高知県のほぼ中央に位置し、豊かな自然に恵まれた本山町。基幹産業である農業は、人口減少や高齢化という課題に直面しながらも、「みどりの食料システム法」のモデル地区に選定されるなど、未来に向けた先進的な取り組みを進めています。この記事では、本山町で農業を営む事業者の皆様が活用できる補助金・助成金制度を網羅的に解説します。経営の安定化や規模拡大、新たな挑戦にぜひお役立てください。
本山町で活用できる主な農業関連補助金一覧
現在、本山町では農業者の経営安定と持続的な発展を支援するため、様々な補助金制度が用意されています。ここでは、特に注目度の高い制度をピックアップしてご紹介します。
| 補助金名 | 上限金額 | 申請期間の目安 | 概要 |
|---|---|---|---|
| 畜産農家市場価格支援事業 | 20万円 | 〜2026年3月31日 | 取引価格の下落等による売上高減少の被害があった畜産事業者に対し、経営の安定化を目的として支援金を交付します。 |
| 本山町営農継続総合対策事業費補助金(農業用機械修繕支援) | 6万円 | 毎年4月1日〜翌年3月31日頃 | 農業経営の維持・向上のため、農業用機械の修繕にかかる経費の一部を補助します。 |
| 本山町営農継続総合対策事業費補助金(堆肥散布支援) | 15万円 | 毎年4月1日〜翌年3月31日頃 | 環境保全や労力軽減のため、堆肥散布の委託料など、土づくりにかかる経費の一部を補助します。 |
| 本山町営農継続総合対策事業費補助金(花卉園芸継続支援) | 10万円 | 毎年4月1日〜翌年1月31日頃 | 花卉園芸の継続的な生産を支援するため、関連経費の一部を補助します。 |
※申請期間や詳細は年度によって変更される可能性があります。必ず本山町の公式サイトまたは担当窓口で最新情報をご確認ください。
国の重点戦略!「みどりの食料システム法モデル地区」としての本山町
本山町は、国の「みどりの食料システム法」に基づき、環境負荷低減に取り組むモデル地区に選定されています。これは、町の農業が持続可能な未来に向けて先進的な役割を担っていることの証です。
具体的な取り組み内容
- 廃熱・排ガスの有効活用:町内の木質バイオマス発電所で発生する廃熱やCO2を、隣接する次世代型園芸施設(パプリカ栽培など)で活用。これにより、化石燃料の使用を抑え、温室効果ガスの排出を削減します。
- 先端技術の活用:上記のエネルギー循環システムに加え、スマート農業技術の導入を推進し、生産性の向上と環境負荷低減の両立を目指します。
- 耕畜連携の推進:地域のブランド牛「土佐あかうし」の牛ふんから作られたペレット堆肥の利用を促進し、化学肥料の使用量を削減する循環型農業を推進しています。
モデル地区であることにより、今後、国の関連補助事業において採択の優遇措置を受けられる可能性があります。省エネ設備の導入やスマート農業技術の導入などを検討している方は、この点を踏まえて情報収集を行うことをお勧めします。
本山町の農業振興計画と支援の方向性
本山町の補助金は、「本山町過疎地域持続的発展計画」に示されたビジョンに基づいて設計されています。町がどのような農業を目指しているかを知ることで、補助金活用のヒントが見えてきます。
計画が示す主な農業振興策
- 担い手の確保と育成:新規就農者への経済的支援や研修制度を充実させ、未来の農業を支える人材を確保します。
- 生産基盤の整備:ほ場や農道、水路などの整備を進め、作業の効率化と生産性の向上を図ります。
- スマート農業の導入推進:ICTなどの先端技術を活用し、省力化と高品質化を実現します。
- 6次産業化の推進:地域の特産品を活用した加工品の開発・製造を支援し、農産物の付加価値を高めます。
- 有害鳥獣対策の強化:侵入防止柵の設置などを支援し、農作物の被害を軽減します。
これらの計画に基づき、町は「(一財)本山町農業公社」を中核とした支援体制を構築しています。補助金の申請にあたっては、ご自身の事業がこれらの町の目標にどう貢献できるかをアピールすることが採択の鍵となります。
補助金活用のためのステップと相談窓口
補助金を有効に活用するためには、事前の準備と情報収集が不可欠です。以下のステップを参考に、計画的に進めましょう。
- 情報収集:本山町の公式サイトや広報誌、補助金ポータルサイトなどで、利用可能な補助金の最新情報を確認します。
- 事前相談:事業計画の概要を持って、本山町役場の担当窓口に相談します。どの補助金が最適か、アドバイスをもらえます。
- 事業計画の策定:補助金の目的に沿って、具体的で実現可能な事業計画書を作成します。機械の導入などは、見積書も取得しておきましょう。
- 申請手続き:公募要領に従い、必要な書類をすべて揃えて期間内に申請します。
- 事業実施と報告:交付が決定したら、計画に沿って事業を実施します。事業完了後は、実績報告書を提出し、補助金が交付されます。
主な相談窓口
- 本山町役場 まちづくり推進課
電話番号: 0887-76-3916
町の補助金制度全般に関する相談が可能です。まずはここから始めましょう。 - JA高知県 嶺北営農経済センター
営農指導や技術的な相談、関連する支援事業についての情報提供が受けられます。
まとめ
高知県本山町は、過疎化や高齢化といった課題を乗り越えるため、国の戦略とも連携しながら、農業者への手厚い支援策を展開しています。特に「みどりの食料システム法モデル地区」としての取り組みは、環境と調和した持続可能な農業を目指す事業者にとって大きなチャンスです。今回ご紹介した補助金制度を積極的に活用し、経営基盤の強化や新たな事業展開に繋げてください。
対象者・対象事業
本山町内で農業(畜産、稲作、園芸など)を営む農業法人、個人農業者、農業団体など
必要書類(詳細)
申請書、事業計画書、見積書、決算書類、町税等の納税証明書など。詳細は各補助金の公募要領をご確認ください。
対象経費(詳細)
農業用機械の修繕費、堆肥散布委託料、飼料費、燃料費、資材費など、事業によって異なります。