詳細情報
白血病などの血液疾患に苦しむ患者さんにとって、骨髄移植や末梢血幹細胞移植は大きな希望です。その希望をつなぐのが「ドナー」の存在です。福島県鏡石町では、ドナーとなる方の尊い決断と社会貢献に対し、経済的な負担を軽減するための「鏡石町骨髄等移植ドナー助成金事業」を令和7年4月1日から開始します。この制度は、骨髄等の提供に伴う通院や入院にかかる日数に応じて、最大14万円の助成金を交付するものです。この記事では、鏡石町の骨髄ドナー助成金について、対象となる方の条件、助成金額、申請方法、必要書類などを、誰にでも分かりやすく徹底的に解説します。あなたの勇気ある一歩を、町が全力でサポートします。
この助成金のポイント
- 最大14万円を助成!
- 通院・入院1日あたり2万円を交付
- 対象は鏡石町在住の骨髄ドナー
- ドナーの経済的・時間的負担を軽減することが目的
- 申請は骨髄提供完了後90日以内
助成金の概要
まずは、この助成金がどのような制度なのか、基本的な情報を確認しましょう。
正式名称
鏡石町骨髄等移植ドナー助成金事業
実施組織
福島県 鏡石町
目的・背景
この事業は、骨髄・末梢血幹細胞移植医療の推進と、ドナー登録者の増加を図ることを目的としています。ドナーになる方は、健康診断や自己血貯血、そして実際の採取のために何度も通院・入院が必要となり、仕事や学業を休むなど、身体的、時間的、経済的に大きな負担がかかります。この助成金は、そうしたドナーの負担を少しでも軽減し、安心していのちを救う活動に協力できる環境を整えるために設立されました。
助成金額と対象経費
具体的にいくら助成されるのか、計算方法や対象となる費用について詳しく見ていきましょう。
助成金額は最大14万円
助成金の額は、骨髄等の提供のために要した通院または入院の日数に応じて決まります。計算方法は非常にシンプルです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 計算方法 | (通院・入院の合計日数) × 20,000円 |
| 上限額 | 1回の骨髄等の提供につき 140,000円 |
| 対象日数 | 上限7日間分まで(7日 × 2万円 = 14万円) |
【具体例】助成金の計算
- ケース1:健康診断で2日通院、骨髄採取で5日間入院した場合
合計日数は7日です。計算式は 7日 × 2万円 = 14万円。上限額である14万円が交付されます。 - ケース2:末梢血幹細胞提供のため、通院が合計4日間だった場合
合計日数は4日です。計算式は 4日 × 2万円 = 8万円。8万円が交付されます。
対象となる通院・入院(補助対象経費)
助成金の計算対象となるのは、以下の目的での通院・入院です。
- 健康診断に係る通院
- 自己血貯血に係る通院
- 骨髄等の採取に係る通院または入院
- その他、骨髄バンクが必要と認める通院、入院及び面接
これらの日数は、骨髄バンクが発行する証明書等で確認されます。
助成金の対象者と詳しい条件
この助成金を受け取るためには、いくつかの条件をすべて満たす必要があります。ご自身が対象となるか、以下のチェックリストで確認してみましょう。
必須条件チェックリスト
- 日本骨髄バンクが実施する骨髄バンク事業において、骨髄等の提供を完了した。
- 骨髄等の提供を行った日に、鏡石町に住所を有し、住民基本台帳に記録されている。
- 骨髄バンクから、提供が完了したことを証明する書類の交付を受けている。
- 他の地方公共団体から、この助成金に相当する補助金等を受けていない。
【重要】対象外となるケース
上記の条件をすべて満たしていても、以下に該当する場合は助成金の対象外となりますのでご注意ください。
- 町税を滞納している方
- 暴力団員又は暴力団と密接な関係を有する方
申請方法と手順をステップ・バイ・ステップで解説
申請手続きは難しくありません。以下の手順に沿って進めましょう。
ステップ1:骨髄等の提供を完了する
まず大前提として、骨髄バンクを通じてドナーとして骨髄または末梢血幹細胞の提供を無事に完了させます。提供後、骨髄バンクから提供完了を証明する書類が交付されますので、大切に保管してください。
ステップ2:必要書類を準備する
次に、申請に必要な書類を揃えます。
| 書類名 | 入手方法・備考 |
|---|---|
| 鏡石町骨髄等移植ドナー助成金交付申請書(第1号様式) | 鏡石町の公式サイトからダウンロード、または役場窓口で入手。 |
| 骨髄バンクが発行した骨髄等の提供が完了したことを証する書類 | 骨髄バンクから交付されます。通院・入院日数が記載されているものが必要です。 |
| その他町長が必要と認める書類 | 必要に応じて町から指示があります。(例:本人確認書類、振込先口座がわかるものなど) |
ステップ3:申請書を提出する
書類がすべて揃ったら、期限内に提出します。
- 提出期限: 骨髄提供が完了した日から90日以内 ※非常に重要です!
