詳細情報
福岡市内で飲食店や食品関連事業を営む皆様へ朗報です。事業活動で日々発生する生ごみの処理コストや環境への負荷にお悩みではありませんか？福岡市では、そんな事業者の皆様を力強くサポートするため、「事業所生ごみ処理機（堆肥化）導入支援補助金」を実施しています。この制度を活用すれば、生ごみ処理機の導入費用の最大1/2、上限50万円の補助を受けることが可能です。食品廃棄物の削減は、コスト削減だけでなく、企業のSDGsへの取り組みやイメージアップにも繋がります。この記事では、補助金の概要から対象要件、具体的な申請手順、そして審査を通過するための重要なポイントまで、専門家が徹底的に解説します。最後まで読めば、スムーズな申請への道筋が明確になるはずです。予算がなくなり次第終了となりますので、お早めにご検討ください。
福岡市事業所生ごみ処理機導入支援補助金の概要
まずは、本補助金の基本的な情報について確認しましょう。制度の目的や背景を理解することが、申請を成功させる第一歩です。
正式名称と実施組織
- 正式名称：福岡市事業所生ごみ処理機（堆肥化）導入支援補助金
- 実施主体：福岡市
- 申請窓口・問い合わせ先：公益財団法人 ふくおか環境財団
目的・背景
この補助金は、福岡市内の事業所から排出される食品廃棄物の減量と資源化を推進することを目的としています。生ごみを単なる「ごみ」として焼却処分するのではなく、処理機を使って「堆肥」という価値ある資源に変える取り組みを支援することで、循環型社会の実現を目指しています。
申請受付期間
令和7年5月1日（木曜日）から令和7年12月26日（金曜日）まで
重要：予算がなくなり次第、期間内であっても申請受付を終了します。導入を検討している事業者は、早めの準備と申請を強くお勧めします。
補助金額・補助率
本補助金の最大の魅力である補助額と補助率について、詳しく見ていきましょう。補助額は、生成された堆肥をどれだけ活用するかによって変動する点が特徴です。
| 堆肥の活用方法 | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|
| 生ごみ堆肥の全量を自ら活用する場合 | 購入・設置費の1/2 | 50万円 |
| 生ごみ堆肥の半量以上を活用する場合 | 購入・設置費の1/2 | 25万円 |
※半量以上を活用する場合、使い切れない堆肥は市が指定の「資源物回収ボックス」で回収してくれます。
計算例
- ケース1：120万円の処理機を導入し、堆肥を全量自社で活用する場合
120万円 × 1/2 = 60万円 → 上限額が適用され、補助額は50万円となります。 - ケース2：80万円の処理機を導入し、堆肥の半量を活用する場合
80万円 × 1/2 = 40万円 → 上限額（25万円）が適用され、補助額は25万円となります。 - ケース3：40万円の処理機を導入し、堆肥の半量を活用する場合
40万円 × 1/2 = 20万円 → 上限額（25万円）を下回るため、補助額は20万円となります。
対象者・条件
補助金を利用するためには、以下の全ての要件を満たす必要があります。自社が対象となるか、事前にしっかりと確認してください。
- 食品廃棄物（事業系一般廃棄物）を排出する福岡市内の事業者（法人又は個人事業主）であること。
- 中小企業基本法に規定する中小企業者であること。
- 生成される生ごみ堆肥の半量以上を活用できること。
- 補助を受けた生ごみ処理機を、補助年度を含め5年以上継続して使用できること。
- 市税を滞納していないこと。
- 福岡市暴力団排除条例に規定する暴力団員や密接な関係者でないこと。
対象となる事業者の具体例
以下のような、福岡市内で食品廃棄物を排出する多くの中小企業が対象となり得ます。
- 飲食店（レストラン、カフェ、居酒屋など）
- 宿泊施設（ホテル、旅館など）
- 小売店（スーパーマーケット、コンビニエンスストア、惣菜店など）
- 食品製造業
- 社員食堂を持つ事業所
- 病院や介護施設など
補助対象経費
補助金の対象となる経費と、対象外となる製品について正確に理解しておくことが重要です。間違った製品を選んでしまうと、補助金を受けられなくなる可能性があります。
対象となる経費
- 生ごみ処理機（堆肥化タイプ）の新規購入費
- 生ごみ処理機（堆肥化タイプ）の設置に要する経費
- リース契約の場合も対象（ただし初年度分のリース料のみ）
対象となる製品
微生物の働きによって生ごみを分解し、肥料として活用可能な固形の堆肥ができる製品（堆肥化タイプ）が対象です。家庭向けの小型機器を事業所で使用する場合も対象となります。
数量については、電動の場合は1事業所あたり1台、手動の場合は1事業所あたり5点を上限とします。
【注意】対象外となる製品
- 消滅型：生ごみを分解するが、固形の堆肥ができない製品
- 乾燥式：熱で乾燥させて減量する製品（「乾燥後に土に埋めると堆肥になる」というタイプも対象外）
- ディスポーザー：生ごみを粉砕して下水に流す製品
製品選びで迷った場合は、購入前に必ず問い合わせ先に確認しましょう。
申請方法・手順
申請から補助金受領までの流れは、大きく8つのステップに分かれます。特に「購入・設置前の事前申請」が必須である点に注意してください。
- 【事業者】交付申請：必要書類を揃え、ふくおか環境財団へ申請します。（令和7年12月26日まで）
- 【財団】審査：財団が申請内容を審査します。
