神戸市鉄道駅舎エレベーター等設置補助金とは?
神戸市では、高齢者や障害を持つ方々をはじめ、誰もが安心して公共交通機関を利用できる「ユニバーサル社会」の実現を目指しています。その一環として、市内の鉄道駅舎にエレベーターやスロープなどのバリアフリー化設備を設置する鉄道事業者に対し、費用の一部を補助する制度を実施しています。1992年度から続くこの制度は、「第2期神戸市バリアフリー基本構想」の重要な柱の一つであり、安全で快適な移動環境の整備を力強く後押しします。
この補助金のポイント
- 神戸市内の鉄道駅舎におけるバリアフリー設備の設置費用を支援
- 補助率は対象経費の最大6分の1
- エレベーター、ホーム柵、多機能トイレなど幅広い設備が対象
- 1992年度から続く豊富な補助実績
補助金制度の概要
本制度の詳しい内容を以下の表にまとめました。申請を検討される事業者様は必ずご確認ください。
項目 | 内容 |
---|---|
補助対象者 | 神戸市内で鉄道事業を経営する鉄道事業者(神戸市高速鉄道事業を除く)、交通エコロジー・モビリティ財団、第3セクター |
補助対象事業 | 神戸市内の駅舎に旅客用のバリアフリー化設備を新設する事業 |
補助率 | 対象経費の6分の1以内(予算の範囲内で決定) |
対象設備(例) | エレベーター、スロープ、階段昇降機、多機能トイレ、ホーム柵(可動式・昇降式)、内方線付き点状ブロックなど |
事前協議期限 | 原則として、事業着手開始予定年度の前年度8月末日まで |
実施期間 | 1992年度から継続中 |
申請手続きの流れ
補助金の申請から交付までは、以下のステップで進められます。特に、期限が定められている事前協議が重要です。
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1
事前協議
事業着手予定の前年度8月末日までに、事業計画書や概算見積書等を添えて市(福祉局長)と協議を行います。
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2
交付申請
事前協議後、正式な交付申請書に工事費見積書や図面等を添付して市長に提出します。
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3
交付決定
市が申請内容を審査し、補助金の交付が決定されると通知書が送付されます。
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4
事業の実施
交付決定後、計画に沿ってバリアフリー化設備の設置工事に着手します。
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5
実績報告と額の確定
事業完了後、速やかに実績報告書を提出します。市の完了検査を経て、補助金の額が確定します。
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6
補助金の請求・交付
確定通知に基づき補助金を請求し、市から交付を受けます。
申請時の重要注意点
この補助金は、国の「地域公共交通確保維持改善事業費補助金」や兵庫県の「公共交通バリアフリー化促進事業」など、国や県の補助制度と連携しています。申請にあたっては、これらの関連制度の要件も満たす必要があります。詳細は必ず公式の補助要綱をご確認ください。
豊富な補助実績
本制度は2024年3月末時点で、市内64駅において活用されています。近年では、以下のような整備が行われました。
- JR三ノ宮駅 (2023年): 昇降式ホーム柵2線
- 阪急春日野道駅 (2023年): エレベーター1基、多機能トイレ、可動式ホーム柵2線
- 山陽東須磨駅 (2023年): エレベーター4基
- 阪神神戸三宮駅 (2021-22年): 可動式・昇降式ホーム柵
これらの実績は、本制度が神戸市の交通インフラの安全性と利便性向上に大きく貢献していることを示しています。
まとめ
「神戸市鉄道駅舎エレベーター等設置補助金」は、鉄道事業者が駅のバリアフリー化を進める上で非常に有効な支援制度です。設備投資の負担を軽減し、企業の社会的価値を高めるとともに、すべての利用者が快適に移動できる環境づくりに貢献できます。神戸市内の駅舎改修をご計画の事業者様は、ぜひ本制度の活用をご検討ください。