締切: 令和6年12月4日まで
対象となる方
- 海外企業との共同研究開発を通じて、海外市場への展開を目指すディープテック・スタートアップ
- 日本国内に主要な研究開発拠点を有する、未上場の中小企業
- 量子、AI、半導体、エネルギー・環境、バイオ等の鉱工業技術分野で事業を行う事業者
申請手順
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| STEP 1 | 共同研究先の海外企業を特定し、研究開発内容を調整。共同研究契約書(CA)のドラフトを作成。 |
| STEP 2 | 府省共通研究開発管理システム(e-Rad)へ事業者登録(未登録の場合)を行い、日本語の提案書を提出。 |
| STEP 3 | EUREKA指定ウェブサイト(SmartSimple)へプロジェクト情報を入力・提出。CAドラフトもアップロード。 |
| STEP 4 | NEDOによる審査(約2~3ヶ月)を経て交付決定。事業開始後、実績報告書を提出し、助成金を受領。 |
補助金額・補助率
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成上限額 | 最大1億円 |
| 助成率 | 助成対象費用の3分の2以内 |
| 助成対象期間 | 原則2~3年 |
計算例: 助成対象となる研究開発費の総額が1億5,000万円の場合、助成率は2/3であるため、助成金額は1億円となります(上限額適用)。自己負担額は5,000万円です。
対象者・申請要件
対象となる事業者
- 日本に登記されている未上場の中小企業であること。
- 主要な研究開発拠点を日本国内に有していること。
- 提案者の主任研究者は日本の居住者であること。
- 対象国(カナダ、フランス、オランダ、オーストリア、フィンランド、シンガポール、英国)の事業者と国際共同研究開発プロジェクトを実施する具体的な計画があること。
- 相手国側事業者と共同研究契約(Consortium Agreement)を締結できること。
対象となる技術分野
- 経済産業省所管の鉱工業技術(量子、AI、ロボティクス、半導体、電子機器、エネルギー・環境、バイオテクノロジー、新素材、医療機器、航空宇宙等)。
- 原子力技術に係るものは対象外です。
- 医薬品開発及び再生医療等製品に係る開発は原則として対象外ですが、創薬支援技術、医薬品開発を加速する支援技術、医療機器等の複合技術開発は対象となります。
補助対象経費
| 経費区分 | 詳細 | 対象可否 |
|---|---|---|
| 機械装置等費 | 研究開発に必要な機械装置、工具・器具の購入、試作、改造、据付、借用等に要する経費 | ○ |
| 人件費 | 本研究開発に直接従事する研究員等の人件費 | ○ |
| 外注費・委託費 | 研究開発の一部を外部の企業、大学等へ外注・委託するために要する経費 | ○ |
| 旅費 | 国内外の共同研究先への渡航費、会議参加等に要する経費 | ○ |
| 汎用的なPC等 | 事務作業等、他の目的にも使用できる汎用的な物品の購入費 | × |
重要: 助成対象費用の詳細については、必ず公式サイトの公募要領をご確認ください。交付決定前に発注・契約した経費は原則として補助対象外となります。
必要書類一覧
| No. | 書類名 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | NEDO様式提案書 | 公式サイトよりダウンロードし、e-Radにて提出 |
| 2 | EUREKA SmartSimpleへの入力 | 日本側または相手国側の代表提案者がオンラインで入力 |
| 3 | 共同研究契約書(CA)のドラフト | EUREKA SmartSimple提出時にアップロードが必要 |
| 4 | 履歴事項全部証明書 | 発行日から3ヶ月以内のもの |
| 5 | 直近の財務諸表 | 公募要領で指定された期間分 |
審査基準・採択のポイント
主な審査項目
- 技術の革新性・優位性: 提案技術が国内外の既存技術と比較して、明確な新規性や優位性を有しているか。
- 国際連携の妥当性: なぜその国のパートナーと組む必要があるのか、連携による相乗効果が明確か。各々の役割分担は適切か。
- 事業化の可能性: 研究開発の成果が、具体的な製品・サービスとして事業化され、海外市場で競争力を持つ見込みがあるか。
- 実施体制の妥当性: 研究開発を遂行するための人員、設備、財務基盤が整っているか。プロジェクトマネジメント能力は十分か。
採択率を高めるポイント
- 相手国側パートナーとの連携体制を早期に確立し、共同研究契約書(CA)の内容を具体的に詰めておく。
- EUREKAのGlobalstarsスキームの趣旨を理解し、国際連携の意義を提案書で明確に記述する。
- 研究開発計画だけでなく、その先の事業化計画(市場規模、販売戦略、収益予測等)を具体的に示す。
- 知的財産戦略について、INPIT等の専門機関に相談し、計画に盛り込む。
よくある質問
Q1: 共同研究先の海外企業が見つからない場合、どうすればよいですか?
A: EUREKAが設置しているバーチャルマーケットプレイス「EUREKA GlobalStars Japan Virtual Marketplace」などを活用してパートナーを探すことが可能です。登録した参加者間で共同公募の可能性について協議できます。
Q2: e-Radへの登録はすぐに完了しますか?
A: いいえ、登録には日数を要する場合があります。公募要領では2週間以上の余裕をもって登録手続きを行うことが推奨されています。締切間際の登録は避けてください。
Q3: 共同研究契約書(CA)のドラフト作成について相談できますか?
A: はい、知的財産面でのアドバイスについては、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)の海外展開知財支援窓口へ相談することが可能です。ただし、代理作成や交渉の同席はできません。
Q4: 申請は日本語の書類だけで十分ですか?
A: いいえ。NEDO様式の日本語提案書をe-Radで提出するのに加え、EUREKA指定のウェブサイト(SmartSimple)へ英語等での入力・提出が別途必要です。両方の手続きを完了させる必要があります。
Q5: 相手国側のパートナーも、自国の支援機関へ申請が必要ですか?
A: はい、その通りです。本事業は、NEDOと相手国の支援機関が並行して支援を行うスキームです。相手国側事業者も、自国の支援機関が実施する公募へ応募し、採択されることが前提となります。
制度の概要・背景
本事業は、革新的な技術を持つ日本のディープテック・スタートアップが、海外市場へ事業展開することを強力に後押しするための制度です。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が、欧州を中心とする研究開発・イノベーション支援機関の国際ネットワーク「EUREKA」のGlobalstarsスキームを活用して実施します。
単独での海外展開には大きなリスクとコストが伴いますが、本事業ではNEDOと相手国の支援機関が連携し、両国の企業が行う共同研究開発を支援します。これにより、技術開発と海外市場開拓を同時に推進し、日本のスタートアップのグローバルな成長を加速させることを目的としています。
まとめ・お問い合わせ先
「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」は、海外の有力企業と連携し、グローバル市場を目指すスタートアップにとって非常に価値のある支援制度です。申請には海外パートナーとの事前調整や複数のシステムへの登録が必要となるため、公募要領を熟読の上、計画的に準備を進めることが重要です。
お問い合わせ先
実施機関: 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
担当部署: 海外展開部 ディープテックコファンドグループ
Email: dt.cofund#ml.nedo.go.jp(#を@に変えてください)
公式サイト: https://www.nedo.go.jp/koubo/AT092_100239.html