岐阜県関市で、地域の子どもたちのために「子ども食堂」を運営されている、またはこれから始めたいとお考えの団体の皆様へ朗報です。関市では、子ども食堂の運営を支援するための「関市子ども食堂運営事業補助金」を実施しています。この制度を活用することで、運営にかかる経費の一部として最大20万円の補助を受けることが可能です。特に、令和7年9月4日以降の活動費については、これまで対象がひとり親世帯に限定されていましたが、その制限が解除され、原則18歳以下のすべての子どもを対象とすることが可能になりました。これにより、より多くの団体がこの補助金を活用しやすくなっています。この記事では、補助金の概要から対象となる経費、具体的な申請手順、そして採択されるためのポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。ぜひ最後までお読みいただき、貴団体の活動にお役立てください。

この補助金のポイント

  • 関市内で子ども食堂を運営する団体が対象
  • 運営にかかる経費に対し最大20万円を補助
  • 令和7年9月4日以降は原則18歳以下のすべての子どもが対象に
  • 食材費や光熱水費、備品購入費など幅広く活用可能

関市子ども食堂運営事業補助金とは?

まずは、この補助金制度の基本的な情報について確認しましょう。どのような目的で、誰が実施しているのかを理解することが、申請への第一歩です。

制度の目的と背景

「関市子ども食堂運営事業補助金」は、食事の提供を通じて、子どもたちに安心して過ごせる居場所を提供する「子ども食堂」の運営団体を支援することを目的としています。これにより、子どもたちの孤食を防ぎ、栄養バランスの取れた食事の機会を提供するとともに、地域の中での交流拠点としての役割を担うことで、子どもたちの健やかな成長を促す環境づくりに貢献することを目指しています。

実施組織と基本情報

正式名称 関市子ども食堂運営事業補助金
実施組織 岐阜県関市(担当:健康福祉部 子ども家庭課)
対象地域 岐阜県関市

【重要】令和7年度からの変更点

この補助金は、これまでひとり親世帯の子どもを主な対象としていましたが、令和7年9月4日以降の活動費については、対象の「ひとり親限定」が解除されます。これにより、原則として18歳以下のすべての子どもを対象とする子ども食堂が補助対象となり、より幅広く、多くの地域の子どもたちのために活用できるようになりました。この変更は、地域の子ども支援をさらに推し進めるための重要な一歩と言えるでしょう。

補助金額と補助率について

申請を検討する上で最も気になるのが、いくら補助されるのかという点です。ここでは、補助金額の上限や計算方法について詳しく見ていきましょう。

上限金額と計算方法

補助金額は、以下の2つのうち、いずれか低い方の額となります(1,000円未満の端数は切り捨て)。

  • ① 補助対象となる経費の合計額の2分の1以内の額
  • ② 補助対象となる経費の合計額から、利用料や寄付金などの収入を差し引いた額

そして、補助金の上限は1申請年度あたり20万円です。

具体的な計算例

具体的なケースで補助金額がどうなるかシミュレーションしてみましょう。

ケース 補助対象経費 収入 計算① (経費の1/2) 計算② (経費-収入) 補助金額
例1 500,000円 100,000円 250,000円 400,000円 200,000円 (上限適用)
例2 300,000円 0円 150,000円 300,000円 150,000円
例3 400,000円 250,000円 200,000円 150,000円 150,000円

補助対象となる団体と条件

この補助金は、子ども食堂を運営する団体であればどこでも申請できるわけではありません。定められた要件を満たす必要がありますので、ここでしっかりと確認してください。

必須となる2つの要件

補助対象となるためには、以下の2つの条件を両方満たす必要があります。

  1. 関市社会福祉協議会が設置する「関市子どもの居場所ネットワーク協議会」に加盟する事業者であること。
  2. 関市子ども食堂運営事業補助金交付要綱(平成29年関市告示第145号)第3条に規定する条件を満たすこと。

特に重要なのが「関市子どもの居場所ネットワーク協議会」への加盟です。まだ加盟されていない団体は、まず関市社会福祉協議会へお問い合わせください。交付要綱については、関市の公式サイトで確認するか、子ども家庭課へ直接問い合わせることをお勧めします。

何に使える?補助対象経費の詳細

補助金が採択されても、何にでも使えるわけではありません。対象となる経費、ならない経費を正しく理解し、適切な事業計画を立てましょう。

対象となる経費一覧

子ども食堂の運営に直接必要となる、以下のような経費が対象となります。

  • 賄材料費:食材や調味料の購入費用
  • 消耗品費:食器、調理器具、ラップ、アルミホイル、洗剤、衛生用品など
  • 光熱水費:食堂で使用する電気、ガス、水道料金
  • 燃料費:調理や送迎に使用するガソリン代など
  • 保険料:食中毒保険やイベント保険など、万が一に備えるための保険料
  • 使用料:会場の賃借料など
  • 備品購入費:冷蔵庫、コンロ、テーブル、椅子など運営に必要な備品の購入費用

対象外となる経費(注意点)

最も重要な注意点は、関市から他の補助金(例:地域委員会交付金など)の交付対象となっている経費は、この補助金の対象外となることです。二重で補助を受けることはできませんので、ご注意ください。その他、団体の運営スタッフの人件費や交際費などは対象外となるのが一般的です。不明な点は必ず事前に担当課へ確認しましょう。

