大分県内で病院、診療所、薬局を運営されている皆様へ朗報です。医療DXの重要な基盤となる「電子処方箋」の導入を力強く後押しする「令和7年度大分県電子処方箋導入推進事業費補助金」が公募されています。この補助金は、国の補助金にさらに上乗せで支給されるもので、導入にかかる経済的負担を大幅に軽減できる絶好の機会です。大規模病院であれば最大100.3万円、診療所や薬局でも最大13.8万円の補助が受けられます。本記事では、この魅力的な補助金の概要から対象者、具体的な金額、申請手順、そして採択されるための重要なポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。これから電子処方箋の導入を検討している方、コスト面で躊躇していた方は、ぜひ最後までご覧いただき、制度を最大限に活用してください。
この補助金のポイント
- 国の補助金に大分県が上乗せで助成!
- 大規模病院は最大100.3万円、診療所・薬局も手厚く補助!
- 対象は県内の病院・診療所・薬局(保険医療機関)
- 申請は令和8年1月30日まで!ただし予算に達し次第終了
- 国の補助金(社会保険診療報酬支払基金)の交付決定が前提条件
令和7年度大分県電子処方箋導入推進事業費補助金とは?
「令和7年度大分県電子処方箋導入推進事業費補助金」は、大分県が県内の医療機関や薬局における電子処方箋管理サービスの導入を促進するために実施する制度です。国の「医療情報化支援基金」による補助金に加えて、県独自の予算で導入費用の一部を助成することで、医療現場のDX化を加速させ、より質の高い医療サービスの提供を目指すことを目的としています。
国の補助金への「上乗せ」が最大の魅力
この補助金の最大の特徴は、社会保険診療報酬支払基金が交付する国の補助金を受けた事業者が、さらに追加で受け取れる「上乗せ補助」である点です。電子処方箋の導入には、既存のレセコンや電子カルテのシステム改修など、一定のコストがかかります。この制度を活用することで、自己負担額を大きく抑え、スムーズな導入を実現できます。
制度の概要
| 正式名称 | 令和7年度大分県電子処方箋導入推進事業費補助金 |
| 実施組織 | 大分県 福祉保健部 薬務室 |
| 目的 | 電子処方箋管理サービスのシステム整備に係る費用の負担を軽減し、電子処方箋の活用・普及を促進する |
| 申請期間 | 令和7年6月2日(月)~ 令和8年1月30日(金)必着 ※予算額に達し次第、受付を終了します。 |
| 公式サイト | 大分県公式サイト |
補助対象者と主な条件
対象となる医療機関・薬局
この補助金の対象となるのは、以下の条件を満たす事業者です。
- 大分県内に所在する病院、診療所、薬局を運営する法人または個人事業主であること。
- 健康保険法第63条第3項各号に規定する保険医療機関・保険薬局であること。
必須となる2つの重要条件
申請にあたっては、以下の2つの条件を必ず満たしている必要があります。
条件1:国の補助金の交付決定
社会保険診療報酬支払基金が実施する国の補助金について、既に交付決定通知を受けていること。大分県の補助金は、この国の補助金がベースとなります。
条件2:整備完了期限
令和7年9月30日までに電子処方箋管理サービスの整備を完了していること。
【施設別】補助金額と補助率を徹底解説
補助金額は、施設の規模や導入内容によって細かく設定されています。補助対象事業は以下の3つに分類されます。
- (1) 初期導入:電子処方箋管理サービスを初めて導入する費用
- (2) 新機能導入:リフィル処方箋対応など、新機能を追加導入する費用
- (3) 同時導入:初期導入と新機能導入を同時に行う費用
| 施設種別 | 対象事業 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|---|
| 大規模病院 (200床以上) |
(1) 初期導入費 | 6分の1 | 81.1万円 |
| (2) 新機能導入費用 | 22.6万円 | ||
| (3) 同時導入費用 | 100.3万円 | ||
| 病院 (200床未満) |
(1) 初期導入費 | 6分の1 | 54.3万円 |
| (2) 新機能導入費用 | 16.7万円 | ||
| (3) 同時導入費用 | 67.6万円 | ||
| 診療所 (医科・歯科) |
(1) 初期導入費 | 4分の1 | 9.7万円 |
| (2) 新機能導入費用 | 6.1万円 | ||
| (3) 同時導入費用 | 13.5万円 | ||
| 薬局 | (1) 初期導入費 | 4分の1 | 9.7万円 |
| (2) 新機能導入費用 | 6.4万円 | ||
| (3) 同時導入費用 | 13.8万円 |
補助対象となる経費
補助の対象となるのは、電子処方箋管理サービスの導入に必要な経費です。具体的には、国の補助金(医療提供体制設備整備交付金)の対象経費と同一のものが対象となります。
対象経費の具体例
- レセプトコンピューター(レセコン)の改修費用
- 電子カルテシステムの改修費用
- 上記システムの導入・改修に付随する職員への操作指導、研修費用
- その他、電子処方箋管理サービスの導入に直接必要と認められる経費
対象とならない経費(注意点)
