小規模事業者持続化補助金とは?
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が自社の経営を見直し、持続的な経営に向けた経営計画を立てて行う販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する制度です。新たな顧客獲得のためのチラシ作成やWebサイト構築、店舗改装など、幅広い経費に活用できるため、全国の事業者から絶大な人気を誇る補助金の一つです。
【重要】最新の公募状況について
公式サイトによると、次回公募の実施時期は未定となっています(2023年10月23日発表)。今後の公募予定に関する問い合わせにも回答できない状況とのことです。しかし、人気の補助金であるため、再開に備えて今から準備を進めておくことが採択への鍵となります。
補助金の概要が一目でわかる!基本情報まとめ
本補助金の基本的な情報を表にまとめました。複数の申請枠があり、それぞれ補助上限額が異なります。
申請枠 | 補助上限額 | 補助率 | 概要 |
---|---|---|---|
通常枠 | 50万円 | 原則 2/3 (賃金引上げ枠の赤字事業者は 3/4) |
基本的な販路開拓等の取り組み |
賃金引上げ枠 | 200万円 | 事業場内最低賃金を地域別最低賃金より+30円以上とした事業者 | |
卒業枠 | 200万円 | 雇用を増やし小規模事業者の規模を超える事業者 | |
後継者支援枠 | 200万円 | アトツギ甲子園のファイナリスト等になった事業者 | |
創業枠 | 200万円 | 特定創業支援等事業の支援を受けた事業者 | |
インボイス特例 | 各枠の上限に+50万円 | インボイス発行事業者に登録した事業者 |
誰が対象?補助対象となる事業者と経費
補助対象者
「小規模事業者」であることが大前提です。業種によって常時使用する従業員数が定められています。
業種 | 常時使用する従業員の数 |
---|---|
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 5人以下 |
宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
※会社役員や個人事業主本人、一定条件を満たすパートタイム労働者は従業員数に含みません。
補助対象経費
販路開拓や生産性向上のための幅広い経費が対象となります。主な経費は以下の通りです。
- ① 機械装置等費: 事業用の製造装置、ショーケース、厨房機器などの購入費用
- ② 広報費: チラシ、カタログ、パンフレットの作成・配布、看板設置費用
- ③ ウェブサイト関連費: WebサイトやECサイトの構築・更新・改修費用
- ④ 展示会等出展費: 国内外の展示会や商談会への出展料
- ⑤ 旅費: 販路開拓のための出張にかかる交通費・宿泊費
- ⑥ 開発費: 新商品の試作品やパッケージのデザイン・開発費用
- ⑦ 資料購入費: 事業に必要な書籍や資料の購入費用
- ⑧ 雑役務費: 補助事業のために臨時で雇用したアルバイト代など
- ⑨ 借料: 事業に必要な機器・設備のリース・レンタル費用
- ⑩ 設備処分費: 作業スペース確保のための設備処分費用
- ⑪ 委託・外注費: 店舗改装や専門家への業務依頼など、自社で実施困難な業務の外注費用
⚠️ 注意点
- パソコンや自動車など汎用性が高いものは原則対象外です。
- ウェブサイト関連費は、補助金総額の1/4が上限です。また、ウェブサイト関連費のみでの申請はできません。
- 設備処分費は、補助対象経費総額の1/2が上限です。
申請から補助金入金までの完全ガイド【10ステップ】
申請準備から補助金の受け取り、事業報告までの一連の流れを理解しておきましょう。
- 1申請の準備: 経営計画書・補助事業計画書を作成します。
- 2商工会/商工会議所へ相談: 作成した書類を持参し、支援を受け「事業支援計画書」の交付を依頼します。
- 3申請手続き: 電子申請(Jグランツ)または郵送で申請書類一式を提出します。
- 4審査・採択: 事務局による審査が行われ、採択者が決定・公表されます。
- 5交付決定・事業開始: 「交付決定通知書」受領後、計画に沿って事業を開始します。※通知書受領前の発注・支払いは対象外です。
- 6実績報告書の提出: 事業完了後、期限内に実績報告書と証拠書類を提出します。
- 7確定検査: 事務局が報告書を検査し、補助金額を確定します。
- 8補助金の請求: 「補助金確定通知書」に基づき、補助金を請求します。
- 9補助金の入金: 指定の口座に補助金が振り込まれます(後払い)。
- 10事業効果報告: 補助事業完了から1年後に事業効果を報告します。
次回公募に向けて今から準備すべき3つのこと
公募が始まってから慌てないよう、以下の準備を今のうちに進めておきましょう。
1. 経営計画・事業計画の骨子を作成する
補助金申請で最も重要なのが「経営計画書」と「補助事業計画書」です。自社の強みや弱み、市場の機会や脅威を分析し、「この補助金を活用して、どのような販路開拓を行い、どう売上を伸ばすのか」という一貫したストーリーを練っておきましょう。
2. GビズIDプライムアカウントを取得する
電子申請には「GビズIDプライムアカウント」が必須です。申請から取得まで数週間かかる場合があるため、公募開始前に必ず取得しておきましょう。他の多くの補助金申請でも利用できるため、持っていて損はありません。
3. 地域の商工会・商工会議所に相談する
本補助金の申請には、地域の商工会・商工会議所が発行する「事業支援計画書」が不可欠です。事前に相談し、事業計画についてアドバイスをもらうことで、より質の高い申請書を作成できます。いざ公募が始まると窓口が混み合うため、早めにコンタクトを取っておくことをお勧めします。
まとめ
小規模事業者持続化補助金は、販路開拓を目指す事業者にとって非常に強力なツールです。現在は次回公募が未定ですが、再開は多くの事業者が待ち望んでいます。この記事を参考に、万全の準備を整えて採択を勝ち取りましょう。