山形県小国町にお住まいの皆様へ朗報です。近年、全国的に問題となっているツキノワグマの人里への出没。その原因の一つとされる、放置された果樹の対策として、町が伐採費用を補助する制度を開始しました。この記事では、「小国町野生鳥獣市街地等出没対策事業費補助金」について、背景から申請方法まで、プロが徹底解説します。
この補助金のポイント
- 目的: クマを人里に誘引する不要な果樹(柿、栗など)を伐採し、人身被害を未然に防ぐ。
- 補助額: 伐採・処分費用の3分の2、1本あたり最大20,000円を補助。
- 対象者: 小国町内の個人または地区の代表者。
- 注意点: 必ず伐採前に申請が必要です。予算の上限に達し次第、受付は締め切られます。
なぜ今、果樹の伐採が必要なのか?
この補助金がなぜ重要なのか、その背景には山形県が直面する深刻な鳥獣被害問題があります。特にツキノワグマの活動が活発化しており、人々の生活圏に大きな影響を及ぼしています。
山形県におけるツキノワグマの出没状況
山形県が公表しているデータによると、ツキノワグマの目撃件数は近年高い水準で推移しており、それに伴い人身被害も発生しています。収穫されずに放置された柿や栗は、クマにとって非常に魅力的な餌となり、人里へ引き寄せる大きな原因となっています。
放置果樹をなくすことは、クマとの不要な遭遇を避け、地域全体の安全を守るための「生息環境管理」という重要な対策なのです。
補助金の詳細をチェック!
ご自宅の敷地や地域にある不要な果樹が対象になるか、具体的な条件を確認しましょう。
項目 | 内容 |
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補助対象事業 | 集落内の柿、栗などの不要果樹の伐採および処分にかかる費用 |
対象となる場所 | 集落末端の住家から200メートル以内にある果樹。 個人宅の敷地内も対象です。 ※農地や山林内の果樹は対象外となります。 |
補助金額 | 伐採費用の3分の2(1本あたり上限20,000円) |
申請できる方 | ・個人 ・地区の代表者(公民館組織など) |
申請手続きの簡単3ステップ
申請はとてもシンプルですが、順番を間違えないように注意しましょう。
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1
伐採前の準備
まず、伐採を依頼する業者から見積書を取得します。自分で伐採する場合でも、経費の内訳がわかる書類が必要です。また、伐採する木の位置がわかる地図や、所有者の同意書も準備します。
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2
申請書類の提出
以下の書類を揃えて、小国町役場 農林振興課に提出します。伐採作業は、町の交付決定通知が届いてから開始してください。
- 交付申請書(様式第1号・第2号)
- 伐採木の位置図
- 不要果樹及び立木所有者の同意書
- 見積書等(伐採経費の内訳がわかるもの)
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3
申請期限
令和7年度の申請期限は 2025年10月24日(金) です。ただし、予算の上限に達し次第、締め切りとなりますので、早めの申請をおすすめします。
⚠️ 最重要注意点
この補助金は「事前申請」が必須です。すでに伐採してしまった木は対象外となりますので、必ず役場に申請し、交付決定を受けてから作業を開始してください。
まとめ
「小国町野生鳥獣市街地等出没対策事業費補助金」は、地域の安全を守るために非常に有効な制度です。ご自宅の庭や近隣に管理されていない柿や栗の木がある場合は、この機会にぜひ補助金を活用して伐採を検討してみてはいかがでしょうか。クマとの共存、そして何より住民の安全確保のために、一人ひとりの行動が重要です。
申請書ダウンロード・お問い合わせ先
申請書のダウンロードや、制度に関する詳しいお問い合わせは、以下の公式サイトまたは担当窓口までご連絡ください。
小国町役場 農林振興課 森林振興担当
〒999-1363 山形県西置賜郡小国町大字小国小坂町2-70
Tel:0238-62-2408 / Fax:0238-62-5464