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「社員のスキルアップを図りたいが、研修コストが課題だ」「DX化を進めたいが、専門知識を持つ人材がいない」…沖縄県内で事業を営む多くの経営者が、このような悩みを抱えているのではないでしょうか。沖縄県の経済成長の鍵となる「稼ぐ力」の強化には、継続的な人材育成が不可欠です。この記事では、そんな課題を解決する強力な一手、沖縄県の「企業研修・リスキリング実践支援事業(通称:リデプロ)」を徹底解説します。研修費用の最大8/10を補助するという、非常に魅力的なこの制度。本記事を読めば、制度の概要から具体的な申請手順、そして審査を通過するための重要なポイントまで、すべてを理解できます。貴社の成長を加速させるチャンスを、ぜひ掴んでください。
この補助金のポイント
- 研修費用の最大8/10という高い補助率
- 国内外の専門家を招く「招へい研修」や先進企業への「派遣研修」も対象
- DX推進や新規事業展開に必要なリスキリングを強力に後押し
- 専門コーディネーターによるハンズオン支援で計画策定からサポート
① 企業研修・リスキリング実践支援事業(リデプロ)とは?
本事業は、沖縄県内企業の「稼ぐ力」を強化するため、企業が主体となって行う人材育成の仕組みづくりを支援する制度です。単発の研修支援に留まらず、専門家のコンサルティングを通じて、各企業が自社の課題に合った中長期的な人材育成計画を策定し、それを実行していくプロセス全体をサポートすることを目的としています。
制度の概要
| 正式名称 | 企業研修・リスキリング実践支援事業(通称:リデプロ) |
|---|---|
| 実施組織 | 沖縄県 商工労働部 労働政策課 (事業委託先:公益財団法人沖縄県産業振興公社) |
| 目的 | 県内企業の生産性向上に資する人材育成体制の整備を支援し、「稼ぐ力」の強化を図る。 |
| 採択予定数 | 10社程度 |
② 補助金額・補助率
本事業の最大の魅力は、その高い補助率にあります。人材育成計画に基づいて実施される実践研修の経費が対象となります。
補助率と計算例
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 補助対象経費の 8/10 以内 |
| 備考 | 補助金合計額の千円未満は切り捨てとなります。 |
【計算例】
DX推進のため、専門家を招いて3日間の社内研修を実施。講師謝金や会場費などで合計120万円の経費がかかった場合。
補助対象経費: 1,200,000円
補助金額: 1,200,000円 × 8/10 = 960,000円
自己負担額: 1,200,000円 – 960,000円 = 240,000円
となり、実質24万円の負担で120万円規模の研修が実施可能になります。
③ 対象者・条件
補助金の対象となるには、以下の要件をすべて満たす必要があります。申請前に必ずご確認ください。
- 沖縄県内に本社を有する営利法人であること。
- 法人事業税等を滞納していないこと。
- 生産性向上に係る中長期的な成果を設定した人材育成計画(約3年)を策定していること。
- 補助事業の成果を活用し、県内で引き続き事業を営む予定であること。
- 暴力団関係者や風俗営業等を営む事業者でないこと。
- 民事再生法等の申し立てを行っておらず、事業の継続性に不安がないこと。
注意点:個人事業主や非営利法人は、補助金の対象外です。ただし、ワークショップ型集合研修への参加は可能な場合がありますので、詳細は事務局へお問い合わせください。
④ 補助対象経費
補助の対象となるのは、人材育成計画に沿った「招へい研修」「派遣研修」「公開型研修」にかかる以下の経費です。各経費には上限額が設定されている場合があるため、注意が必要です。
| 経費区分 | 内容 | 補助上限額(単価) |
|---|---|---|
| 交通費 | 航空運賃、鉄道運賃、船賃など | 実費(規定あり) |
| 宿泊費 | 研修期間中の宿泊費用 | 国内: 9,800円/日以内 海外: 11,600~19,300円/日以内 |
| 講師謝金 | 外部から招へいした講師への謝礼 | 30,000円/時間以内 |
| 会場使用料 | 研修会場のレンタル費用 | 3,500円/時間以内 |
| リース料 | オンライン研修用のPC等のリース費用 | 実費 |
| 通訳料 | 研修時の通訳委託費用 | 5,000円/時間以内 |
| 印刷製本費 | 研修資料の印刷費用 | 実費 |
| 講座受講料 | リスキリングを目的とした外部講座の受講料 | 実費 |
【対象外経費の例】
消費税、振込手数料、キャンセル料、食事代、資格試験の受験費用、自社施設の使用料、サブスクリプション型の講座料金などは補助対象外となります。
⑤ 申請方法・手順
申請は、公募期間内に必要書類を提出することで行います。全体の流れをしっかり把握し、計画的に準備を進めましょう。
申請スケジュール
- 公募期間: 2025年4月30日(水) ~ 8月15日(金)
- 第一次申請受付: 2025年4月30日(水) ~ 5月16日(金) 15:00必着