- 【財団】交付決定通知：審査通過後、事業者へ「交付決定通知書」が送付されます。
- 【事業者】購入・設置：必ず「交付決定通知書」を受け取ってから、生ごみ処理機を購入・設置します。
- 【事業者】実績報告：設置後、領収書などを添えて実績報告書を提出します。（令和8年2月27日まで）
- 【財団】審査・額の確定：実績報告の内容を審査し、補助金の交付額を確定します。
- 【財団】交付額確定通知：事業者へ「交付額確定通知書」が送付されます。
- 【財団】振込み：指定した口座へ補助金が振り込まれます。
必要書類リスト
申請には多くの書類が必要です。漏れがないように、チェックリストとしてご活用ください。
（１）交付申請時に必要な書類
- 申請書（様式１－１号）
- 補助の対象経費が確認できる書類（見積書など）
- 購入する製品の名称、型番及びメーカー名が分かる書類（カタログのコピーなど）
- 生ごみ処理機を設置する施設の所在地を示す地図
- 生ごみ処理機の設置予定場所の現況写真
- 生ごみ堆肥の活用に関する計画書（様式第１－２号）
- 市税に係る徴取金に対応がない旨の証明書（※市への照会に同意する場合は不要）
- 【個人事業主の場合】本人確認ができる公的な証明書の写し（※市への照会に同意する場合は不要）
- 【法人の場合】履歴事項全部証明書または現在事項全部証明書の写し
- 役員名簿（様式第１－３号）
（２）実績報告時に必要な書類
- 実績報告書（様式５号）
- 補助対象経費に係る支出の確認ができる領収書等の写し
- 設置を行った後の現況写真
- 製造番号が確認できる写真
各種様式は福岡市の公式サイトからダウンロードできます。
採択のポイント
審査を通過し、確実に補助金を受け取るためには、いくつかの重要なポイントがあります。特に「堆肥の活用計画」は審査の鍵を握ります。
① 堆肥の活用計画を具体的に作成する
「生ごみ堆肥の活用に関する計画書」には、生成される堆肥を「誰が」「どこで」「どのように」活用するのかを具体的に記載する必要があります。審査員が納得できる、実現可能な計画を提示しましょう。
- 良い例：「店舗前の花壇（約10㎡）の緑化活動に月5kg使用する。また、提携している〇〇農園に月20kg提供し、野菜栽培に活用してもらう。残りは市の回収ボックスを利用する。」
- 悪い例：「自社で使う」「近所の人にあげる」など、具体性に欠ける計画。
② 予算がなくなる前に早めに申請する
この補助金は先着順の要素が強い制度です。要件を満たしていても、予算が尽きてしまえば受付は終了してしまいます。導入を決めたら、速やかに書類準備に取り掛かりましょう。
③ 書類の不備をなくす
申請書類の記入漏れや添付書類の不足は、審査の遅れや不採択に直結します。特に、見積書や領収書の宛名は申請者名と完全に一致している必要があります。提出前に何度も確認しましょう。
よくある不採択理由
- 交付決定前に生ごみ処理機を購入・設置してしまった。
- 補助対象外の製品（乾燥式など）で見積もりを取って申請した。
- 堆肥の活用計画が曖昧で、実現性が低いと判断された。
- 市税の滞納があった。
よくある質問（FAQ）
A1. はい、対象となります。ただし、補助の対象となるのは初年度分のリース料のみです。
A2. 原則として、購入・設置前の事前申請が必須です。ただし、令和7年4月1日～4月30日に設置した事業者については特例措置がありますので、該当する場合は至急、問い合わせ先にご連絡ください。
A3. 「生ごみ堆肥の半量以上を活用する」として申請し、補助（上限25万円）を受けた事業者に限り、使い切れない堆肥を市内の「資源物回収ボックス」で市が回収します。全量活用（上限50万円）で申請した場合は、全量を自らで活用する必要があります。
A4. はい、対象となります。ただし、製品が「微生物の働きによって堆肥化する」という要件を満たしている必要があります。乾燥式などは対象外ですのでご注意ください。
A5. この補助金は法人または個人事業主が事業目的で導入する場合を対象としており、補助上限額も最大50万円と高額です。一方、「家庭用」は福岡市に住民登録のある個人が家庭で利用する場合が対象で、補助上限額や対象製品が異なります。事業での利用はこちらの「事業所生ごみ処理機導入支援補助金」をご利用ください。
まとめ・お問い合わせ先
今回は、福岡市の「事業所生ごみ処理機（堆肥化）導入支援補助金」について詳しく解説しました。最後に重要なポイントを振り返ります。
- 対象者：福岡市内の中小企業者・個人事業主
- 補助額：最大50万円（購入・設置費の1/2）
- 重要ルール：必ず購入・設置前に事前申請が必要！
- 対象製品：堆肥化タイプのみ（乾燥式・消滅型は対象外）
- 採択の鍵：具体的で実現可能な「堆肥の活用計画」
- 申請期間：令和7年5月1日～12月26日（予算がなくなり次第終了）
この補助金は、生ごみ処理コストの削減と環境貢献を両立できる絶好の機会です。まずは補助対象となる製品を選定し、販売店から見積もりを取得することから始めてみてはいかがでしょうか。ご不明な点があれば、下記の窓口へお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ・申請書送付先
- 担当：公益財団法人 ふくおか環境財団（総務部環境啓発課）
- 住所：〒810-0071 福岡市中央区那の津２丁目１０番１５号
- 電話番号：092-731-2704
- メールアドレス：kikaku@f-kankyo.or.jp
