栃木県内の病院、診療所、薬局の皆様へ。国が進める医療DXの核となる「電子処方箋」の導入はお済みですか?導入コストが課題となっている施設も多いのではないでしょうか。栃木県では、国の補助金にさらに上乗せで経費を助成する独自の補助金制度を実施しています。この記事では、令和7年度の「電子処方箋導入促進事業費補助金」について、対象者から申請方法までプロが徹底解説します。
栃木県 電子処方箋導入補助金の概要
本補助金は、国の「医療情報化支援基金(ICT基金)」による補助金を受けた施設に対し、栃木県が追加で導入費用の一部を助成する制度です。国の補助と併用することで、自己負担を大幅に軽減できます。
補助金基本情報
補助金名 | 令和7年度電子処方箋導入促進事業費補助金 |
実施機関 | 栃木県 |
対象者 | 栃木県内の病院、医科診療所、歯科診療所、薬局 |
補助額 | 最大100.3万円(施設規模・事業内容による) |
申請期限 | 令和7年12月25日(木)まで |
導入完了期限 | 令和7年9月30日(火)まで |
公式サイト | 栃木県庁 公式ページ |
補助対象者と3つの必須要件
対象となる事業者
補助の対象となるのは、栃木県内に開設する以下の施設です。
- 病院
- 医科診療所
- 歯科診療所
- 薬局
※健康保険法第63条第3項各号に規定する保険医療機関・保険薬局に限ります。
満たすべき3つの補助条件
補助金を受給するには、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
- 国の補助金交付決定:社会保険診療報酬支払基金が実施する「ICT基金補助金」の交付決定を受けていること。これが大前提です。
- 導入完了期限の遵守:電子処方箋管理サービスの初期導入や新機能の導入を令和7年9月30日までに完了させること。
- 周知・広報:医療機能情報提供制度(医療情報ネット)で電子処方箋対応施設であることを公表し、施設内やホームページ等で患者さんへ周知すること。
補助金額と対象経費
補助金額は、施設の規模と導入内容によって異なります。国の補助金とは別に、以下の金額が上限として交付されます。
施設区分 | (1) 初期導入 | (2) 新機能導入 | (3) 同時実施 |
---|---|---|---|
大規模病院 (200床以上) |
上限 81.1万円 | 上限 22.6万円 | 上限 100.3万円 |
病院 (上記以外) |
上限 54.3万円 | 上限 16.7万円 | 上限 67.6万円 |
診療所 | 上限 9.7万円 | 上限 6.1万円 | 上限 13.5万円 |
薬局 | 上限 9.7万円 | 上限 6.4万円 | 上限 13.8万円 |
補助対象経費について
対象となるのは、電子処方箋管理サービスの導入にかかる費用です。具体的には、初期導入費用や、リフィル処方箋対応、マイナンバーカードによる電子署名対応などの新機能導入費用が該当します。
※注意:院内処方機能の追加導入費用は補助対象外です。
申請手続きの流れと必要書類
申請期間
令和7年12月25日(木)まで
国の補助金交付決定に時間がかかる場合があるため、早めの準備と申請を強く推奨します。
申請5ステップ
申請は以下の流れで進みます。特に、国の補助金申請が先になる点にご注意ください。
- 1システム事業者への発注・導入
電子処方箋システムを選定し、導入作業を開始します。 - 2国のICT基金補助金へ申請
社会保険診療報酬支払基金へICT基金補助金の交付申請を行います。 - 3交付決定通知の受領
社会保険診療報酬支払基金から交付決定通知書が届きます。 - 4栃木県へ補助金交付申請
栃木県電子申請システムからオンラインで申請します。(〜R7.12.25) - 5補助金交付
審査後、指定の口座に補助金が振り込まれます。
申請に必要な書類
オンライン申請時に、以下の書類を画像またはPDFでアップロードする必要があります。
- ICT基金補助金交付決定通知書(写し)
- ICT基金補助金申請時に提出した領収書及び内訳書(写し)
- 振込先口座の通帳の写し(金融機関名、口座番号、名義人がわかるページ)
- (該当する場合)寄付金等の収入額がわかる書類
まとめ:医療DXの第一歩を補助金で賢く!
電子処方箋の導入は、患者の安全性向上や業務効率化に繋がり、今後の医療に不可欠なインフラです。さらに、診療報酬においても「医療DX推進体制整備加算」が新設され、導入施設は経済的なメリットも享受できます。
栃木県の「電子処方箋導入促進事業費補助金」は、国の制度と併用できる非常に有利な制度です。導入コストを抑え、医療DXを推進する絶好の機会と言えるでしょう。申請期限は令和7年12月25日ですが、国の補助金申請に時間を要するため、今すぐ準備を始めることをお勧めします。