- 第二次申請受付: 2025年8月1日(金) ~ 8月15日(金) 15:00必着
第一次申請で予算上限に達した場合、二次申請は実施されません。早めの準備と申請をおすすめします。
申請のステップ
- 事前相談(必須): まずは沖縄県産業振興公社の担当者と、研修プログラムや内容について最低1回以上の事前相談を行います。「人材育成計画書」を作成の上、相談に臨みましょう。
- 申請書類の準備・提出: 公募要領を確認し、申請書や事業計画書、添付書類(登記簿謄本、決算書、納税証明書など)をすべて揃えて、受付期間内に提出します。
- 審査: 事務局による要件審査の後、外部有識者で構成される審査委員会にてプレゼンテーション審査が行われます。
- 採択・交付申請: 審査を通過し採択されると、沖縄県へ正式な補助金交付申請を行います。
- 交付決定・事業開始: 県から交付決定通知書が届いたら、計画に沿って研修を開始できます。交付決定前の経費支払いは補助対象外となるため注意してください。
- 実績報告・精算: 研修終了後、速やかに実績報告書と経費の証憑類を提出します。内容が審査され、補助金額が確定した後に、補助金が支払われます(精算払い)。
必要書類一覧
- 申請書類チェックシート
- 様式1-1 申請書
- 様式1-2 実践研修計画書
- 様式1-3~1-5(派遣研修や専門家招へいの場合)
- 様式1-6 補助金概算内訳書
- 様式1-7 誓約書
- 人材育成計画書(公社指定様式)
- 登記簿謄本(履歴事項全部証明書、発行後3ヶ月以内)
- 直近3か年分の決算書(貸借対照表、損益計算書など)
- 直近1年分の法人税、法人事業税、法人県民税の納税証明書(原本)
- その他、会社概要パンフレットなど
⑥ 採択されるための重要ポイント
本事業は申請すれば誰でも採択されるわけではありません。採択予定数は10社程度と狭き門です。審査基準を理解し、説得力のある計画書を作成することが不可欠です。
審査基準のポイント
- 経営戦略との一貫性: 人材育成計画が、会社の経営戦略や事業計画とどう連動しているか。なぜ「今」、その人材育成が必要なのかを明確に説明できるか。
- 生産性向上への貢献度: 研修を実施することで、具体的にどのような生産性向上が見込めるのか。売上向上、コスト削減、新サービス開発などの数値目標を具体的に示せているか。
- 経営者の関与: この取り組みが、経営者主導で進められ、組織全体で共有されているか。一部の部署だけの取り組みになっていないか。
- 研修内容の妥当性: 策定した人材育成計画の目標を達成するために、計画されている研修内容が最適であるか。
加点対象となる取り組み
以下の項目に該当する企業は、審査で有利になる可能性があります。
- 本事業の「経営者向け集合研修」を受講し、人材育成計画書を提出した企業
- 「沖縄県人材育成企業認証制度」の認証企業
- 「沖縄県所得向上応援企業認証制度」の認証企業
- 「沖縄県ワーク・ライフ・バランス企業認証制度」の認証企業
⑦ よくある質問(FAQ)
Q1. 申請前に必ず事前相談が必要ですか?
A1. はい、必須です。公社の担当者と最低1回以上の事前相談を行うことが応募の要件となっています。
Q2. 個人事業主でも申請できますか?
A2. いいえ、補助金の対象は沖縄県内に本社を置く「営利法人」のみです。個人事業主は対象外となります。
Q3. どのような研修が対象になりますか?
A3. 専門家を招く「招へい研修」、国内外の先進企業で学ぶ「派遣研修」、リスキリング目的の「公開型研修」などが対象です。いずれも自社の生産性向上に繋がる計画に基づいている必要があります。
Q4. ワークショップ型集合研修に参加しないと補助金は申請できませんか?
A4. 原則として、補助金申請は集合研修への参加が条件となります。この研修を通じて専門家と共に人材育成計画を作成することが、本事業の重要なプロセスだからです。
Q5. 採択後の手続きは難しいですか?
A5. 採択後も、県への交付申請や事業完了後の実績報告など、定められた手続きが必要です。公社の専門コーディネーターがハンズオンで支援してくれるため、安心して進めることができます。
⑧ まとめと次のステップ
沖縄県の「企業研修・リスキリング実践支援事業(リデプロ)」は、県内企業の成長を人材育成の側面から強力に後押しする、非常に価値のある制度です。
重要ポイントの再確認
- 高い補助率: 研修費用の最大8/10が補助されます。
- 計画が最重要: 経営戦略と連動した、具体的で説得力のある人材育成計画が採択の鍵です。
- 事前相談は必須: まずは公社に連絡し、事前相談の予約から始めましょう。
企業の未来は「人」にかかっています。この機会を最大限に活用し、貴社の持続的な成長と「稼ぐ力」の強化を実現してください。
お問い合わせ・事前相談先
公益財団法人沖縄県産業振興公社 事業支援課
担当:新里、大濱、伊波、仲嶺、カブレラ
住所:〒901-0152 沖縄県那覇市小禄1831番地1 沖縄産業支援センター4F
電話:098-859-6236
メール:k-jinzai@okinawa-ric.or.jp
公式サイト:https://redeoki.com/