小規模事業者の皆様、販路開拓や生産性向上にお悩みではありませんか?そんな皆様を力強くサポートするのが「小規模事業者持続化補助金<一般型>」です。本記事では、制度の概要から申請方法、採択のコツまで、専門家が分かりやすく徹底解説します。
小規模事業者持続化補助金とは?
小規模事業者が自社の経営を見直し、持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度です。新たな顧客獲得のためのチラシ作成やWebサイト構築、店舗改装など、幅広い経費が対象となります。
この補助金のポイント
- 補助上限額: 最大200万円(通常枠は50万円)
- インボイス特例: 上記に一律50万円上乗せ可能!
- 補助率: 原則2/3(一部3/4)
- 対象経費: 広報費、ウェブサイト関連費、店舗改装費など幅広い
- サポート: 商工会・商工会議所の支援を受けながら計画作成が可能
制度概要|一目でわかる基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
補助金名 | 小規模事業者持続化補助金<一般型> |
目的 | 小規模事業者の販路開拓や生産性向上の取組を支援し、持続的発展を図る。 |
補助上限額 | 通常枠: 50万円 特別枠: 200万円 (賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠) インボイス特例: 上記に一律50万円上乗せ |
補助率 | 2/3 (賃金引上げ枠のうち赤字事業者は3/4) |
申請受付締切 (第13回) |
2023年9月7日(木) |
あなたは対象?補助対象者の条件
この補助金は、以下の条件を満たす「小規模事業者」が対象です。
業種 | 常時使用する従業員数 |
---|---|
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 5人以下 |
宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
その他の主な要件
- 資本金又は出資金が5億円以上の法人に100%株式保有されていないこと(法人のみ)。
- 直近過去3年間の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと。
- 過去の持続化補助金で採択された場合、所定の事業効果報告を提出済みであること。
※個人事業主、法人、特定非営利活動法人が対象です。詳細は必ず公募要領をご確認ください。
5つの申請類型とインボイス特例
本補助金には、事業者の状況に合わせて選べる5つの申請類型(枠)と、インボイス対応事業者を支援する特例があります。
申請類型の一覧比較表
類型 | 補助上限 | 概要 |
---|---|---|
通常枠 | 50万円 | 基本的な販路開拓等の取組を支援。 |
賃金引上げ枠 | 200万円 | 事業場内最低賃金を地域別最低賃金より+30円以上とした事業者。赤字事業者は補助率3/4に優遇。 |
卒業枠 | 200万円 | 雇用を増やし小規模事業者の従業員数を超えて事業規模を拡大する事業者。 |
後継者支援枠 | 200万円 | アトツギ甲子園のファイナリスト等に選ばれた事業者。 |
創業枠 | 200万円 | 特定創業支援等事業の支援を受け、過去3年以内に開業した事業者。 |
【注目】インボイス特例でさらに50万円上乗せ!
