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農林水産物・食品の輸出拡大を強力に支援!国際認証取得補助金のご案内
海外市場への進出を目指す農林水産業者や食品関連事業者にとって、輸出先国の規制対応や国際的に通用する認証の取得は、販路拡大の鍵であると同時に大きなハードルでもあります。そこで活用したいのが、農林水産省が実施する「農林水産物・食品輸出促進緊急対策事業(国際的に通用する認証等取得緊急支援事業)」です。この制度は、HACCPや有機JAS、GLOBALG.A.P.といった国際認証の新規取得にかかる費用の一部を補助し、事業者の海外展開を強力に後押しすることを目的としています。
この記事では、本補助金の概要から対象者、補助額、申請方法までを分かりやすく徹底解説します。輸出拡大に向けた次の一手として、ぜひ本制度の活用をご検討ください。
補助金の概要
まずは、本補助金の全体像を把握しましょう。主要な項目を表にまとめました。
| 補助金名 | 農林水産物・食品輸出促進緊急対策事業のうち輸出環境整備緊急対策事業(国際的に通用する認証等取得緊急支援事業) |
| 目的 | 輸出の阻害要因となっている輸出先国の規制等の課題解決のため、国際的に通用する認証等の新規取得に係る取組を支援する。 |
| 補助上限額 | 最大 39,624,000円 |
| 補助率 | 1/2以内 |
| 実施機関 | 農林水産省 |
補助対象となる事業者
本補助金は、農林水産物・食品の輸出に意欲的に取り組む、幅広い事業者を対象としています。具体的には、以下のような民間団体等が対象となります。
- 法人(株式会社、合同会社など)
- 個人事業主
- 組合・団体等(農業協同組合、漁業協同組合など)
- NPO法人
- 社団法人・財団法人
- 独立行政法人
自社の組織形態が対象となるか不明な場合は、公募要領を確認するか、問い合わせ先に直接確認することをおすすめします。
補助対象となる経費
補助の対象となるのは、国際的に通用する認証等を新規に取得するために必要な経費です。具体的には、以下のような費用が想定されます。
- 専門家謝金:コンサルタントへの相談費用など
- 旅費:現地審査や研修参加のための交通費・宿泊費など
- 委託費:認証取得に関する調査や手続きの代行費用など
- 人件費:認証取得のために直接従事する従業員の給与など
- 通信運搬費:書類の郵送費やサンプル輸送費など
- 借料:認証取得に必要な機器のレンタル費用など
- 雑役務費:翻訳費用や資料作成費など
【対象となる認証の例】
- 食品安全マネジメントシステム認証(HACCP、ISO22000、FSSC22000など)
- 農業生産工程管理認証(GLOBALG.A.P.、ASIAGAP、JGAPなど)
- 有機認証(有機JASなど)
- その他、輸出先国政府や小売業者等が求める認証
- 輸出先国で他国産との差別化が図られる認証
公募期間と申請方法
本事業は、年度内に複数回の公募が行われることが通例です。公募期間は比較的短いため、常に最新情報をチェックし、準備を進めておくことが重要です。
- 公募期間:農林水産省の公式サイトで発表されます。定期的に確認しましょう。(参考:3次公募は令和7年5月9日~5月23日)
- 申請方法:原則として、指定されたメールアドレスへの電子メールによる申請となります。
- 提出書類:「課題提案書」をはじめ、公募要領で定められた書類を準備する必要があります。
注意:公募回によって詳細な要件や期間が異なる場合があります。申請を検討する際は、必ず最新の公募要領を農林水産省のウェブサイトで確認してください。
申請のポイントと採択に向けた準備
本補助金の採択審査では、提出された「課題提案書」の内容が重視されます。以下のポイントを押さえて、説得力のある提案書を作成しましょう。
- 事業の目的と必要性の明確化:なぜその認証が必要なのか、認証取得が輸出拡大にどう繋がるのかを具体的に記述します。ターゲットとする国や市場、見込まれる効果(輸出額の増加など)を数値目標を交えて示すと効果的です。
- 計画の具体性と実現可能性:認証取得までのスケジュール、体制、経費の内訳などを具体的に示し、計画が着実に実行可能であることをアピールします。
- 波及効果:自社の取り組みが、地域や業界全体にどのような良い影響を与えるか(地域の産品全体のブランド価値向上など)を記述できると、より高く評価される可能性があります。
公募開始から締切までが短期間であるため、公募が開始される前から情報収集を行い、課題提案書の骨子を作成しておくなど、事前の準備が採択の鍵を握ります。
まとめ
「国際的に通用する認証等取得緊急支援事業」は、日本の農林水産物・食品の国際競争力を高め、輸出を促進するための非常に有効な支援策です。認証取得には専門的な知識や多額の費用が必要となりますが、本補助金を活用することでその負担を大幅に軽減できます。
海外市場への挑戦を考えている事業者の皆様は、この機会を最大限に活用し、グローバルなビジネス展開への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。まずは農林水産省のウェブサイトで最新の公募情報を確認することから始めましょう。