詳細情報
大分県国東市への魅力的な団体旅行を企画している旅行会社の皆様へ朗報です。「国東市観光周遊促進支援事業助成金」は、市内の観光施設や飲食店などを巡る貸切バスツアーを企画・実施する旅行業者を対象とした、非常に価値のある支援制度です。この助成金を活用することで、参加者1名あたり日帰りで2,000円、宿泊なら3,000円の助成が受けられ、より競争力のある魅力的なツアー造成が可能になります。本記事では、令和7年度の制度内容を基に、対象要件から申請の具体的なステップ、採択されるためのポイントまで、担当者の方が知りたい情報を網羅的に解説します。公式サイトでは「今年度の受付は終了」と案内されていますが、来年度以降の企画に向けて、今から制度を深く理解し準備を進めることが成功の鍵となります。
重要なお知らせ
本助成金は、予算の上限に達し次第、受付が終了となります。令和7年度分は既に受付を終了していますが、次年度以降も同様の制度が実施される可能性が高いです。関心のある事業者は、国東市の公式サイトを定期的に確認し、公募開始後すぐに申請できるよう準備を進めておくことを強くお勧めします。
1. 国東市観光周遊促進支援事業助成金の概要
まずは、この助成金がどのような制度なのか、基本情報を確認しましょう。
制度の目的
この助成金は、大分県国東市が、市内の観光施設、飲食店、特産品販売施設などを周遊する団体旅行の企画を促進するために設けている制度です。旅行会社による魅力的なツアー造成を支援することで、市外からの観光客誘致を強化し、地域経済の活性化と観光事業の振興を図ることを目的としています。単なる観光地訪問だけでなく、食事や買い物を含めた周遊を促すことで、市全体への経済効果を最大化することを目指しています。
実施組織
この事業の実施主体は、大分県国東市です。申請や問い合わせの窓口は、国東市役所の「観光・地域産業創造課 商工観光企画係」が担当しています。
2. 助成金額・補助率について
本助成金の最大の魅力は、その分かりやすい助成内容にあります。経費の積み上げではなく、参加人数に応じた定額が助成されます。
| 旅行形態 | 助成額(参加者1名あたり) | 備考 |
|---|---|---|
| 日帰り旅行 | 2,000円 | 全要件を満たす必要があります。 |
| 宿泊旅行 | 3,000円 | 1泊を上限とします。 |
助成額の計算例
具体的なイメージを掴むために、計算例を見てみましょう。
- 例1: 25名の団体で、国東市内に1泊するツアーを催行した場合
3,000円/人 × 25名 = 75,000円 の助成 - 例2: 40名の団体で、国東市内を日帰りで周遊するツアーを催行した場合
2,000円/人 × 40名 = 80,000円 の助成
このように、参加人数が多ければ多いほど助成額も大きくなるため、団体旅行の価格設定において大きなアドバンテージとなります。
3. 対象者・条件の詳細
助成金を受け取るためには、いくつかの重要な要件をすべて満たす必要があります。企画段階で必ず確認してください。
補助対象者
旅行業法(昭和27年法律第239号)第3条の規定に基づく旅行業の登録を受けた旅行業者が対象です。
補助対象事業の8つの必須要件
以下の8つの条件をすべてクリアする企画旅行が対象となります。
- ① 出発地:旅行の出発地は国東市外からとすること。
- ② 交通手段:往復ともに貸切りバスを利用すること。
- ③ 参加人数:参加人員が10人以上であること。(旅行業者、バス乗務員、添乗員は除く)
- ④ 食事:市内の飲食施設等で1回以上の食事利用を行うこと。
- ⑤ 買物:市内の特産品等の販売施設(道の駅、里の駅など)に立ち寄ること。
- ⑥ 観光:市内の観光施設を3か所以上見学し、そのうち1か所以上は有料施設とすること。(飲食・販売施設はカウントしない)
- ⑦ アンケート:旅行参加者に所定のアンケートを回答させ、集計表(様式第6号)を提出すること。
- ⑧ 広報:募集用のチラシ・パンフレット・専用サイト等に、本助成金を利用して催行する旨の文言を記載すること。
対象外となる旅行:教育旅行、会議・研修、特定の政治・宗教活動を目的とした旅行は対象外です。
4. 補助対象経費
この助成金は、特定の経費(例:バス代、宿泊費)の一部を補助する「経費補助」ではありません。前述の8つの要件をすべて満たしたツアーの催行そのものに対して、参加人数に応じた「定額助成」を行うものです。そのため、助成金の使途に特定の制限はありませんが、ツアー催行にかかる費用全般(バス代、宿泊費、食費、人件費、広告宣伝費など)に充当することが想定されます。申請時に経費の領収書を積み上げて報告する必要がないため、事務処理が比較的簡素である点が特徴です。
5. 申請方法・手順
申請手続きは、大きく分けて「① 事前の事業指定申請」と「② 催行後の交付申請(実績報告)」の2段階に分かれています。流れをしっかり理解し、期限を守って手続きを進めましょう。
ステップ1:助成金対象事業指定申請【ツアー催行前】
まず、企画したツアーが助成金の対象となるかどうかの審査を受けます。
- 提出時期:最初の旅行催行日から起算して3か月から14日前までの期間内。
- 提出書類:
- 助成金対象事業指定申請書(様式第1号)
- 旅行行程が確認できる書類(食事場所・宿泊施設・観光施設等を明記)
