はじめに:令和7年8月熊本県豪雨の甚大な被害
令和7年8月、熊本県は記録的な大雨に見舞われ、県内広域で河川の氾濫、浸水、土砂災害など甚大な被害が発生しました。熊本県の公式発表(令和7年8月19日時点)によると、農林水産業関連の被害額は約151億円にのぼり、特に農業分野では農地や農業用施設の損壊、ハウスの浸水、農作物の冠水など、深刻な影響が報告されています。
熊本県の発表による主な被害状況
- 農地等への影響: 約60億円(田畑の法面崩れ、農業用道路・施設の損傷など)
- 農畜産業への影響: 約1.2億円(ハウス浸水、農作物の冠水、家畜被害など)
- 住家被害: 床上浸水以上 2,067棟、床下浸水 2,296棟
このような壊滅的な状況を受け、熊本県および県内各市町村では、被災された農業者の皆様が一日も早く営農を再開できるよう、支援事業を開始しています。この記事では、その中心となる「令和7年8月大雨営農再開支援事業」について、詳しく解説します。
「令和7年8月大雨営農再開支援事業」とは?
この事業は、令和7年8月6日からの大雨により、農業用機械や施設などに甚大な被害を受けた農業者が、速やかに営農を再開できるよう支援することを目的とした補助金制度です。被災した農業用機械・施設の修繕や再取得、生産資材の調達など、経営再建に必要な経費の一部を補助します。
補助金の概要
| 対象者 | 令和7年8月の大雨により農業用機械や施設等に被害を受けた熊本県内の農業者(個人・法人問わず) |
|---|---|
| 主な補助対象経費 |
|
| 補助額・補助率 | 実施する市町村や事業内容により異なります。詳細は各市町村の公募要領をご確認ください。 |
市町村別の公募情報(一部抜粋)
県内各市町村で同様の支援事業が公募されています。ここでは、入力データにあった市町村の情報をまとめました。お住まいの地域で公募が行われているか、必ず市町村の窓口にご確認ください。
| 市町村名 | 上限金額 | 申請期間 |
|---|---|---|
| 美里町 | 1,400万円 | 〜2025年10月17日 |
| 合志市 | 600万円 | 第1回: 〜2025年10月3日 第2回: 2025年10月4日〜10月31日 |
| 菊池市 | 600万円 | 〜2025年10月17日 |
| 荒尾市 | — (要確認) | 〜2025年10月15日 |
※上記は本記事作成時点の情報です。最新の情報、詳細な要件は必ず各市町村の公式サイト等でご確認ください。
申請から受給までの流れ
一般的な申請プロセスは以下の通りです。手続きをスムーズに進めるため、まずは市町村の担当窓口へ相談することをお勧めします。
- Step 1: 事前相談
お住まいの市町村の農政担当課に連絡し、被害状況を説明し、補助金の対象となるか相談します。 - Step 2: 申請書類の準備
罹災証明書、被害状況がわかる写真、修繕・購入にかかる見積書、事業計画書など、必要な書類を準備します。 - Step 3: 申請
準備した書類を、指定された申請期間内に市町村の窓口へ提出します。 - Step 4: 審査・交付決定
提出された書類に基づき審査が行われ、補助金の交付が決定されると通知が届きます。 - Step 5: 事業の実施
交付決定通知を受け取った後に、機械の修繕や購入などの契約・発注を行います。 - Step 6: 実績報告
事業が完了したら、領収書などの証拠書類を添えて実績報告書を提出します。 - Step 7: 補助金の受給
実績報告書が受理されると、補助金額が確定し、指定の口座に振り込まれます。
⚠️ 申請時の重要ポイント
- 交付決定前の発注は対象外: 原則として、補助金の交付決定前に契約・発注した経費は補助対象外となります。絶対に先走らないようにご注意ください。
- 証拠書類の保管: 被害状況を示す写真、見積書、契約書、領収書など、関連する書類はすべて大切に保管してください。
- 早めの相談: 申請期間は限られています。不明な点があれば、すぐに市町村の担当窓口へ相談しましょう。
まとめ:希望を捨てずに、まずは相談から
この度の大雨で被災された農業者の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。先の見えない不安の中で、事業再建への道のりは決して平坦ではないかと存じます。しかし、行政も皆様の営農再開を全力で後押しするための支援策を用意しています。
一人で悩まず、まずはお住まいの市町村の農政担当課や、JAなどの関係機関にご相談ください。利用できる制度を最大限に活用し、復旧への第一歩を踏み出しましょう。
対象者・対象事業
令和7年8月の大雨により農業用機械や施設等に被害を受けた熊本県内の農業者(個人・法人問わず)
必要書類(詳細)
申請書、事業計画書、被災状況を証明する書類(罹災証明書、被害写真等)、経費の見積書、決算書(個人の場合は確定申告書の写し)、納税証明書など。詳細は各市町村の公募要領をご確認ください。
対象経費(詳細)
被災した農業用機械・施設の修繕費、再取得費、撤去費用。営農再開に必要な生産資材(種苗、肥料、農薬等)の調達費用。その他、市町村長が特に認める経費。
対象者・対象事業
令和7年8月の大雨により農業用機械や施設等に被害を受けた熊本県内の農業者(個人・法人問わず)