申請から受給までの流れを6ステップで解説

ここでは、申請の準備から補助金が実際に振り込まれるまでの流れを、ステップごとに分かりやすく解説します。

  1. Step 1: 事前相談と準備
    まずは関市役所の子ども家庭課に連絡し、事業内容について相談することをお勧めします。対象要件の確認や、書類作成のアドバイスをもらえる場合があります。
  2. Step 2: 必要書類の準備
    関市の公式サイトから申請に必要な書類一式をダウンロードし、作成します。事業計画書や収支予算書は、事業の具体性が伝わるように丁寧に作成しましょう。
  3. Step 3: 申請書の提出
    作成した書類一式を、関市役所の子ども家庭課へ提出します。提出期限は特に定められていませんが、予算がなくなり次第終了となる可能性があるため、早めの申請が賢明です。
  4. Step 4: 審査・交付決定
    提出された書類を元に市で審査が行われます。審査を通過すると「交付決定通知書」が送付されます。この通知を受け取ってから事業を開始するのが原則です。
  5. Step 5: 事業の実施と実績報告
    交付決定された事業計画に沿って、子ども食堂を運営します。事業が完了したら、指定された期日までに「実績報告書」や収支決算書、活動の様子がわかる写真などを提出します。
  6. Step 6: 補助金の請求と受領
    実績報告が承認されると、補助金額が確定します。「交付請求書」を提出し、後日、指定した口座に補助金が振り込まれます。

必要書類一覧(申請時)

申請時には、主に以下の書類が必要です。様式は関市の公式サイトからダウンロードできます。

  • 交付申請書(別記様式第1号)
  • 事業計画書(別記様式第2号)
  • 収支予算書(別記様式第3号)
  • 団体調書(別記様式第4号)
  • 誓約書(別記様式第5号)

採択率アップ!申請書作成の3つのコツ

補助金は申請すれば必ずもらえるものではありません。審査を通過するためには、説得力のある申請書を作成することが不可欠です。ここでは、採択の可能性を高めるための3つのポイントをご紹介します。

1. 事業の目的と社会貢献性を明確に

なぜ貴団体が子ども食堂を運営するのか、その活動が関市の子供たちや地域社会にどのような良い影響を与えるのかを、事業計画書で具体的に示しましょう。「子どもたちの孤食を防ぐ」「多世代交流の場を創出する」「学習支援の機会を提供する」など、活動の社会的意義を熱意をもって伝えることが重要です。

2. 事業計画の具体性と実現可能性

「いつ、どこで、誰が、何人の子どもを対象に、どのような内容で」実施するのかを、誰が読んでも理解できるように具体的に記述してください。収支予算書も、経費の見積もりが現実的で、補助金の使途が明確であることが求められます。曖昧な計画ではなく、実現可能な計画であることをアピールしましょう。

3. 書類の不備をなくし、丁寧に作成

基本的なことですが、非常に重要です。記入漏れ、誤字脱字、必要書類の添付忘れといった不備は、審査の心証を悪くするだけでなく、不採択の直接的な原因にもなり得ます。提出前には必ず複数人でダブルチェックを行い、完璧な状態で提出することを心がけてください。

よくある質問(Q&A)

Q1. これから子ども食堂を始めたいのですが、申請できますか?

A1. はい、これから始める団体も申請可能です。ただし、申請の前提条件として「関市子どもの居場所ネットワーク協議会」への加盟が必要です。まずは関市社会福祉協議会にご相談ください。その上で、具体的な事業計画書と収支予算書を作成して申請することになります。

Q2. 補助金はいつもらえますか?

A2. この補助金は、原則として事業がすべて完了し、実績報告書を提出した後で支払われる「精算払い(後払い)」です。事業実施中の経費は一旦団体で立て替える必要がありますので、資金計画にご注意ください。

Q3. ボランティアスタッフへの謝礼は対象になりますか?

A3. 一般的に、団体の構成員への人件費や謝礼は補助対象外となることが多いです。ただし、外部から講師を招く場合の謝礼などは認められるケースもあります。詳細については、必ず申請前に市の担当課にご確認ください。

Q4. 申請すれば必ず採択されますか?

A4. いいえ、申請内容について審査が行われます。事業計画の妥当性、経費の適切性、団体の信頼性などが総合的に判断され、交付の可否が決定されます。また、市の予算には限りがあるため、申請が多数あった場合は採択されない可能性もあります。

Q5. 申請書の書き方がわかりません。相談できますか?

A5. はい、関市役所の子ども家庭課で相談を受け付けています。申請書の作成で不明な点や、事業計画についてのアドバイスが欲しい場合は、遠慮なく問い合わせてみましょう。事前に相談することで、より精度の高い申請書を作成できます。

まとめ:関市の子どもたちのために補助金を活用しよう

今回は、関市が実施する「子ども食堂運営事業補助金」について詳しく解説しました。この補助金は、地域の子どもたちのために活動する団体にとって、非常に心強い支援制度です。

重要ポイントの再確認

  • 上限20万円で運営経費をサポート
  • 対象要件を満たせば、新規立ち上げ団体も申請可能
  • 申請には具体的で実現可能な事業計画が不可欠
  • 不明な点は、必ず事前に市の担当課へ相談すること

子ども食堂は、食事を提供するだけでなく、子どもたちの安心できる居場所であり、地域コミュニティの核となる重要な存在です。この補助金を有効に活用し、関市の未来を担う子どもたちのために、さらに活動を充実させていきましょう。まずは公式サイトで詳細を確認し、担当課へ相談することから始めてみてください。

お問い合わせ先

関市役所 健康福祉部(福祉事務所)子ども家庭課(南庁舎1階)
電話: 0575-23-8965
ファクス: 0575-23-7748