詳細情報
福岡県大牟田市で店舗や事業所を運営されている事業者様へ朗報です。2024年4月から障害者差別解消法が改正され、事業者による障害のある方への「合理的配慮の提供」が義務化されました。「お客様のためにバリアフリー化を進めたいけれど、費用が…」とお悩みではありませんか?大牟田市では、そんな事業者の皆様を力強くサポートするため、「合理的配慮提供支援助成金」を実施しています。この制度を活用すれば、スロープの設置やトイレの改修、コミュニケーションツールの作成などにかかる費用の一部、最大20万円の助成を受けることが可能です。この記事では、対象者や対象経費、申請方法から採択のポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。誰もが利用しやすいお店づくりを実現するための第一歩を、この助成金と共に踏み出しましょう。
この助成金の重要ポイント
- 対象者:大牟田市内の事業者(個人事業主もOK)
- 助成額:最大20万円(経費により上限・助成率が異なる)
- 対象経費:店舗改修、備品購入、コミュニケーションツール作成など
- 注意点:必ず購入・工事着工前に申請が必要!
- 受付期間:令和7年5月19日(月)から(先着順・予算に達し次第終了)
大牟田市「合理的配慮提供支援助成金」とは?
助成金の目的と背景
この助成金は、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」に基づき、大牟田市が推進する施策の一つです。2024年4月1日の法改正により、これまで努力義務だった民間事業者による「合理的配慮の提供」が法的義務となりました。
「合理的配慮」とは、障害のある方から社会的なバリアを取り除くために何らかの対応を求められた際に、事業者が過重な負担にならない範囲で対応することです。例えば、「車椅子で入店したいので、スロープを設置してほしい」「メニューが読みにくいので、読み上げてほしい」といった要望に応えることが挙げられます。
大牟田市では、事業者の皆様がこうした配慮を提供しやすくなるよう、環境整備にかかる費用の一部を助成することで、障害のある人もない人も共に生活しやすい社会の実現を目指しています。
制度の概要
- 正式名称:大牟田市合理的配慮提供支援助成金
- 実施主体:福岡県大牟田市
- 募集開始:令和7年5月19日(月)から
- 受付方法:先着順(予算の上限に達した場合、募集を終了)
- 公式サイト:大牟田市公式ウェブサイト
助成金額・補助率をチェック!最大20万円を支援
本助成金は、経費の種類によって助成率と上限額が異なります。自社の取り組みがどれに該当するかしっかり確認しましょう。
3つの経費区分と助成内容
| 対象経費 | 概要 | 助成率 | 助成限度額 |
|---|---|---|---|
| コミュニケーションツール作成費 | 点字メニュー、コミュニケーションボード 等 | 10/10以内 | 50,000円 |
| 物品購入費 | 折りたたみスロープ、筆談ボード、音声拡張器、簡易洋式トイレ 等 | 9/10以内 | 100,000円 |
| 工事施工費 | 手すりの設置、段差の解消、トイレの洋式化、ドアの改修 等 | 9/10以内 | 200,000円 |
具体的な計算例
- 例1:12万円(税抜)の折りたたみスロープを購入する場合
対象経費120,000円 × 助成率9/10 = 108,000円
助成限度額(100,000円)を超えるため、助成額は100,000円となります。 - 例2:25万円(税抜)のトイレ洋式化工事を行う場合
対象経費250,000円 × 助成率9/10 = 225,000円
助成限度額(200,000円)を超えるため、助成額は200,000円となります。 - 例3:4万円(税抜)の点字メニューを作成する場合
対象経費40,000円 × 助成率10/10 = 40,000円
助成限度額(50,000円)以内のため、助成額は40,000円となります。
あなたは対象?助成対象者と条件を詳しく解説
対象となる事業者
この助成金を利用するには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 大牟田市内において、飲食、物販、医療など不特定多数の市民が利用できる店舗等を運営する事業者であること。
- 市税等を滞納していないこと。
- 暴力団ではないこと。
法人だけでなく、個人事業主やNPO法人、ボランティア団体も対象に含まれます。
対象事業者の具体例
- 飲食店:レストラン、カフェ、居酒屋、ラーメン店など
- 小売店:スーパーマーケット、コンビニエンスストア、書店、衣料品店など
- サービス業:美容室、理容室、クリーニング店、学習塾など
- 医療・福祉施設:クリニック、歯科医院、薬局、整骨院など
- 宿泊施設:ホテル、旅館など
対象外となる事業者
バー・キャバレー等の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に基づく許可・届出の対象となる営業の業種は、この助成金の対象外となります。
