詳細情報
この記事のポイント
- 福岡県久留米市内の中小企業が対象
- 国の認定(くるみん・えるぼし・ユースエール)取得で一律20万円を助成
- 従業員の働きやすい環境づくりを支援し、人材確保に繋げるのが目的
- 申請は認定取得から2ヶ月以内とスピーディーな対応が必要
- 予算上限に達し次第終了のため早めの申請がおすすめ
福岡県久留米市で事業を営む中小企業の経営者の皆様、「人材の確保や定着に課題を感じている」「従業員がもっと働きやすい環境を整えたい」とお考えではありませんか?そんな企業を力強く後押しするのが、「令和7年度久留米市ワーク・ライフ・バランス助成金」です。
この制度は、国が定める働きやすさの証である「くるみん」「えるぼし」「ユースエール」といった認定を新たに取得した市内の中小企業に対し、一律20万円を助成するものです。助成金を活用して働き方改革を進めることで、従業員満足度の向上はもちろん、企業のイメージアップや優秀な人材の確保にも繋がります。この記事では、助成金の概要から申請方法、採択されるためのポイントまで、どこよりも詳しく解説します。
令和7年度久留米市ワーク・ライフ・バランス助成金の概要
まずは、本助成金の基本的な情報について確認しましょう。どのような目的で、誰が実施している制度なのかを理解することが第一歩です。
| 制度概要 | |
|---|---|
| 正式名称 | 令和7年度久留米市ワーク・ライフ・バランス助成金 |
| 実施組織 | 久留米市(商工観光労働部労政課) |
| 目的・背景 | 従業員のワーク・ライフ・バランス向上に意欲的に取り組む市内中小企業等を支援し、魅力ある職場づくりを実現することで、市内企業の人材確保を図る。 |
| 対象事業 | 国が認定する「くるみん」・「えるぼし」・「ユースエール」のいずれかの認定を新たに受ける事業。 |
対象となる国の3つの認定制度とは?
本助成金の鍵となるのが、厚生労働大臣が認定する3つの制度です。これらの認定は、働きやすい企業であることの客観的な証明となります。
- くるみん認定:「子育てサポート企業」として、高い水準の取り組みを行っている企業が認定されます。育児休業の取得率など、具体的な基準が設けられています。
- えるぼし認定:女性の活躍推進に関する状況が優良な企業が認定されます。採用、継続就業、労働時間、管理職比率、多様なキャリアコースの5つの評価項目があります。
- ユースエール認定:若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業が認定されます。「新卒者の離職率が低い」「有給休暇の取得率が高い」などが基準です。
助成金額・補助率
助成金額は非常にシンプルで分かりやすい設定になっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成金額 | 20万円(定額) |
| 補助率 | 定額助成のため、補助率の概念はありません。 |
【重要】注意点
助成は、1事業者あたり、1会計年度につき、新たに取得した1つの認定に限られます。例えば、同年度内に「くるみん」と「えるぼし」の両方を取得した場合でも、助成額は20万円となります。
対象者・条件
本助成金を受給するためには、以下のすべての要件を満たす中小企業者等である必要があります。申請前に必ず自社が該当するかを確認してください。
必須要件リスト
- 市内に本社及び事業所を有すること:久留米市に拠点を置く企業が対象です。
- 事業の効率化や生産性向上等に現在取り組んでいる、または取り組もうとしていること:企業の成長意欲が問われます。
- 市税の滞納がないこと:納税義務を果たしていることが前提です。
- 暴力団排除条例等に該当していないこと:反社会的勢力との関わりがないことが条件です。
- その他、本助成金の目的及び趣旨から市長が適当でないと認めるものでないこと。
(注意)中小企業等の具体的な定義(資本金や従業員数など)については、公式の「申請の手引き」の2ページで詳細に定められています。必ずご確認ください。
補助対象経費
一般的な補助金とは異なり、この助成金は特定の経費を補助するものではありません。
本助成金は、国が定める認定(くるみん、えるぼし、ユースエール)を新たに取得したという「取り組みの成果」に対して定額20万円が支給されるものです。そのため、「この経費が対象」といった明確な区分はありません。
しかし、認定取得のためには、社会保険労務士などの専門家への相談費用、就業規則の改定費用、申請書類の作成費用など、様々なコストが発生することが考えられます。助成金は、これらの費用負担を軽減し、企業の取り組みを後押しするものと捉えることができます。
申請方法・手順
申請から交付までの流れは以下の通りです。特に申請期限には注意が必要です。
ステップ1:国の認定を取得
まずは助成金の前提条件である「くるみん」「えるぼし」「ユースエール」のいずれかの認定を厚生労働省(福岡労働局)から取得します。これが「支給要件を満たした日」となります。
