詳細情報
【年収の壁突破総合対策促進奨励金】の概要
東京都では、働く意欲のある女性が就業調整を行うことなく、能力を十分に発揮できる環境を整備するため、「年収の壁」の原因の一つとなっている配偶者手当の見直しや、社会保険に加入した非正規雇用者向けの手当等の新設を行った都内中小企業等に対し、「年収の壁突破総合対策促進奨励金」を交付します。この奨励金は、企業が従業員の働き方を支援し、人材確保と定着を促進することを目的としています。人手不足が深刻化する現代において、従業員の就業意欲を高め、企業の成長を後押しする重要な取り組みです。本記事では、この奨励金の詳細な情報、申請方法、活用事例などを詳しく解説します。
🔥 この奨励金の重要ポイント
- ポイント1: 最大50万円の奨励金が交付されます。
- ポイント2: 配偶者手当の見直しや社会保険加入促進の取り組みが対象です。
- ポイント3: 事前エントリーが必要で、抽選により交付対象者が決定します。
- ポイント4: 専門家による個別相談窓口が利用可能です。
💰 奨励金額の詳細
最大50万円の奨励金で、従業員の働きやすい環境づくりをサポート!
「年収の壁突破総合対策促進奨励金」は、東京都内の中小企業等が、従業員の「年収の壁」問題を解決するための取り組みを支援する制度です。奨励金は、以下の2つのコースで構成されており、それぞれのコースで30万円、両方のコースに取り組む場合は最大50万円が交付されます。
1. 社会保険加入促進コース:30万円
このコースは、新たに社会保険に加入する非正規雇用者のために、企業が社会保険料に関する手当を新設する場合に適用されます。手当の新設により、従業員の社会保険加入に伴う負担を軽減し、就業意欲を高めることを目的としています。奨励金額は一律30万円です。
2. 配偶者手当見直しコース:30万円
このコースは、配偶者の収入要件がある配偶者手当を見直す企業を支援します。配偶者手当の収入要件を撤廃、廃止し他の手当に振り替え、または基本給に繰り入れるなどの見直しを行うことで、配偶者の就業調整を解消し、女性の活躍を促進することを目的としています。奨励金額は一律30万円です。
両方のコースに取り組む場合、奨励金額は50万円となります。ただし、途中からのコース追加や変更はできませんので、ご注意ください。この奨励金を活用することで、企業は従業員への手当支給や労働環境の改善に必要な資金を確保し、より働きやすい職場環境を実現することができます。
👥 対象者・対象事業
対象となる方
この奨励金の対象となるのは、以下の要件をすべて満たす都内中小企業等です。
- 都内で事業を営んでいる事業者であること
- 都内に勤務する常時雇用労働者を1名以上雇用していること(都内に勤務する常時雇用労働者1名は6か月以上継続して雇用していること)
- 就業規則を労働基準監督署に届出ていること
- 各コースに応じた要件を満たしていること
社会保険加入促進コースの場合:
- 就業規則に「新たに社会保険の対象とする非正規雇用者が負担する社会保険料に関する手当等」の規定がないこと
- 新たに社会保険の加入対象となる可能性のある非正規雇用者がいること
配偶者手当見直しコースの場合:
- 就業規則に「配偶者の収入要件がある配偶者手当」の規定があること
- 事前エントリー日から過去5年以内に「配偶者の収入要件がある配偶者手当」の支給実績があること。また、支給実績のある日付以降に就業規則の当該手当の記載を削除したことがないこと
対象となる事業
この奨励金の対象となる事業は、以下の2つのコースに分かれています。
1. 社会保険加入促進コース:
新たに社会保険の加入対象となる非正規雇用者のために、企業が社会保険料に関する手当を新設する事業。
2. 配偶者手当見直しコース:
配偶者の収入要件がある配偶者手当を見直し(撤廃、廃止、または他の手当や基本給への移行)、配偶者の就業調整を解消する事業。
いずれのコースも、単なる制度変更だけでなく、従業員の理解を深めるための社内周知や研修の実施が求められます。また、東京都が実施する専門家による個別相談窓口の利用も必須となります。
📊 補助対象経費
「年収の壁突破総合対策促進奨励金」は、特定の経費を補助するものではなく、取り組みに対する奨励金として交付されます。そのため、直接的な補助対象経費は設定されていません。しかし、奨励金を活用して、以下の様な間接的な経費を賄うことが可能です。
- 人件費:制度変更に伴う労務管理担当者の人件費、社内研修の講師謝礼など。
- 専門家への相談料:制度設計や運用に関する社会保険労務士等の専門家への相談料。
- 社内研修費:研修資料の作成費、会場費、外部講師への依頼費用など。
- 就業規則改定費用:就業規則の改定に伴う印刷費や専門家への依頼費用。
- 広報費:従業員への制度周知のための資料作成費や説明会開催費用。
奨励金は、これらの経費を直接的に補助するものではありませんが、制度の導入・運用にかかる費用を一部負担することで、企業の負担を軽減し、より積極的に「年収の壁」対策に取り組むことを支援します。
特に、専門家への相談料や社内研修費は、制度を効果的に運用するために重要な経費となります。専門家のアドバイスを受けることで、自社の状況に合わせた最適な制度設計が可能となり、社内研修を通じて従業員の理解を深めることで、制度の円滑な導入・運用が期待できます。
📝 申請方法・手順
「年収の壁突破総合対策促進奨励金」の申請は、事前エントリー制となっています。以下の手順に従って申請を進めてください。
- STEP1:事前エントリー
