詳細情報
北九州市で事業を営む中小企業の経営者様、人事担当者様へ朗報です。男性従業員の育児休業取得を推進するため、市が強力にバックアップする制度が開始されました。貴社で初めて男性従業員が育児休業を取得した場合、一律20万円の奨励金が交付される「北九州市パパ育休第一号サポート奨励金」をご存知でしょうか?
「男性の育休は重要だとわかっているが、人手不足や代替要員のコストが心配…」そんなお悩みを抱える企業にとって、この奨励金は大きな助けとなります。交付された奨励金は、代替スタッフの人件費や、育休取得者をサポートする周囲の従業員への手当など、柔軟に活用できます。この記事では、制度の概要から対象要件、申請方法、採択のポイントまで、専門家がどこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。ぜひ最後までお読みいただき、制度活用をご検討ください。
この記事でわかること
- 奨励金の概要:誰が、いくらもらえるのか?
- 対象要件:自社が対象になるかの詳細な条件
- 申請手順:申請から受給までの具体的な流れと必要書類
- 採択のコツ:確実に受給するための重要ポイントと注意点
北九州市パパ育休第一号サポート奨励金とは?
「北九州市パパ育休第一号サポート奨励金」は、市内の中小企業等における男性の育児休業取得を促進し、誰もが仕事と家庭を両立しやすい職場環境の整備を後押しすることを目的とした制度です。企業内で初めて男性従業員が連続5日以上の育児休業を取得した際に、企業に対して奨励金が交付されます。
制度の概要
まずは制度の全体像を把握しましょう。主要な項目を表にまとめました。
| 正式名称 | 北九州市パパ育休第一号サポート奨励金 |
|---|---|
| 実施組織 | 北九州市 政策局WomanWill推進室 |
| 交付額 | 1事業者あたり 20万円(1回のみ) |
| 対象事業者 | 北九州市内に本社または主たる事業所を持つ中小企業等 |
| 主な要件 | 企業で初めて男性従業員が連続5日以上の育休を取得すること |
| 申請期間 | 令和7年6月20日(金) 〜 令和8年2月20日(金) |
| 公式サイト | 北九州市公式サイト |
【重要】予算の上限について
この奨励金は予算に限りがあります。申請期間中であっても、予算額に達し次第、受付が終了となりますので、対象となる従業員がいる場合は早めの申請準備をおすすめします。
あなたの会社は対象?詳細な要件をチェック
奨励金を受給するためには、「事業者(会社)」と「労働者(従業員)」の両方が、定められた要件をすべて満たす必要があります。一つずつ確認していきましょう。
対象となる事業者(会社)の要件
申請する事業者は、交付申請日および実績報告日時点において、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 中小企業等経営強化法第2条等に定める中小企業等であること。
- 北九州市内に本社又は主たる事業所があること。
- 奨励金の対象となる労働者を雇用していること。
対象となる労働者(従業員)の要件
育児休業を取得する男性従業員は、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 雇用保険被保険者として期間の定めなく雇用されている男性労働者であること(非正規雇用も含む)。
- 交付対象事業者において、初めての男性の育児休業取得者であること。
- 養育する3歳未満の子に対し、令和7年4月1日以降に、勤務を要しない日(土日祝など)を除いて連続5日以上の育児休業を取得すること。
- 育児休業開始日の1か月以上前の日から雇用され、市内の事業所に勤務していること。
- 育児休業から職場復帰後、1か月以上、従前と同様に勤務していること。
奨励金20万円の使い道は?企業の状況に合わせて柔軟に活用可能
この奨励金は、特定の経費を補助する「補助金」とは異なり、使途が限定されていないのが大きな特徴です。企業の状況に合わせて、男性育休を推進し、働きやすい環境を整備するために幅広く活用できます。
奨励金の活用例
- 代替要員の確保:育休取得者の業務をカバーするための派遣社員やアルバイトの人件費に充当する。
- 周囲の従業員への手当:育休取得者の業務を分担してくれた同僚への特別手当として支給し、チーム全体のモチベーションを維持する。
- 業務効率化ツールの導入:育休による一時的な人員減を補うため、ITツールやソフトウェアを導入し、生産性を向上させる。
- 社内研修の実施:育休制度やワークライフバランスに関する研修を実施し、全社的な理解を深める。
- 育休復帰支援:復帰後のスムーズな業務移行をサポートするための面談や研修費用に活用する。
申請から受給までの完全ガイド|5つのステップ
申請手続きは、育休取得前から復帰後にかけて行います。全体の流れを把握し、計画的に進めましょう。
- 【Step 1】交付申請:対象従業員の育児休業開始前までに必要書類を提出します。
- 【Step 2】育休取得と職場復帰:従業員が連続5日以上の育休を取得し、その後職場に復帰します。
- 【Step 3】実績報告:職場復帰後、1か月以上雇用を継続した後に、実績報告書と関連書類を提出します。
- 【Step 4】交付確定:市が実績報告を審査し、交付額を確定します。
- 【Step 5】奨励金受給:交付確定通知後、約1か月程度で指定の口座に奨励金が振り込まれます。
申請期間と育休対象期間
| 項目 | 期間 |
|---|---|
| 育休取得対象期間 | 令和7年4月1日(火) 〜 令和8年2月27日(金) |
| 交付申請 受付期間 | 令和7年6月20日(金) 〜 令和8年2月20日(金) |
