雇用する場合は対象になりますか?
A1. 対象外です。要綱で「補助対象事業者内における技能実習から特定技能への移行に伴う雇用でないこと」と定められています。これは、全く新しい人材を市内に呼び込むことを目的としているためです。
Q2. 登録支援機関とは何ですか?利用は必須ですか?
A2. 登録支援機関とは、特定技能人材を受け入れる企業に代わって、出入国に関する手続きや日本での生活支援(住居探し、日本語学習支援など)を行う、国から認定された機関です。自社でこれらの支援体制をすべて構築できない場合は、登録支援機関への委託が必須となります。本補助金では、その委託費用が対象経費に含まれます。
Q3. 補助金の申請は、人材紹介会社や行政書士に代行してもらえますか?
A3. 申請手続き自体は事業者様自身で行う必要がありますが、申請書類の作成サポートを行っている行政書士やコンサルタントもいます。ただし、代行費用は補助金の対象外となる場合が多いため、事前にご確認ください。
Q4. 雇用計画認定を受けた後、採用する人材が変わってしまった場合はどうすればよいですか?
A4. 計画に変更が生じた場合は、速やかに市の担当課(国際政策課)に連絡し、指示を仰いでください。「特定技能人材雇用計画変更等認定申請書(様式第4号)」の提出が必要になる場合があります。
Q5. 補助金はいつもらえますか?
A5. 補助金は、すべての手続きが完了し、STEP3の「補助金請求書」を提出した後、市での支払い手続きを経て振り込まれます。実績報告から振込までには一定の期間がかかりますので、資金繰りにはご注意ください。

8. まとめ

今回は、宮崎市が実施する「特定技能人材雇用促進事業補助金」について詳しく解説しました。最後に、重要なポイントをもう一度おさらいします。

重要ポイントの再確認

  • 対象者:宮崎市内で初めて特定技能人材を雇用する事業者(過去3年実績なし)
  • 補助額:最大30万円(1人あたり15万円 × 2名まで)
  • 対象経費:登録支援機関費用、渡航費、住居初期費用など
  • 注意点:技能実習からの移行は対象外。予算に限りがあるため早めの行動が必須。

人材不足は多くの企業にとって喫緊の課題です。この補助金を活用することで、採用コストの負担を大幅に軽減し、新たな人材を確保する大きなチャンスとなります。制度を正しく理解し、計画的に準備を進めることで、ぜひこの機会を最大限に活かしてください。ご不明な点があれば、まずは宮崎市の担当課へ問い合わせてみましょう。