詳細情報
国際情勢や円安の影響で、肥料価格の高騰が止まりません。日々の経営に大きな影響が出ている相模原市内の農業従事者の方も多いのではないでしょうか。このような厳しい状況の中、事業継続を力強く後押しするため、相模原市では「令和7年度肥料購入支援事業給付金」を実施します。この制度は、高騰した肥料費の負担を軽減し、農業経営の安定化を図ることを目的とした、最大60万円が支給される給付金です。この記事では、支給対象者の詳しい条件から、給付額の計算方法、申請に必要な書類、手続きの流れまで、どこよりも分かりやすく徹底的に解説します。この記事を最後まで読めば、あなたが給付金の対象になるかどうかが分かり、スムーズに申請を進めることができます。ぜひご活用ください。
この給付金のポイント
- 相模原市内の農業者が対象
- 肥料価格高騰の負担を軽減し、事業継続を支援
- 給付額は最大60万円
- 令和6年分の確定申告における「肥料費」を基に算定
- 申請期間は令和7年6月2日から12月26日まで
給付金の概要
まずは、本給付金の全体像を把握しましょう。どのような目的で、誰が実施している制度なのかを理解することが重要です。
正式名称
令和7年度相模原市肥料購入支援事業給付金
実施組織
神奈川県 相模原市
目的・背景
近年、国際情勢の変動や急激な円安などを背景に、化学肥料の原料価格が世界的に高騰しています。肥料は農業生産に不可欠な資材であり、その価格高騰は農業経営を直接圧迫する大きな要因となっています。この状況を受け、相模原市では、市内で懸命に農業を営む方々の経営負担を軽減し、将来にわたって安定的に事業を継続できるよう支援するために、この給付金制度を設けました。
給付金額・計算方法
給付額は、令和6年分の税申告で計上した「肥料費」を基に、以下の計算式で算出されます。ご自身の確定申告書をご用意の上、ご確認ください。
給付額 = (令和6年分税申告の「肥料費」 ÷ 1.46) × 0.22
※計算結果の千円未満の端数は切り捨てとなります。
給付額の上限
算出された給付額には上限が設定されています。以下の2つのうち、いずれか少ない方の金額が上限となりますのでご注意ください。
- 上限1: 60万円(1人または1法人あたり)
- 上限2: 令和6年分税申告の農業所得用の「青色申告決算書」、「収支内訳書」又は「決算報告書」に記載された「販売金額」の額
計算例
具体的な数字でシミュレーションしてみましょう。
| ケース | 令和6年分の肥料費 | 令和6年分の販売金額 | 計算結果と給付額 |
|---|---|---|---|
| 例1 | 100万円 | 500万円 | 計算額: (100万円 ÷ 1.46) × 0.22 ≒ 150,684円 → 給付額: 150,000円 (千円未満切捨) |
| 例2 | 500万円 | 800万円 | 計算額: (500万円 ÷ 1.46) × 0.22 ≒ 753,424円 → 上限60万円が適用され、給付額: 600,000円 |
| 例3 | 200万円 | 25万円 | 計算額: (200万円 ÷ 1.46) × 0.22 ≒ 301,369円 → 上限(販売金額)25万円が適用され、給付額: 250,000円 (千円未満切捨) |
支給対象者・条件
給付金を受け取るためには、以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。ご自身が該当するか、一つずつ確認していきましょう。
- 1. 所在地要件:
令和7年4月1日現在、相模原市に住民登録(個人の場合)または法人登記(法人の場合)があること。 - 2. 営農要件:
令和7年4月1日現在、相模原市内で営農しており、今後も事業を継続する意思があること。 - 3. 申告要件:
令和6年分の税申告(法人は令和7年4月1日の直前の事業年度)を行っており、その申告書類(青色申告決算書、収支内訳書、決算報告書)で以下の2点が確認できること。- 農業による「販売金額」が15万円以上ある。
- 「肥料費」の金額が記載されている。
- 4. 重複受給の禁止:
神奈川県を除く他の地方公共団体から、同様の趣旨(地方創生臨時交付金を活用した肥料価格高騰対策)の給付金等を受けておらず、今後も受ける予定がないこと。
【注意点】
令和6年分の税申告者が死亡または営農を終了し、事業を継承した方が営農している場合は、別途手続きが必要になる可能性があります。該当する方は、必ず事前に相模原市農政課へお問い合わせください。
申請方法・手順
申請は、定められた期間内に必要書類を提出することで行います。手順をしっかり確認し、不備のないように準備を進めましょう。
申請受付期間
令和7年6月2日(月曜日)から 令和7年12月26日(金曜日)まで
郵送の場合は、当日消印有効です。予算の範囲内での支給となるため、早めの申請が推奨されています。
申請手順
- 必要書類の準備: 下記の「必要書類一覧」を参考に、すべての書類を揃えます。申請書は市の公式サイトからダウンロードできます。
- 申請書の記入: 記入例を参考に、正確に情報を記入します。特に口座情報などは間違いのないように注意してください。
