丹波市IT関連事業所等振興支援事業補助金の概要
兵庫県丹波市では、市の産業振興と地域活性化を目指し、市内に革新的なIT関連事業所を開設する事業者に対し、「丹波市IT関連事業所等振興支援事業補助金」を交付しています。この制度は、兵庫県が実施する「ひょうごイノベーション拠点開設支援事業」と連携しており、事業所の賃借料や改修費、事務機器の購入費など、初期投資の負担を大幅に軽減できる注目の補助金です。特に過疎指定区域での開設や空き家を活用する場合には、最大150万円という手厚い支援が受けられます。
制度の目的
本補助金は、丹波市内に革新的なアイデアと高度な技術を持つIT関連事業者を誘致・育成することを目的としています。これにより、新たな雇用を創出し、地域経済の持続的な発展に貢献することを目指しています。
兵庫県「ひょうごイノベーション拠点開設支援事業」との連携
この補助金を受給するための大きな特徴は、兵庫県が実施する「ひょうごイノベーション拠点開設支援事業」の認定を受けることが必須条件である点です。県の事業では、IT事業所の開設支援として、建物改修費や賃借料、さらに高度人材の人件費なども補助対象となっており、丹波市の補助金はこれに上乗せ(随伴)する形で支援を行います。申請を検討する際は、まず兵庫県の制度内容を理解し、市と県の双方の要件を満たす事業計画を立てることが重要です。
補助対象者と要件
補助金の対象となるのは、以下の要件をすべて満たす事業者です。
- 3年以上の事業計画を有する者:高度なIT技術を活用し、今後の成長が期待できる具体的な事業計画が必要です。
- 革新的なアイデアと高度IT技術の実績等がある者:関連事業の経験や実績、または専門的な知識や能力を有していることが求められます。
- 市税の滞納がない者:申請時点において、丹波市の市税を滞納していないことが条件です。
補助対象経費・補助率・上限額
補助対象となる経費は「賃借料」「建物改修費」「事務機器取得費」の3つです。開設する場所が「過疎指定区域」に該当する場合、補助率や上限額が優遇されます。
| 補助対象経費 | 区分 | 補助率 | 補助上限額 | 補助対象期間 |
|---|---|---|---|---|
| 事業所等に係る賃借料 | 通常区域 | 1/4 | 30万円/年 | 利用開始から36箇月間 |
| 過疎指定区域 | 対象経費×3/4×1/2 | 45万円/年 | ||
| 事業所等に係る建物改修費 | 通常区域 | 1/4 | 50万円 (空き家・空き店舗改修は100万円) |
開設時1回限り |
| 過疎指定区域 | 対象経費×3/4×1/2 | 100万円 (空き家・空き店舗改修は150万円) |
||
| 事務機器取得費 | 全区域 | 1/4 | 25万円 |
※消費税及び地方消費税に相当する額は補助対象経費から除きます。
※市有財産における賃借料及び建物改修費は補助対象経費から除きます。
申請期間とスケジュール
本補助金の申請は、連携する兵庫県の「ひょうごイノベーション拠点開設支援事業」の募集期間に合わせて行われます。令和7年度(2025年度)の募集期間は以下の通りです。
- 第1回:令和7年6月2日(月)~ 令和7年7月31日(木)
- 第2回:令和7年12月 ~ 令和8年1月下旬頃(予定)
重要:丹波市への申請は、兵庫県の認定を受ける前に行う必要があります。スケジュールに余裕を持って準備を進めてください。
申請手続きの流れ
申請は、丹波市と兵庫県への手続きが連携して進められます。大まかな流れは以下の通りです。
- 事前相談:事業計画について、まずは丹波市商工振興課へ事前に相談することをお勧めします。
- 丹波市へ「対象事業所指定申請」:兵庫県の募集期間内に、丹波市へ「対象事業所指定申請書」と兵庫県へ提出する申請書類の写しを提出します。
- 兵庫県へ「事業計画申請」:丹波市への申請と並行して、兵庫県へ「ひょうごイノベーション拠点開設支援事業」の申請を行います。
- 審査・認定:兵庫県による審査が行われ、事業が認定されます。この認定が受けられない場合、丹波市の指定も取り消されます。
- 丹波市へ「補助金交付申請」:県の認定後、事業着手前に丹波市へ「補助金交付申請書」を提出します。
- 交付決定:丹波市で内容が審査され、補助金の交付が決定されます。
- 事業開始:交付決定後、事業に着手します。
- 実績報告:事業完了後、30日以内等に丹波市へ実績報告書を提出します。
- 補助金額の確定・請求・受領:実績報告に基づき補助金額が確定し、請求手続きを経て補助金が支払われます。
注意点
- 兵庫県の認定が必須:本補助金は、兵庫県の「ひょうごイノベーション拠点開設支援事業」の認定が前提となります。
- 予算措置:本補助金は交付申請後に予算措置が行われるため、申請から交付までに相応の期間を要する場合があります。
- 事業継続義務:補助金により開設した事業所は、操業開始日から3年間は継続して操業する義務があります。
- 他の補助金との併用:国や県などの他の補助金を受ける場合、同一の経費を本補助金の対象とすることはできません(ひょうごイノベーション拠点開設支援事業補助金を除く)。
- 帳簿の保管:補助事業に係る帳簿や証拠書類は、事業が完了した年度の翌年度から5年間保存する必要があります。
まとめ
「丹波市IT関連事業所等振興支援事業補助金」は、丹波市でITビジネスを立ち上げる事業者にとって、初期費用を抑え、事業をスムーズに軌道に乗せるための強力なサポート制度です。特に、自然豊かな環境で新しい働き方を実現したいIT起業家や、サテライトオフィスの開設を検討している企業にとって大きな魅力となるでしょう。申請には兵庫県との連携や詳細な事業計画が必要となるため、まずは丹波市の担当窓口に相談し、早めに準備を始めることをお勧めします。