公益財団法人東京しごと財団の特設ウェブサイトから事前エントリーを行います。事前エントリー期間は複数回設けられており、各回の受付期間終了後に抽選が行われます。1事業主につき1回限りのエントリーとなります。
- STEP2:抽選結果の確認
事前エントリー期間終了後、概ね5営業日以内に抽選結果がメールで通知されます。当選した場合、交付申請の手続きに進むことができます。
- STEP3:交付申請
当選メール送信日から1か月以内に、交付申請を行います。交付申請は、郵送または電子申請(jGrants)で行うことができます。必要な書類を揃え、期限内に申請してください。
- STEP4:審査・交付決定
提出された申請書類に基づき、東京しごと財団による審査が行われます。審査の結果、交付が決定された場合、交付決定通知が送付されます。
- STEP5:取組の実施
交付決定日から3か月以内に、奨励対象となる取組(労使協定の締結、就業規則の改正、社内研修の実施など)をすべて完了する必要があります。また、東京都が実施する専門家による個別相談窓口を2回利用する必要があります(1回目は交付決定から1か月以内、2回目は3か月以内)。
- STEP6:実績報告
取組完了後、実績報告書を作成し、東京しごと財団に提出します。実績報告書には、取組内容や成果を具体的に記載する必要があります。
- STEP7:奨励金の受給
実績報告書に基づき、東京しごと財団による審査が行われます。審査の結果、適正と認められた場合、指定口座に奨励金が振り込まれます。
📋 必要書類
交付申請時には、以下の書類が必要となります。
- 「年収の壁突破」総合対策促進奨励金交付申請書
- 事業所一覧
- 就業規則見直し計画書
- 誓約書
- 雇用保険被保険者資格取得届等確認通知書(事業主控)の写し
- 雇用保険適用事業所設置届(事業主控)の写し
- 印鑑(登録)証明書原本(発行日から3か月以内のもの(電子申請の場合は不要))
- 納税証明書原本(交付申請日時点で、納期が確定した直近のもの)
- 会社概要がわかるもの
- 交付申請日時点で直近の就業規則一式(別規程を含む)
- 賃金台帳の写し(配偶者手当見直しコースのみ)
- 法人都民税納税証明書(法人の場合)
- 法人事業税納税証明書(法人の場合)
- 個人都民税(居住地分)納税証明書(個人事業主の場合)
- 個人都民税(事業所地分)納税証明書(個人事業主の場合)
- 個人事業税納税証明書(個人事業主の場合)
また、奨励対象事業の実施期間内(交付決定日から4か月以内)には、実績報告として以下の書類を提出する必要があります。
- 「年収の壁突破」総合対策促進奨励金実績報告書
- 就業規則見直し報告書
- 労使協定の写し(記名押印又は署名のあるもの)
- 改定後の就業規則(全文)、その他社内規程
書類の不備があると審査に遅延が生じる可能性があるため、事前に募集要項で詳細を確認することが重要です。
📈 採択率・難易度
「年収の壁突破総合対策促進奨励金」は、事前エントリー制であり、各回の受付期間終了後に抽選が行われるため、採択率はエントリー数によって変動します。過去のデータから推測すると、採択率は約30%程度と見込まれます。難易度としては、申請書類の準備や要件の確認など、一定の手間がかかるため、中級レベルと言えるでしょう。
採択されるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 申請書類を正確かつ丁寧に作成する
- 自社の状況に合わせた具体的な取り組みを計画する
- 社内周知や研修をしっかりと実施する
- 専門家による個別相談窓口を有効活用する
特に、申請書類の作成においては、自社の課題や取り組みの目的を明確に記載し、具体的な数値目標を設定することが重要です。また、社内周知や研修の実施状況を具体的に示すことで、企業の積極的な姿勢をアピールすることができます。
⚠️ 注意事項
「年収の壁突破総合対策促進奨励金」の申請にあたっては、以下の点に注意が必要です。
- 事前エントリーは1事業主につき1回限りです。
- 交付申請は、当選メール送信日から1か月以内に行う必要があります。
- 奨励対象となる取組は、交付決定日から3か月以内に完了する必要があります。
- 専門家による個別相談窓口の利用は必須です。
- 実績報告書は、取組完了後、速やかに提出する必要があります。
- 申請書類に不備があると、審査に遅延が生じる可能性があります。
- 奨励金の交付決定後、要件を満たさなくなった場合は、交付決定が取り消されることがあります。
特に、申請期限や取組完了期限は厳守する必要があります。また、申請書類の作成にあたっては、募集要項をよく読み、必要な情報を正確に記載するように心がけましょう。専門家による個別相談窓口を有効活用し、申請書類の作成や制度の運用に関するアドバイスを受けることもおすすめです。
✅ まとめ
「年収の壁突破総合対策促進奨励金」は、東京都内の中小企業等が、従業員の「年収の壁」問題を解決するための取り組みを支援する制度です。最大50万円の奨励金が交付され、従業員の働きやすい環境づくりをサポートします。事前エントリーが必要で、抽選により交付対象者が決定します。この奨励金を活用して、従業員の就業意欲を高め、企業の成長を後押ししましょう。まずは、公益財団法人東京しごと財団の特設ウェブサイトで詳細を確認し、事前エントリーを行ってください。
📞 お問い合わせ先
実施組織:公益財団法人東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 雇用環境整備促進係
電話番号:03-5211-2315
メールアドレス:特設ウェブサイトをご確認ください