- 書類の提出: 揃えた書類一式を、郵送または直接窓口に持参して提出します。
- 審査・支給決定: 提出された書類を市が審査します。
- 給付金の振込: 審査後、支給が決定されると、指定した口座に給付金が振り込まれます。
必要書類一覧
申請には以下の書類が必要です。コピーを提出する書類が多いので、事前に準備しておきましょう。
- 肥料購入支援事業給付金申請書(市の公式サイトからダウンロード)
- 肥料購入支援事業給付金誓約書(市の公式サイトからダウンロード)
- 令和6年分税確定申告書(第一表又は別表一)の写し
- 上記申告書の附属書類の写し
- 個人の場合: 農業所得用の「青色申告決算書」または「収支内訳書」の写し
- 法人の場合: 「決算報告書」の写し
- 振込先口座の通帳の写し等(金融機関名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義人が確認できるページ)
提出先・問い合わせ先
書類の提出および制度に関するお問い合わせは、以下の窓口となります。
相模原市 農政課農政班
〒252-5277 相模原市中央区中央2丁目11番15号(市役所本庁舎5階)
電話:042-769-9233
受付時間:午前8時30分〜正午、午後1時〜午後5時(土日祝日を除く)
※農政課津久井班では受付をしていないのでご注意ください。
確実に給付を受けるためのポイント
本制度は、要件を満たしていれば原則として支給される「給付金」です。しかし、申請に不備があったり、遅れたりすると支給されない可能性があります。以下のポイントを押さえて、確実な受給を目指しましょう。
- ポイント1:早期申請を心がける
給付金は市の予算の範囲内で支給されます。公式に「早めの申請をお願いします」と記載がある通り、申請期間の終盤になると予算上限に達してしまう可能性もゼロではありません。準備が整い次第、速やかに申請しましょう。 - ポイント2:書類の不備をなくす
申請で最も多い不備は、書類の不足や記入ミスです。特に、確定申告書の写しは「肥料費」と「販売金額」が確認できるページがすべて揃っているか、通帳の写しは口座情報が鮮明に読み取れるかなどを、提出前に何度も確認してください。市の公式サイトにある記入例を必ず参照しましょう。 - ポイント3:対象要件を再確認する
申請前に、改めて「支給対象者・条件」の4つの項目をすべて満たしているか確認してください。特に「販売金額15万円以上」や「他の同様の給付金を受けていない」といった点は見落としがちです。不明な点があれば、申請前に農政課へ問い合わせるのが確実です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 令和7年から農業を始めた新規就農者ですが、対象になりますか?
A1. 残念ながら、今回の給付金は対象外となる可能性が高いです。支給要件に「令和6年分の税申告」が含まれているため、令和6年中に農業所得があり、申告している必要があります。今後の支援制度については、市の広報や公式サイトをご確認ください。
Q2. 農業の販売金額が15万円にわずかに届きません。申請できますか?
A2. 申告要件として「販売金額が15万円以上」と明確に定められているため、15万円未満の場合は対象外となります。確定申告書の「販売金額」の欄を再度ご確認ください。
Q3. 申請書はどこで手に入りますか?
A3. 申請書や誓約書は、相模原市の公式サイトからExcel形式またはPDF形式でダウンロードできます。また、市役所本庁舎5階の農政課窓口でも配布している可能性がありますので、お問い合わせください。
Q4. 確定申告書で「肥料費」を他の経費と合算して計上しています。どうすればよいですか?
A4. 給付額の算定には「肥料費」の金額が明確に確認できる必要があります。もし他の経費と合算している場合は、肥料費の内訳がわかる帳簿や領収書等の提出が別途必要になる可能性があります。このような場合は、必ず事前に農政課へご相談ください。
Q5. 申請してからどのくらいで振り込まれますか?
A5. 振込までの期間については、市の公式サイトでは明記されていません。申請の混雑状況や審査の進捗によって変動します。一般的には、申請から1〜2ヶ月程度かかることが多いですが、詳しくは市の担当課にお問い合わせください。
まとめ
今回は、相模原市が実施する「令和7年度肥料購入支援事業給付金」について詳しく解説しました。肥料価格の高騰という厳しい状況を乗り越え、大切な農業を継続していくために、ぜひこの制度をご活用ください。
重要ポイントの再確認
- 対象者: 相模原市在住・在所で、令和6年分の農業販売金額が15万円以上の農業者。
- 給付額: 令和6年分の肥料費を基に計算し、上限は60万円。
- 申請期間: 令和7年6月2日〜12月26日。予算に限りがあるため早めの申請が重要。
- アクション: まずは市の公式サイトで申請書をダウンロードし、ご自身の確定申告書と照らし合わせて対象になるか確認しましょう。
この記事が、相模原市で農業を営む皆様の一助となれば幸いです。ご不明な点があれば、遠慮なく市の農政課へお問い合わせください。