ステップ2:交付申請・実績報告
認定取得後、速やかに必要書類を準備し、久留米市商工観光労働部労政課へ提出します。この助成金は、申請と実績報告を同時に行う形式です。
ステップ3:審査・結果通知
提出された書類は久留米市によって審査されます。審査には受付後2週間から3週間程度かかり、結果は郵送で通知されます。
ステップ4:請求・入金
交付が決定したら、請求書等の支払いに必要な書類を提出します。書類に不備がなければ、2週間から3週間を目安に指定の口座へ助成金が振り込まれます。
【最重要】申請期限
申請期限は、以下のいずれか早い日までとなります。
1. 支給要件を満たした日(=認定取得日)の翌日から起算して2か月を経過した日
2. 令和8年3月31日(月曜日)
(注意)期間内であっても予算の上限に達した時点で受付を終了しますので、認定取得後は速やかに申請手続きを進めましょう。
必要書類と提出先
- 必要書類:申請書類は「久留米市ワーク・ライフ・バランス助成金 申請書類」のページからダウンロードが必要です。一般的に、交付申請書兼実績報告書、認定通知書の写し、市税の滞納がないことの証明書、誓約書などが求められます。詳細は必ず公式サイトと「申請の手引き」で確認してください。
- 提出先:〒830-8520 久留米市城南町15番地3 久留米市商工観光労働部労政課(市役所11階)
- 提出方法:持参または郵送。郵送の場合は、簡易書留やレターパックなど追跡可能な方法で送付してください。
採択のポイント
本助成金は、要件を満たしていれば原則として交付されるため、競争採択型の補助金とは性質が異なります。しかし、確実に受給するためにはいくつかの重要なポイントがあります。
1. 期限の絶対厳守
最も重要なのは申請期限です。「認定取得日の翌日から2ヶ月以内」という期限は意外と短いため、認定を取得したらすぐに申請準備に取り掛かるスケジュール管理が不可欠です。
2. 書類の正確性と網羅性
申請書類に不備があると、審査が遅れたり、最悪の場合不交付となったりする可能性があります。公式の「申請の手引き」を熟読し、記入漏れや添付書類の不足がないか、提出前に複数人でダブルチェックすることをお勧めします。
3. 対象要件の事前確認
「市内に本社があるか」「市税の滞納はないか」など、基本的な対象要件を申請前に再確認しましょう。特に「中小企業者等」の定義については、自社の資本金や従業員数が基準を満たしているか、手引きで確認することが重要です。
よくある不採択理由(注意点)
・申請期限を過ぎてしまった。
・添付されている認定通知書の写しが不鮮明、または内容が異なる。
・市税の滞納があった。
・申請書に記載された法人情報(住所、代表者名など)が登記情報と異なっていた。
よくある質問(FAQ)
- Q1. 個人事業主でも申請できますか?
-
A1. はい、対象となります。「申請の手引き」に記載されている中小企業者等の定義に該当すれば、法人格の有無は問いません。
- Q2. 認定取得に費用がかかりましたが、その領収書は必要ですか?
-
A2. いいえ、必要ありません。この助成金は認定取得という事実に対して定額で支給されるため、かかった費用の証明は不要です。
- Q3. 申請期限の「支給要件を満たした日」とは具体的にいつですか?
-
A3. 福岡労働局から交付される「認定通知書」に記載されている認定日を指します。その日の翌日から2ヶ月以内に申請が必要です。
- Q4. 予算が上限に達したかどうかは、どこで確認できますか?
-
A4. 予算の上限に達した場合、久留米市の公式ウェブサイトで告知される可能性が高いです。申請前に公式サイトを確認するか、担当の労政課へ電話で問い合わせることをお勧めします。
- Q5. 過去に同じ認定を取得して助成金をもらいましたが、再度申請できますか?
-
A5. この助成金は「新たに」取得した認定が対象です。また、1事業者あたり1会計年度につき1つの認定に限られます。ただし、過去に「くるみん」で受給し、次年度に新たに「えるぼし」を取得した場合は、対象となる可能性があります。詳細は労政課にご確認ください。
まとめ・行動喚起
「令和7年度久留米市ワーク・ライフ・バランス助成金」は、働きやすい職場環境づくりを目指す久留米市内の中小企業にとって、非常に価値のある制度です。国の認定を取得するというハードルはありますが、それは同時に企業の社会的評価を高め、人材確保を有利に進める大きなチャンスでもあります。
【重要ポイントの再確認】
- 対象:久留米市内の中小企業
- 金額:定額20万円
- 要件:「くるみん」「えるぼし」「ユースエール」のいずれかを新規取得
- 期限:認定取得から2ヶ月以内(またはR8.3.31まで)
まずは、自社がどの認定を目指せるか検討することから始めてみましょう。そして、認定取得の目処が立ったら、すぐにこの助成金申請の準備を進めてください。詳細や最新情報は、必ず公式サイトで確認することが成功への鍵です。
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