【登別市】温泉熱で冬の課題を解決!最大600万円の融雪システム導入補助金
北海道登別市では、ゼロカーボンシティの実現に向けた取り組みの一環として、市内の事業者を対象に「登別市温泉熱活用融雪システム普及促進補助金」を交付しています。この制度は、豊富な温泉熱エネルギーを有効活用し、環境に優しく経済的な融雪システムの導入を支援するものです。
冬期間の積雪や路面凍結による従業員や顧客の転倒リスク、除雪作業の負担、従来の融雪にかかる高額なコストといった課題を抱える事業者にとって、大きなチャンスとなります。本記事では、この魅力的な補助金の詳細と、実際の活用事例について詳しく解説します。
補助金のポイント早わかり
- 補助上限額:最大600万円
- 補助率:対象経費の4分の3以内
- 対象者:登別市内の事業者
- 目的:温泉熱を活用した融雪システムの導入支援によるゼロカーボンシティの推進
実際の活用事例:公衆浴場「夢元さぎり湯」のケース
この補助金を実際に活用した事例として、登別温泉の公衆浴場「夢元さぎり湯」が挙げられます。同施設では、従業員通用口の階段における冬の安全対策が課題でした。
従来は有線式の融雪マットを使用していましたが、階段のサイズに合わず、雪が完全に溶けきらないため転倒のリスクが残っていました。そこで、登別市が進めるゼロカーボンシティ重点対策加速化事業の一環である本補助金を活用し、新たな融雪システムの導入を決定しました。
導入したシステムとその効果
採用されたのは、館内から排出される温泉の換気廃熱(20~30度の低温域)を利用するエコ融雪システム「RE(リ)メルト」です。コンクリート下にパイプを埋設し、廃熱を送風機で送ることで雪を溶かす仕組みです。
- 安全性向上:大雪の日でも階段の雪が完全に溶け、安全な通行が可能になった。
- 環境負荷の低減:廃熱を再利用するため、従来のロードヒーティングに比べてCO2排出量を大幅に削減。
- コスト削減:稼働に必要な電力は送風機のみで、ランニングコストを抑えることができる。
このように、本補助金を活用することで、事業所の課題解決と環境貢献を両立させることが可能です。
補助金の詳細情報
補助金の申請を検討されている事業者様は、以下の詳細をご確認ください。
補助対象経費
以下のすべての条件を満たす経費が対象となります。
- 補助対象者が市内の事業者に発注して実施する工事に要する経費
- 補助金の交付決定後に着工する工事に要する経費
- 他の補助制度による補助金の交付を受けていない事業に要する経費
【注意】対象外となる経費
消費税および地方消費税、新たな温泉採取を目的とした掘削工事、既存のアスファルトなどの撤去および廃棄に係る工事は補助対象になりません。
補助率と補助上限額
- 補助率:補助対象経費の4分の3以内
- 補助上限額:1件当たり6,000,000円まで
申請期間と手続き
この補助金は、市の予算の範囲内で交付されます。申請期間が定められていない場合でも、予算がなくなり次第終了となる可能性がありますので、導入を検討されている事業者は、お早めに下記問い合わせ先までご相談ください。
まとめ
登別市の「温泉熱活用融雪システム普及促進補助金」は、豊富な地域資源である温泉熱を有効活用し、冬の安全確保、コスト削減、そして環境貢献という複数のメリットを同時に実現できる画期的な制度です。最大600万円、経費の3/4という手厚い支援は、設備投資の大きな後押しとなるでしょう。ぜひこの機会に、持続可能な事業運営に向けた一歩として、本補助金の活用をご検討ください。
お問い合わせ先
ご不明な点や申請に関するご相談は、以下の担当窓口までお問い合わせください。
- 担当部署:登別市 観光経済部 観光振興グループ
- 電話番号:0143-84-5301
対象者・対象事業
登別市内に事業所を有し、温泉熱活用融雪システムを導入する事業者
必要書類(詳細)
申請書、事業計画書、工事の見積書、市税の納税証明書などが想定されます。申請にあたっては、必ず事前に担当窓口へご確認ください。
対象経費(詳細)
① 補助対象者が市内事業者に発注して実施する工事に要する経費
② 補助金の交付の決定を受けた後に着工する工事に要する経費
③ ほかの補助制度による補助金の交付を受けていない事業に要する経費
※消費税、地方消費税、新たな温泉掘削工事、既存アスファルト等の撤去・廃棄費用は対象外です。