| 実績報告 受付期間 | 令和7年6月20日(金) 〜 令和8年3月31日(火) |
必要書類一覧
申請時と実績報告時で必要な書類が異なります。公式サイトから様式をダウンロードし、漏れなく準備しましょう。
■ 交付申請時(育休開始前)
- 奨励金交付申請書(様式第1号)
- 対象労働者が雇用保険被保険者であることを確認できる書類(雇用保険被保険者資格取得等確認通知書など)
- 対象労働者の子の出生の事実及び親子関係を確認できる書類(母子健康手帳の出生届出済証明の写しなど)
- 対象労働者からの育児休業申出に対して事業主が通知した育児休業取扱通知書の写し
■ 実績報告時(職場復帰1ヶ月後)
- 奨励金実績報告書(様式第3号)
- 育児休業取得状況等報告書(様式第3号別紙)
- 対象労働者の出勤簿等の写し(育休開始前1ヶ月〜復帰後1ヶ月分)
- 対象労働者の賃金台帳の写し(同上)
- 対象労働者が勤務を要する日を確認できる書類(就業規則、労働契約書など)
- 振込口座の預金通帳等の写し
提出方法
提出方法は郵送、Eメール、持参の3通りです。
- 郵送:〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号 北九州市政策局WomanWill推進室 宛(封筒に「パパ育休奨励金申請書在中」と記載)
- Eメール:seisaku-womanwill@city.kitakyushu.lg.jp 宛(件名に「【事業者名】パパ育休奨励金申請書」と記載)
- 持参:北九州市役所8階 政策局WomanWill推進室(平日9:00〜17:00 ※12:00〜13:00除く)
確実に受給するための3つの重要ポイント
この奨励金は要件を満たせば受給できる可能性が高い制度ですが、いくつか注意すべき点があります。以下のポイントを押さえて、スムーズな受給を目指しましょう。
ポイント1:要件の事前確認を徹底する
最も重要なのは、自社と従業員がすべての要件を満たしているか、申請前に細かく確認することです。特に「企業として初めての男性育休取得者」であるか、育休期間が「勤務日ベースで連続5日以上」であるかは間違いやすいポイントです。不明な点は、申請前に必ず市の担当窓口に確認しましょう。
ポイント2:スケジュールの厳守
申請には「交付申請」と「実績報告」の2つの期限があります。特に、交付申請は育休開始前までに行う必要があります。育休取得が決まったら、速やかに申請準備に取り掛かりましょう。実績報告も、復帰後1ヶ月が経過したら忘れずに行う必要があります。
ポイント3:書類の不備をなくす
申請書類の記入漏れや、添付書類の不足は、審査の遅れや不支給の原因となります。提出前には、複数人でダブルチェックを行うことをお勧めします。特に、出勤簿や賃金台帳の写しなど、期間が指定されている書類は、対象期間を間違えないように注意が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. パートタイマーや契約社員でも対象になりますか?
A1. はい、雇用形態に関わらず、「期間の定めのない雇用契約」を締結している男性労働者であれば対象となります。
Q2. 「連続5日」には土日や祝日は含まれますか?
A2. いいえ、含まれません。「勤務を要しない日を除いて連続5日以上」と定められているため、会社の営業日(所定労働日)でカウントします。例えば、月曜日から金曜日まで5日間連続で休むケースが該当します。
Q3. 過去に男性社員が1〜2日だけ育児目的の休暇を取ったことがありますが、対象外ですか?
A3. その休暇が育児・介護休業法に定められた「育児休業」に該当するかどうかによります。単なる有給休暇や特別休暇であれば、今回の奨励金の対象となる可能性があります。判断に迷う場合は、市の担当窓口にご相談ください。
Q4. 予算が上限に達したかどうかは、どこで確認できますか?
A4. 予算の上限に達し、受付を終了する場合は、北九州市の公式サイトで告知される予定です。申請を検討している場合は、定期的に公式サイトを確認することをおすすめします。
Q5. 福岡県の「よかパパ育休助成金」との併用は可能ですか?
A5. 北九州市の奨励金は「育休取得そのもの」を支援し、福岡県の助成金は「一般事業主行動計画の策定」を支援するなど、目的が異なります。原則として併用は可能と考えられますが、詳細はそれぞれの担当窓口にご確認ください。
まとめ:男性育休を推進し、魅力ある職場づくりへ
今回は、「北九州市パパ育休第一号サポート奨励金」について詳しく解説しました。最後に、重要なポイントをもう一度確認しましょう。
- 対象:北九州市内の中小企業等
- 条件:企業で初めて男性従業員が連続5日以上の育休を取得
- 金額:一律20万円(1回限り)
- 申請:育休開始前までに申請が必要
- 注意:予算に限りがあるため早めの行動が吉
この奨励金を活用することは、単に20万円の資金を得るだけでなく、男性が育休を取得しやすい企業文化を醸成する第一歩となります。それは、従業員の満足度向上、優秀な人材の確保・定着、そして企業のイメージアップにも繋がる、未来への投資と言えるでしょう。
まずは、貴社に近々お子さんが生まれる予定の男性従業員がいないか確認し、公式サイトで詳細な申請要項をダウンロードすることから始めてみてはいかがでしょうか。
お問い合わせ先
北九州市 政策局WomanWill推進室
住所: 〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話: 093-582-2209
Eメール: seisaku-womanwill@city.kitakyushu.lg.jp