東京都では、今後の市場拡大が見込まれる宇宙産業への参入を目指す都内の中小企業やスタートアップを支援するため、最大1億円の助成金を公募します。本記事では、「航空宇宙産業への参入支援事業(宇宙製品等開発経費助成)」の概要から申請方法、スケジュールまでを分かりやすく解説します。
この助成金のポイント
- 最大1億円の大規模な開発支援!
- 機器開発とソリューション開発の2つのコースから選択可能。
- 対象経費の3分の2以内を助成。
- 都内で創業予定の個人も対象。
- 申請はJグランツによる電子申請のみ。
宇宙製品等開発経費助成とは?
今後の市場拡大が期待される宇宙産業において、都内の中小企業やスタートアップがビジネスチャンスを獲得できるよう、宇宙関連機器やソリューションの開発・改良を支援する事業です。高い技術力を持つ中小企業が、成長産業である宇宙分野へ挑戦するための強力な後押しとなります。
助成金の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業名 | 航空宇宙産業への参入支援事業(宇宙製品等開発経費助成) |
| 実施機関 | 東京都、公益財団法人東京都中小企業振興公社 |
| 対象者 | ・都内の本店又は支店で実質的な事業活動を行っている中小企業者(会社及び個人事業者)等 ・都内での創業を具体的に計画している個人 |
| 助成率 | 助成対象と認められる経費の2/3以内 |
2つの助成コース詳細
本助成金には、事業内容に応じて2つのコースが用意されています。
| ① 機器開発助成 | ② ソリューション開発助成 | |
|---|---|---|
| 対象事業 | ロケット、人工衛星、探査機、地上施設及びこれらに関連した機器類の開発・改良 | 「人工衛星による通信・観測・測位」等のデータ利活用サービスの開発・改良 |
| 助成限度額 | 1億円(下限額 1,500万円) | 2,000万円 |
| 対象期間 | 令和8年2月1日~最長令和11年1月31日 (3年以内) |
令和8年2月1日~最長令和9年10月31日 (1年9か月以内) |
補助対象経費
開発・改良に要する以下の経費が対象となります。
- 原材料・副資材費
- 機械装置・工具器具費
- 委託・外注費
- 専門家指導費
- 産業財産権出願・導入費
- 直接人件費
- 展示会等出展費
- 広告費
申請スケジュール
【重要】申請期間はエントリー期間と異なります!
申請には事前のエントリーが必要です。申請受付期間は短いため、余裕を持った準備を心がけましょう。
| 項目 | 期間 |
|---|---|
| 申請前エントリー | 令和7年8月4日(月)~10月10日(金) |
| 申請受付期間 | 令和7年9月19日(金)~10月10日(金)17時00分 |
| 一次審査(書類) | ~令和7年11月下旬 |
| 二次審査(面接) | ~令和7年12月中旬 |
| 総合審査 | ~令和8年1月中旬 |
| 交付決定 | 令和8年1月末(予定) |
申請方法と手順
申請は、国の電子申請システム「Jグランツ」でのみ受け付けます。以下の4ステップで手続きを進めてください。
-
STEP1:申請前エントリー
まずは公社ホームページのエントリーフォームから登録します。「ネットクラブ会員サービス」への登録が必要です。 -
STEP2:「GビズIDプライム」アカウントの取得
Jグランツの利用には「GビズIDプライム」アカウントが必須です。アカウント発行には時間がかかる場合があるため、早めに取得手続きを行いましょう。 -
STEP3:申請書類の準備
公社ホームページから指定様式をダウンロードし、事業形態に応じた必要書類を準備します。 -
STEP4:Jグランツによる電子申請
申請受付期間内に、Jグランツの申請フォームから全ての書類を提出します。期限厳守です。
申請に必要な書類
事業形態により必要書類が異なります。詳細は必ず募集要項でご確認ください。(〇:必須、△:該当者必須、▲:任意)
| No | 提出資料 | 法人 | 未決算法人 | 個人事業者 | 創業予定者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 申請書【指定様式】 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 2 | 補足説明資料 | ▲ | ▲ | ▲ | ▲ |
| 3 | 特許・実用新案等の証拠書類 | △ | △ | △ | △ |
| 4 | 見積書 | △ | △ | △ | △ |
| 5 | 確定申告書の写し | ○ | ○ | ||
| 6 | 源泉徴収票 | ○ | ○ | ||
| 7 | 資金繰り表 | ○ | ○ | ||
| 8 | 助成事業を遂行できる資金保有の裏付け書類 | ○ | ○ | ||
| 9 | 登記簿謄本 | ○ | ○ | ||
| 10 | 開業届の写し | ○ | |||
| 11 | 法人事業税及び法人都民税納税証明書 | ○ | |||
| 12 | 所得税納税証明書 その1 | ○ | ○ | ||
| 13 | 住民税納税証明書 | ○ | ○ |
ハンズオン支援と関連事業
本助成金の採択事業者には、専門のコーディネーターによるハンズオン支援が実施されます。事業計画の進捗管理や課題解決に向けた助言など、手厚いサポートを受けられるのが大きな魅力です。
また、助成金以外にも、都内中小企業の航空宇宙産業への参入を後押しするため、以下の支援事業も実施されています。
- 航空宇宙産業参入支援セミナー・交流会
- 宇宙産業参入に向けたコーディネーターによる支援
これらの支援も活用することで、業界のネットワーク構築や情報収集を効率的に進めることができます。
まとめ
「宇宙製品等開発経費助成」は、宇宙という成長市場に挑戦する都内の中小企業・スタートアップにとって、またとないチャンスです。最大1億円という大規模な支援に加え、専門家によるハンズオン支援も受けられます。申請には事前準備が不可欠ですので、スケジュールをよく確認し、早めに準備を始めましょう。
お問い合わせ先
▼ 助成金に関すること
公益財団法人東京都中小企業振興公社
助成課 宇宙助成事務局
TEL:03-3251-7894(平日9:00~12:00・13:00~17:00)
▼ セミナー・コーディネーター支援に関すること
事業戦略部 取引振興課
TEL:03-5822-7250
対象者・対象事業
都内の本店又は支店で実質的な事業活動を行っている中小企業者(会社及び個人事業者)等、または都内での創業を具体的に計画している個人
必要書類(詳細)
申請書【指定様式】、補足説明資料(任意)、特許・実用新案等の証拠書類(該当者)、見積書(該当者)、確定申告書の写し(法人・個人事業者)、源泉徴収票(個人事業者・創業者)、資金繰り表(法人・未決算法人)、助成事業を遂行できる資金保有の裏付け書類(法人・未決算法人)、登記簿謄本(法人・未決算法人)、開業届の写し(個人事業者)、法人事業税及び法人都民税納税証明書(法人)、所得税納税証明書 その1(個人事業者・創業者)、住民税納税証明書(個人事業者・創業者)※事業形態により異なります。詳細は募集要項をご確認ください。
対象経費(詳細)
開発・改良に要する経費として、①原材料・副資材費、②機械装置・工具器具費、③委託・外注費、④専門家指導費、⑤産業財産権出願・導入費、⑥直接人件費、⑦展示会等出展費、⑧広告費が対象です。