詳細情報
東京都の地域産業デジタル化推進事業費補助金とは?
東京都では、都内区市町村が主体となって実施する地域産業のデジタル化を強力に後押しする「地域産業デジタル化推進事業費補助金」を実施しています。この補助金は、中小企業の生産性向上や競争力強化、さらには新産業の創出を目指す取り組みを支援するものです。最大4,000万円、補助率2/3以内という手厚い支援が特徴です。
重要なポイントは、この補助金の直接の申請者は「区市町村」であるという点です。中小企業や団体は、各区市町村がこの補助金を活用して実施する支援事業(間接補助事業)を通じて、デジタル化の支援を受けることができます。
補助金の概要
本補助金の主要なポイントを以下の表にまとめました。
| 補助金名 | 地域産業デジタル化推進事業費補助金 |
| 実施機関 | 東京都 |
| 対象者 | 東京都内の区市町村 |
| 補助上限額 | 4,000万円 |
| 補助率 | 2/3以内 |
| 目的 | 中小企業の生産性向上・競争力強化や新産業の創出等に取り組む区市町村を後押しし、都内産業の更なる活性化に寄与する。 |
対象となる事業の具体例
この補助金は、地域産業のデジタル化に繋がる幅広い事業を対象としています。実際に採択された事例として、清瀬市の「きよせニンニンポイント(電子地域通貨)」事業が挙げられます。
活用事例:清瀬市「きよせニンニンポイントアプリ」
清瀬市では、本補助金を活用して独自の地域アプリを開発・運用しています。このアプリは、単なる決済機能にとどまらず、多様な機能で地域経済の活性化を目指しています。
- 電子地域通貨機能: アプリでQRコードを読み取り、キャッシュレス決済が可能。
- クーポン配信: ひまわりフェスティバルや20歳のつどいなど、地域のイベントに合わせたお得なクーポンを配信。
- スタンプラリー: ウォーキングイベントと連携し、目標達成者にポイントを付与。健康増進と地域内回遊を促進。
- 給付事業との連携: 未就学児の保護者に「きよせ・チルドレンファーストチケット」をアプリで付与。
- 電子商品券の発行: プレミアム付きのデジタル商品券を発行し、消費を喚起。
このように、自治体がプラットフォームを構築し、地域の商店や住民が参加することで、市内での経済循環を生み出す取り組みが支援の対象となります。
補助対象となる経費
補助対象となる経費は、事業の実施に必要不可欠な費用です。以下に主な経費区分を挙げます。
- 謝金: 専門家等への謝礼
- 賃金: 事業実施に必要なスタッフの人件費
- 旅費: 事業に関する出張費用
- 需用費: 消耗品費、印刷製本費など
- 役務費: 通信運搬費、手数料など
- 委託料: システム開発や調査などを外部へ委託する費用
- 使用料及賃借料: 機器のリース料、会場使用料など
- 工事請負費: 事業に必要な軽微な工事費用
- 備品購入費: デジタル機器などの購入費用
- 補助金: 区市町村が中小企業等へ交付する間接補助金
※注意:飲食代や、補助対象期間外に契約・支払いが行われた経費、消費税及び地方消費税相当分(間接補助事業の場合)などは対象外です。詳細は必ず交付要綱をご確認ください。
申請から交付までの流れ
補助金の申請は、以下のステップで進められます。
- 交付申請: 区市町村が、知事が定める期日までに申請書と必要書類を東京都に提出します。
- 交付決定: 東京都が申請内容を審査し、適正と認められると交付が決定され、通知されます。
- 事業実施: 交付決定後、区市町村は補助事業を開始します。
- 実績報告: 事業が完了したら、速やかに実績報告書を東京都に提出します。
- 額の確定: 実績報告書の内容を審査し、補助金の額が確定されます。
- 請求・支払い: 確定した額に基づき、区市町村は東京都に補助金を請求し、支払いを受けます。
中小企業の皆様へ
自社のデジタル化(例:キャッシュレス導入、ECサイト構築、業務効率化システムの導入など)を進めたいとお考えの中小企業の皆様は、直接この補助金に申請することはできません。しかし、お住まいの、あるいは事業所のある区市町村がこの制度を活用する可能性があります。
まずは、各自治体の産業振興課や商工担当課に問い合わせ、「東京都の地域産業デジタル化推進事業費補助金を活用した支援策の予定はありますか?」と確認してみることをお勧めします。地域の商工会や商工会議所も情報を持っている場合があります。地域全体のデジタル化に貢献するような事業アイデアを自治体に提案することも、新たなビジネスチャンスに繋がるかもしれません。
まとめ
東京都の「地域産業デジタル化推進事業費補助金」は、区市町村が主体となり、地域産業全体のデジタルシフトを加速させるための重要な制度です。最大4,000万円という大規模な支援により、電子地域通貨や地域共通のECプラットフォーム構築など、個々の企業では難しい大規模な取り組みも可能になります。中小企業の皆様は、ぜひ自社の自治体の動向に注目し、この機会を最大限に活用してください。
詳細な要件や申請様式については、必ず公式サイトをご確認ください。