はじめに:2025年、兵庫県のインバウンド観光が熱い!

2025年の大阪・関西万博開催や神戸空港の国際化という絶好の機会を捉え、兵庫県がインバウンド観光客の誘致に本格的に乗り出します。その中核となるのが「神戸空港国際化を契機としたインバウンド誘客強化事業」です。この事業は、兵庫県の持つ多彩な魅力を活かした周遊ツアーの造成や効果的なプロモーション活動を行う観光事業者様を強力に支援するものです。本記事では、この注目の補助金制度について、兵庫県の観光戦略を交えながら詳しく解説します。

補助金の概要

事業名 神戸空港国際化を契機としたインバウンド誘客強化事業
実施組織 兵庫県 産業労働部観光局観光振興課
事業予算 1,130万円(令和7年度当初予算)
対象者 兵庫県内へのインバウンド向け周遊ツアーを造成・販売する旅行会社、ランドオペレーター等
申請期間 2025年度中に公募開始予定(詳細は公式サイトで要確認)
目的 神戸空港の国際チャーター便就航等を契機に増加が見込まれるインバウンド客を確実に県内に呼び込み、周遊観光を促進する。

事業の背景:兵庫県が抱える観光の課題とチャンス

兵庫県は、コロナ禍からの回復は順調であるものの、インバウンド観光においてはいくつかの課題を抱えています。県の資料によると、インバウンド延べ宿泊者数の伸び率が全国平均を下回っており、滞在日数も短い傾向にあります。また、観光消費単価も目標値には届いていないのが現状です。

≪インバウンド延べ宿泊者数の低さ≫
〇インバウンド延べ宿泊者数は増加しているものの、その伸び率は全国平均+41.4%に対して本県は+12.3%と伸びていない
≪インバウンド観光消費単価の低さ≫
〇インバウンド観光消費単価が全国第43位…
(出典:兵庫県「兵庫観光の振興について」)

こうした課題を克服し、観光消費額を増やすための起爆剤として期待されているのが「神戸空港の国際化」「大阪・関西万博」です。これらのビッグイベントを最大限に活用し、兵庫県を単なる通過点ではなく「宿泊・滞在する目的地」へと昇華させるため、本事業が計画されました。

具体的な支援内容

本事業では、インバウンド観光客を惹きつけるための具体的な取り組みを3つの柱で支援します。

1. 周遊ツアーの造成・ファムトリップの実施

兵庫の魅力である「ゴルフ」「温泉」「グルメ」「文化体験」などを組み合わせた、付加価値の高い周遊ツアーの造成を支援します。造成したツアーの魅力を高めるため、海外の旅行事業者を招聘して実施するファムトリップ(視察旅行)の経費も対象となる見込みです。これにより、現地のニーズに即した魅力的な旅行商品の開発が期待されます。

2. インフルエンサーを活用したSNSプロモーション

ターゲット国・地域で認知度の高い旅行系インフルエンサー等を起用し、体験型の情報発信を行うことで、兵庫の観光資源を広く効果的にPRする取り組みを支援します。動画や写真映えするコンテンツを通じて、現地の潜在顧客層に直接アプローチし、旅行意欲を喚起します。

3. 現地セミナー・商談会等の実施

神戸空港の就航地である韓国や台湾といった重点市場において、現地の旅行会社等を対象としたセミナーや商談会を開催するための経費を支援します。直接的な営業活動を通じて、造成したツアーの販路を拡大し、送客に繋げます。

申請に向けたポイント

  • 独自性の高いツアー企画:兵庫五国(摂津・播磨・但馬・丹波・淡路)の特色を活かし、他の地域にはない「本物・上質」な体験を盛り込んだツアー企画が求められます。
  • 明確なターゲット設定:どの国・地域の、どのような層(富裕層、体験重視層など)をターゲットにするのかを明確にし、その層に響くプロモーション戦略を立てることが重要です。
  • 情報収集の徹底:本事業は令和7年度当初予算案に基づくものです。公募開始に向けて、兵庫県の観光関連公式サイトを定期的にチェックし、最新の公募要領を必ず確認してください。

まとめ

「神戸空港国際化を契機としたインバウンド誘客強化事業」は、兵庫県へのインバウンド観光客誘致を目指す事業者様にとって、またとないチャンスです。神戸空港の国際化という追い風を受け、兵庫県の豊かな観光資源を活かした魅力的なツアーを世界に発信しませんか。公募開始は2025年度中が予定されています。今のうちから情報収集と事業計画の策定を進め、この機会を最大限に活用しましょう。