免税事業者からインボイス発行事業者に転換する小規模事業者は、全ての枠で補助上限額が一律50万円上乗せされます。これにより、特別枠と組み合わせると最大で250万円の補助が受けられます。
<適用要件>
2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった(または見込まれる)事業者のうち、適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者であること。
何に使える?補助対象経費をチェック
販路開拓や生産性向上のための幅広い経費が補助対象となります。
- ①機械装置等費: 製造装置や業務用ソフトウェアの購入など
- ②広報費: チラシ作成・配布、看板設置、新聞・雑誌広告など
- ③ウェブサイト関連費: WebサイトやECサイトの構築・改修など ※補助金総額の1/4(最大50万円)が上限
- ④展示会等出展費: 展示会や商談会の出展料、関連運搬費など
- ⑤旅費: 販路開拓のための出張旅費(宿泊費、交通費)
- ⑥開発費: 新商品の試作品開発に伴う経費
- ⑦資料購入費: 補助事業に関連する資料・図書など
- ⑧雑役務費: 臨時で雇用したアルバイト代など
- ⑨借料: 機器・設備のリース・レンタル料
- ⑩設備処分費: スペース確保のための設備処分費用 ※補助対象経費総額の1/2が上限
- ⑪委託・外注費: 店舗改装やデザイン依頼など、自社で実施困難な業務の外注費用
注意!対象外となる経費の例
パソコン・スマホ・タブレット、自動車、文房具など汎用性が高いもの、不動産の購入費、各種手数料、公租公課(消費税など)は対象外です。経費の支払いは原則「銀行振込」となりますのでご注意ください。
申請から入金までの10ステップ
補助金の申請から受給までは、以下の流れで進みます。計画的に準備を進めましょう。
- 申請の準備: 公募要領を確認し、経営計画書・補助事業計画書を作成します。
- 商工会/商工会議所へ相談: 作成した計画書をもとに地域の商工会・商工会議所に相談し、「事業支援計画書」の交付を受けます。
- 申請手続き: Jグランツ(電子申請)または郵送で申請書類を提出します。
- 審査: 外部有識者による審査が行われます。
- 採択・交付決定: 採択結果が通知され、「交付決定通知書」が届きます。
- 補助事業の実施: 交付決定日以降に事業を開始します。
- 実績報告書の提出: 事業完了後、期限内に実績報告書と証拠書類を提出します。
- 確定検査・補助金額の確定: 事務局が報告書を検査し、補助金額が確定します。
- 補助金の請求: 確定通知に基づき、補助金の精算払請求を行います。
- 補助金の入金・事業効果報告: 補助金が入金されます。事業完了から1年後には事業効果報告が必要です。
申請方法とスケジュール【第13回公募】
第13回 受付締切スケジュール
申請受付締切日: 2023年9月7日(木)
事業支援計画書交付の受付締切: 原則2023年8月31日(木)
※締切間際は混み合いますので、早めの手続きをおすすめします。
申請は「Jグランツ」による電子申請がおすすめ!
申請は原則として、補助金申請システム「Jグランツ」を利用した電子申請となります。郵送も可能ですが、電子申請でない場合は審査で減点調整が行われるため、電子申請を強く推奨します。
電子申請の注意点
Jグランツの利用には「GビズIDプライムアカウント」が必要です。アカウントの発行には数週間かかる場合があるため、申請を検討している方は今すぐ取得手続きを始めましょう。
採択率を上げるには?審査のポイントと加点項目
本補助金は申請すれば必ず採択されるわけではありません。審査で高く評価されるためのポイントを抑えましょう。
審査のポイント
- 自社の強みや経営状況を適切に把握しているか。
- 経営方針や目標が、市場の特性を踏まえた実現可能性の高いものか。
- 補助事業計画が経営計画の達成に必要かつ有効か。
- 小規模事業者ならではの創意工夫があるか。
- ITを有効に活用する取組が見られるか。
- 事業費の積算が正確・明確で、真に必要な金額か。
加点項目を活用しよう!
特定の要件を満たすことで、審査で有利になる「加点」を受けられます。【重点政策加点】と【政策加点】からそれぞれ1つ、合計2つまで選択可能です。
加点カテゴリ | 主な加点項目 |
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重点政策加点 | 赤字賃上げ加点、事業環境変化加点、東日本大震災加点、くるみん・えるぼし加点 |
政策加点 | パワーアップ型加点、経営力向上計画加点、事業承継加点、過疎地域加点など |
まとめ
小規模事業者持続化補助金は、事業の成長を目指す事業者にとって非常に強力なツールです。最後にポイントを振り返りましょう。
- 最大250万円の補助: 特別枠とインボイス特例の活用がカギ。
- 計画的な準備: 商工会・商工会議所と連携し、質の高い計画書を作成する。
- 電子申請が必須級: GビズIDを早めに取得し、Jグランツで申請する。
- 加点項目を狙う: 自社が該当する加点項目を漏れなく申請し、採択率をアップさせる。
まずは公式情報を確認し、申請準備を始めましょう!