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【2024年】革新的原子力技術開発支援事業(NEXIP)とは?補助額・対象を解説

最大助成額
1.0億円
申請締切
2025/4/15 (終了)
採択率
30.0%
実施機関
経済産...

詳細情報

2050年のカーボンニュートラル実現に向け、エネルギー政策の重要性が増しています。本記事では、その鍵となる「社会的要請に応える革新的な原子力技術開発支援事業(通称:NEXIP)」について、目的や背景、支援内容、申請方法までをプロの視点で徹底解説します。次世代のエネルギー技術開発に関心のある企業や研究機関の方は必見です。

社会的要請に応える革新的な原子力技術開発支援事業(NEXIP)とは?

本事業は、経済産業省と文部科学省が連携して推進する「NEXIP(Nuclear Energy × Innovation Promotion)イニシアチブ」の中核をなすものです。原子力の安全性・信頼性・効率性を抜本的に高める新技術の開発を支援し、日本のエネルギー安定供給と産業競争力強化を目指します。

事業の3つの重要ポイント

  • カーボンニュートラル実現の鍵:実用段階にある脱炭素技術として原子力を位置づけ、水素製造など多様な産業利用を目指します。
  • 国際連携による開発加速:米・英・加などで先行する次世代革新炉開発プロジェクトに日本企業が参画し、グローバルなサプライチェーンでの地位獲得を支援します。
  • 多様な技術開発を支援:小型モジュール炉(SMR)や高温ガス炉、高速炉など、特定の技術に偏らない多様な技術間競争を促進します。

事業の背景:なぜ今、革新的な原子力技術なのか?

世界各国が2050年カーボンニュートラルを掲げる中、脱炭素技術のサプライチェーン競争が激化しています。特に米国や英国では、官民連携で原子力イノベーションを加速させており、日本もこれに乗り遅れることなく、高い製造能力を持つ企業の技術力を活かすことが国家的な課題となっています。本事業は、こうした国際動向と国内の「グリーン成長戦略」を踏まえ、日本の原子力技術のリーダーシップを再興するために創設されました。

補助対象となる主要な技術分野

本事業では、将来のエネルギーシステムの中核を担う可能性のある、以下のような革新的な原子力技術の研究開発を支援対象としています。

1. 小型モジュール炉(SMR)

安全システムの簡素化、工場でのモジュール生産による工期短縮・コスト削減が可能な次世代炉です。負荷追従運転や水素製造など多目的利用も期待されています。NuScale SMRやBWRX-300などの海外プロジェクトへの日本企業の参画を支援します。

2. 高速炉

放射性廃棄物の減容化や有害度低減、資源の有効利用に貢献する技術です。日仏・日米協力などを通じて、ナトリウム冷却高速炉などの効率的な開発を推進します。

3. 高温ガス炉

950℃以上の高温熱を利用し、発電だけでなく大規模かつ安価なカーボンフリー水素製造が可能な技術です。産業プロセスの脱炭素化に大きく貢献することが期待されています。

4. その他(溶融塩炉、核融合など)

液体燃料を使用する溶融塩炉や、究極のエネルギーとされる核融合など、さらに未来を見据えた革新的な技術開発も支援の視野に入れています。

補助金の詳細(公募メニュー例)

本事業は、文部科学省が実施する「原子力システム研究開発事業」と連携しており、研究開発のフェーズに応じて複数の公募メニューが用意されています。以下は令和3年度・4年度の公募実績に基づくメニュー例です。

公募メニュー 研究期間 補助額上限(年間) 概要
基盤チーム型 4年以内 1億円 産学官の知見を結集して取り組むチーム型の基礎・基盤研究を支援。
ボトルネック課題解決型 3年以内 3,000万円 社会実装を目指す上で具体的なボトルネックとなっている課題解決のための研究開発。
新発想型 2年以内 2,000万円 挑戦的・ゲームチェンジングな技術開発を目指す、自由な発想の研究開発。

※上記は過去の公募情報です。最新の公募では内容が変更される可能性があります。

申請プロセスとスケジュール

申請は、府省共通研究開発管理システム(e-Rad)を通じて行われます。一般的な流れは以下の通りです。

  1. 公募情報の確認:公式サイトで最新の公募要領、募集期間を確認します。事前に開催されるワークショップへの参加も推奨されます。
  2. e-Radでの準備:研究機関・研究者情報の登録を済ませておきます。
  3. 提案書類の作成:公募要領に従い、事業提案書や研究開発計画書などを作成します。
  4. e-Radによる申請:受付期間内にシステムを通じて申請を完了させます。
  5. 審査:専門家による書面審査およびヒアリング審査が行われます。
  6. 採択・契約:審査結果が通知され、採択された場合は契約手続きに進みます。

申請スケジュールの目安

過去の実績から、新規公募は例年2月下旬から4月中旬頃に実施される傾向があります。採択決定は6月頃、事業開始は7月以降となることが多いです。公募期間は限られているため、早めの情報収集と準備が重要です。

まとめ:未来のエネルギーを創る挑戦を支援

「社会的要請に応える革新的な原子力技術開発支援事業」は、単なる研究開発支援にとどまらず、日本のエネルギーの未来と国際競争力を左右する重要な国家プロジェクトです。SMRや高温ガス炉といった革新技術は、脱炭素社会の実現に不可欠な選択肢となります。本事業を活用し、未来のエネルギーシステム構築に挑戦してみてはいかがでしょうか。

お問い合わせ先

  • 事業の概要に関する問合せ:
    文部科学省研究開発局原子力課
    TEL: 03-6734-4543
  • 提案書類の作成・登録に関する手続き等に関する問合せ:
    公益財団法人原子力安全研究協会 研究支援部
    TEL: 03-5470-1995

助成金詳細

実施機関 経済産業省 資源エネルギー庁、文部科学省 研究開発局
最大助成額 1.0億円
申請締切 2025/4/15 (終了)
採択率 30.0%
難易度
閲覧数 1

対象者・対象事業

大学、民間企業、国立研究開発法人、公益法人等、革新的な原子力技術の研究開発に取り組む事業者

お問い合わせ

【事業概要】文部科学省研究開発局原子力課 TEL: 03-6734-4543 / 【提案書類等】公益財団法人原子力安全研究協会 研究支援部 TEL: 03-5470-1995