- 提出先: 鏡石町役場 福祉こども課 福祉グループ
- 住所: 〒969-0404 鏡石町東町286番地(鏡石町健康福祉センター内)
ステップ4:審査・交付決定・助成金の受け取り
提出された書類を町が審査します。内容に問題がなければ交付決定通知が送付され、後日、申請書に記載した指定の口座に助成金が振り込まれます。
採択のポイントと注意点
この助成金は、事業計画の優劣を競う補助金とは異なり、要件を満たしていれば原則として交付されるものです。したがって、採択されるための最も重要なポイントは、以下の2点です。
ポイント1:対象者の条件を確実に満たすこと
「提供日に鏡石町に住所がある」「町税の滞納がない」といった基本的な条件をクリアしていることが大前提です。
ポイント2:期限内に、不備のない書類を提出すること
意外と見落としがちなのが申請期限です。提供完了後90日という期限を厳守しましょう。また、申請書の記入漏れや添付書類の不足がないよう、提出前に何度も確認することが大切です。不明な点があれば、自己判断せず、必ず役場の担当課に問い合わせましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. ドナー登録をしただけでも対象になりますか?
A1. いいえ、ドナー登録だけでは対象になりません。実際に骨髄バンクを通じて骨髄等の提供を完了した方が対象です。
Q2. 鏡石町に引っ越してきたばかりですが、対象になりますか?
A2. 骨髄等を提供した「当日」に鏡石町に住所があれば対象となります。提供日より後に鏡石町へ転入した場合は対象外となります。
Q3. 会社を休んだ分の給与補償はされますか?
A3. この助成金は、休業補償を直接の目的としたものではありません。通院・入院日数に応じた定額の助成となり、使途は限定されていません。ドナー休暇制度を設けている企業もありますので、まずはお勤め先にご確認ください。
Q4. 申請してからどのくらいで振り込まれますか?
A4. 申請後の審査期間や手続きによりますが、一般的には1〜2ヶ月程度が目安です。正確な時期については、申請時に町の担当窓口にご確認ください。
Q5. 助成金に税金はかかりますか?
A5. このような助成金は、ドナーの身体的・経済的負担の補填を目的としているため、原則として非課税所得に該当すると考えられます。ただし、最終的な税務上の判断については、管轄の税務署にご確認ください。
まとめ:尊い行動を支える鏡石町の助成金を活用しよう
今回は、鏡石町の「骨髄等移植ドナー助成金事業」について詳しく解説しました。
重要ポイントの再確認
- 対象者: 骨髄提供日に鏡石町に住所があるドナーの方
- 助成額: 通院・入院1日あたり2万円、上限14万円
- 申請期限: 骨髄提供完了日から90日以内
- 成功の鍵: 対象要件を満たし、期限内に不備なく書類を提出すること
骨髄ドナーになるという決断は、一人の患者さんの命を救う可能性のある、非常に尊い社会貢献です。鏡石町は、その勇気ある行動を経済的な面からしっかりとサポートします。もしあなたがドナーとなり、この制度の対象となる場合は、ぜひ本助成金を活用してください。そして、これからドナー登録を考えている方も、このようなサポートがあることを知って、安心して一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
制度について不明な点や、申請に関する相談は、下記の問い合わせ先に気軽にご連絡ください。
お問い合わせ先
- 担当課: 鏡石町役場 福祉こども課 福祉グループ
- 住所: 〒969-0404 鏡石町東町286番地(鏡石町健康福祉センター内)
- 電話番号: (0248)62-2210
- FAX番号: (0248)62-6019