- 募集用のチラシ・パンフレット・専用サイト等の原稿
ステップ2:助成金対象事業指定書の受領
国東市での審査後、助成対象事業として認められると「助成金対象事業指定書(様式第2号)」が送付されます。この通知を受け取って初めて、助成金の交付対象となります。
ステップ3:助成金交付申請(兼実績報告)【ツアー催行後】
ツアーがすべて終了したら、実績を報告し、助成金の交付を申請します。
- 提出時期:最後の旅行催行後1か月以内。(※令和8年3月中のツアーは令和8年3月27日まで)
- 提出書類:
- 助成金交付申請書(兼実績報告書)(様式第4号)
- 実行した旅行行程の確認書類
- 旅行の各行程の参加人数など内容が確認できる書類(食事施設等の領収書など)
- 宿泊を伴う場合、宿泊利用証明書(様式第5号)または宿泊施設の領収書写し
- お客様アンケートの集計表(様式第6号)
- 助成金対象事業指定書(様式第2号)の写し
ステップ4〜6:決定・請求・交付
実績報告の審査後、「助成金交付決定書(様式第7号)」が送付されます。この通知を受けたら、「助成金請求書(様式第8号)」を提出し、後日、指定の口座に助成金が振り込まれます。
6. 採択されるための3つのポイント
この助成金を確実に活用するために、押さえておくべき重要なポイントを3つご紹介します。
ポイント1:公募開始と同時に動ける準備
本助成金は予算がなくなり次第終了する「早い者勝ち」の制度です。次年度の公募が開始されたら、すぐに事業指定申請ができるよう、あらかじめツアーの企画、行程の策定、募集用チラシの原案作成などを進めておくことが極めて重要です。市の公式サイトを定期的にチェックしましょう。
ポイント2:8つの要件を確実に満たす行程計画
申請の前提として、8つの必須要件をすべて満たす行程を組む必要があります。特に見落としがちなのが「観光施設3か所(うち有料1か所)」の条件です。食事場所や買物施設は観光施設に含まれないため、行程表を作成する際は、どの施設がどの要件に該当するのかを明確に区別して計画しましょう。事前に国東市の観光情報をリサーチし、魅力的な周遊ルートを検討しておくことが採択への近道です。
ポイント3:書類の正確性と具体性
申請書類に不備があると、審査が遅れたり、最悪の場合不採択となったりする可能性があります。特に「旅行行程が確認できる書類」は、立ち寄り先の施設名、住所、滞在時間などを具体的に記載し、誰が見ても要件を満たしていることが分かるように作成しましょう。また、募集用チラシ等に「本助成金を利用して催行する旨の文言」を入れ忘れないよう注意が必要です。
7. よくある質問(FAQ)
- Q1. 複数のツアーをまとめて申請できますか?
- A1. 可能です。ただし、指定期間は最初の旅行催行日から3か月以内と定められています。3か月以上に渡るツアーや5本以上設定しているツアーは、申請書を複数枚に分けて記入する必要があります。
- Q2. 催行当日にキャンセルが出て、参加者が10人を下回った場合はどうなりますか?
- A2. 参加人員10人以上が必須要件のため、最終的な参加者が10人を下回った場合は助成対象外となります。募集段階である程度の余裕を持たせておくことが推奨されます。
- Q3. 「助成金を利用して催行する旨の文言」は具体的にどう書けばいいですか?
- A3. 「この旅行は『国東市観光周遊促進支援事業助成金』を活用しています。」といった文言を、募集用のチラシやウェブサイトに分かりやすく記載してください。詳細は申請時に担当課にご確認ください。
- Q4. 申請書類はメールで提出できますか?
- A4. はい、郵送またはメールでの提出が可能です。ただし、請求書(様式第8号)など一部押印が必要な書類もありますので、募集要領をよくご確認ください。
- Q5. 予算終了後に受付が再開されることはありますか?
- A5. 公式サイトには「既に指定を受けているツアーの実施状況や実績により、今後予算に余裕が生じた場合には、申請受付を再開する場合がある」と記載されています。再開される際はホームページで告知されるため、定期的な確認が有効です。
8. まとめと次のアクション
「国東市観光周遊促進支援事業助成金」は、国東市への団体旅行を企画する旅行会社にとって、非常に強力なサポートとなる制度です。最後に、重要なポイントを再確認しましょう。
- 対象者:旅行業登録を受けた事業者
- 助成額:日帰り2,000円/人、宿泊3,000円/人
- 重要要件:貸切バス、10人以上、食事・買物・観光(3か所以上)など8つの条件をクリアすること
- 申請フロー:「事前指定」と「事後報告」の2段階
- 成功の鍵:予算上限があるため、早期の準備と申請が不可欠
次年度の公募に向けて、今から国東市の観光資源をリサーチし、魅力的な周遊コースを検討してみてはいかがでしょうか。最新情報や詳細な様式については、必ず公式サイトをご確認ください。
申請提出・お問い合わせ先
〒873-0503
大分県国東市国東町鶴川149番地
国東市観光・地域産業創造課 商工観光企画係
電話番号:0978-72-5168
メールアドレス:kanko@city.kunisaki.lg.jp
公式サイト:https://www.city.kunisaki.oita.jp/site/kanko/2025syuyusokushinsien.html