パソコンやプリンターなどの汎用的なハードウェア購入費や、システムの保守費用、通信費などは原則として対象外となります。対象経費の詳細は、システムベンダーや県の担当窓口にご確認ください。
申請方法と手続きの流れ【5ステップ】
申請は電子申請で行います。手続きは実績報告を兼ねた精算払い方式のため、システム導入と支払いが完了した後の申請となります。全体の流れを5つのステップで確認しましょう。
ステップ1:国の補助金へ申請・交付決定
まず、大前提として社会保険診療報酬支払基金の「電子処方箋管理サービス関係補助金」に申請し、交付決定通知書を受け取ります。この通知書がなければ大分県の補助金には申請できません。
ステップ2:電子処方箋システムの導入・支払い
システムベンダーと契約し、電子処方箋システムの導入または改修を完了させます。その後、ベンダーへ費用の支払いを済ませ、領収証を受け取ります。
ステップ3:必要書類の準備
電子申請に必要な書類を準備します。主な書類は以下の通りです。
- 大分県電子処方箋導入推進事業費補助金交付申請書兼補助事業実績報告書兼補助金交付請求書(第1号様式)
- 誓約書(第1号様式(その2))
- 社会保険診療報酬支払基金からの補助金交付決定通知書の写し
- 総事業費を証する書類の写し(領収証及び領収証内訳書の写し)
- 振込先口座が確認できる書類の写し(通帳のコピーなど)
ステップ4:大分県へ電子申請
大分県の公式サイトにある「電子申請ログイン画面」から申請手続きを行います。準備した書類をアップロードし、必要事項を入力して申請を完了させます。1回の申請で10施設まで一括申請が可能です。
ステップ5:交付決定・補助金の受領
申請内容が審査され、不備がなければ「交付決定兼確定通知書」が届きます。その後、指定した口座に補助金が振り込まれます。
確実に受給するための3つのポイント
この補助金は要件を満たせば受給できる可能性が高い制度ですが、申請時のミスで減額されたり、手続きが遅れたりするケースもあります。以下の3つのポイントを押さえて、スムーズな受給を目指しましょう。
ポイント1:申請書の「総事業費」の記載ミスに注意!
公式サイトでも注意喚起されている最も多い間違いです。申請書の「総事業費」の欄に、国の交付決定通知書に記載された「補助額」を誤って記入してしまうケースが多発しています。
正しくは、システムベンダーに支払った費用の総額(領収証の額)を記入してください。ここに補助額を記入すると、本来もらえるはずの補助金額が大幅に減ってしまうため、絶対に間違えないようにしましょう。
ポイント2:大前提!まずは国の補助金交付決定を
繰り返しになりますが、この補助金は国の補助金交付決定が絶対条件です。まだ国の補助金を申請していない場合は、まずそちらの手続きから進めてください。国の補助金に関する情報は、下記の「医療機関等向け総合ポータルサイト」で確認できます。
ポイント3:予算上限あり!早めの申請が鍵
申請期間は令和8年1月30日までと比較的長いですが、県の予算額に達した時点で受付は終了となります。特に年度末に申請が集中する可能性があります。電子処方箋の導入を決めているのであれば、国の交付決定を受け次第、速やかに大分県への申請手続きを進めることを強くお勧めします。
よくある質問(FAQ)
Q1: 申請区分の「初期導入」「新機能導入」「同時導入」はどう判断すればよいですか?
A1: ご自身の申請区分は、社会保険診療報酬支払基金から送付された国の補助金の交付決定通知書の題名(件名)に記載されています。通知書をご確認の上、該当する区分を選択してください。
Q2: 申請書の「総事業費」には、消費税込みの金額を記入すればよいですか?
A2: はい、システムベンダーから発行された領収証に記載されている消費税込みの総額を記入してください。
Q3: 国の補助金と大分県の補助金は、別々に申請が必要ですか?
A3: はい、それぞれ別々の手続きが必要です。まず国の補助金(支払基金)に申請して交付決定を受け、その後に大分県へ申請するという流れになります。
Q4: 個人経営の小さなクリニックでも対象になりますか?
A4: はい、対象になります。大分県内の保険医療機関であれば、法人・個人を問わず対象となります。診療所向けの補助上限額が設定されていますので、ぜひご活用ください。
Q5: 複数の薬局を経営していますが、まとめて申請できますか?
A5: はい、可能です。電子申請システムでは、1回の申請で最大10施設まで一括して申請することができます。10施設を超える場合は、複数回に分けて申請してください。
まとめ:医療DXの第一歩を大分県の補助金で!
今回は、「令和7年度大分県電子処方箋導入推進事業費補助金」について詳しく解説しました。国の補助金に上乗せされる形で手厚い支援が受けられる、大分県内の医療機関・薬局にとって非常に価値のある制度です。
重要ポイントの再確認
- 国の補助金交付決定がスタートライン。
- 申請書の「総事業費」は領収証の額を記入する。
- 予算には限りがあるため、早めの行動を。
電子処方箋の導入は、業務効率化や患者サービスの向上、そして地域医療連携の強化に繋がる重要な一歩です。この機会にぜひ本補助金を活用し、医療DXを推進してみてはいかがでしょうか。
お問い合わせ先
ご不明な点があれば、下記までお問い合わせください。
大分県 福祉保健部 薬務室
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