何に使える?補助対象となる経費の詳細
助成対象となる経費は、合理的配慮の提供に直接つながるものに限られます。具体的にどのようなものが対象になるか見ていきましょう。
① コミュニケーションツール作成費
- 視覚障害のある方向けの点字メニューや触知図の作成
- 聴覚障害や知的障害のある方との意思疎通を助けるコミュニケーションボード(絵や文字を指し示すボード)の作成
- 弱視の方向けの拡大文字メニューの作成
② 物品購入費
- 段差解消のための折りたたみスロープ
- 筆談によるコミュニケーションのための筆談ボード(電子メモパッド等も含む)
- 小さな音を聞き取りやすくする音声拡張器
- 和式トイレを洋式化する簡易洋式トイレ(かぶせるタイプ)
- 車椅子利用者が使いやすい受付用ローカウンターや高さ可動式テーブル
③ 工事施工費
- 廊下やトイレ、階段への手すりの設置
- 店舗入口や室内の段差の解消(固定スロープの設置、床のかさ上げなど)
- 視覚障害のある方を誘導する点字ブロック等の敷設
- 和式トイレから洋式トイレへのトイレの洋式化工事
- 車椅子でも通りやすい引き戸へのドアの改修・取替え
- 車椅子利用者が使いやすい洗面所・手洗い場等の改修
【注意】対象外となる経費
汎用性の高いパソコンやタブレット、土地の取得費、人件費、消費税などは対象外です。また、最も重要な点として、市の交付決定前に購入・契約・着工したものは一切対象になりませんのでご注意ください。
申請から交付までの7ステップ【完全ガイド】
申請手続きは複雑に感じるかもしれませんが、一つ一つのステップを確実に進めれば大丈夫です。全体の流れを把握しておきましょう。
ステップ1:助成金交付申請(事業者→市)
これが最初の、そして最も重要なステップです。必ず物品購入や工事着工前に申請してください。申請に必要な書類は以下の通りです。大牟田市の公式サイトから様式をダウンロードできます。
- 助成金交付申請書
- 誓約書兼役員等名簿及び照会承諾書
- 市税の滞納のない証明書(写し可、3か月以内に発行されたもの)
- 【経費別】物品内訳書 or 工事計画書
- 【経費別】見積書の写し
- 【経費別】カタログ、仕様書、工事図面、施工前の写真など内容がわかるもの
ステップ2:助成金交付決定(市→事業者)
市が申請内容を審査し、交付が決定されると「交付決定通知書」が送付されます。申請から決定まで2~3週間程度かかります。
ステップ3:対象備品等の購入、対象工事の実施(事業者)
交付決定通知書を受け取った後に、見積もり通りの物品購入や工事の発注・施工を行ってください。
ステップ4:助成対象事業の実績報告(事業者→市)
事業が完了したら、完了後30日以内または令和8年3月31日のいずれか早い日までに実績報告書と関連書類(領収書の写し、施工後の写真など)を提出します。
ステップ5:助成金の確定通知(市→事業者)
市が実績報告を審査し、助成金額を最終的に確定させ、通知します。
ステップ6:助成金の支払い請求(事業者→市)
確定通知に基づき、「助成金請求書」を市に提出します。
ステップ7:助成金交付(市→事業者)
請求書に基づき、指定した金融機関の口座に助成金が振り込まれます。
採択率を上げるための3つのポイント
この助成金は先着順のため、確実な採択を目指すには事前の準備が鍵となります。
ポイント1:申請要件と期限を厳守する
最も多い不採択理由は、交付決定前の事前着手です。絶対にフライングしないようにしましょう。また、市税の滞納がないか事前に確認することも重要です。募集開始後、速やかに申請できるよう、募集要項の公開と同時に準備を始めることをお勧めします。
ポイント2:書類の不備をなくす
申請書類に不備があると、審査が遅れたり、最悪の場合、受付期間に間に合わなくなる可能性があります。募集要項を熟読し、必要な書類をチェックリストで確認しながら揃えましょう。見積書や計画書は、誰が見ても内容が明確にわかるように具体的に記載することが大切です。不明な点は、自己判断せず必ず市の担当窓口に問い合わせましょう。
ポイント3:助成金の目的との整合性を示す
申請する備品や工事が、なぜ「障害のある人への合理的配慮の提供」に必要なのかを明確にしましょう。例えば、「店舗入口に3cmの段差があり、車椅子利用者の入店が困難なため、スロープを設置したい」というように、現状の課題と解決策を具体的に示すことが審査のポイントになります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 個人事業主でも申請できますか?
A1. はい、対象となります。大牟田市内で不特定多数の方が利用する店舗等を運営していれば、法人・個人事業主を問わず申請可能です。
Q2. 申請前にスロープを購入してしまいました。対象になりますか?
A2. いいえ、対象になりません。この助成金は、市の交付決定通知を受けた後に購入・契約・着工したものが対象です。事前着手したものは助成を受けられませんので、くれぐれもご注意ください。
Q3. スロープの購入とトイレの改修を同時に申請できますか?
A3. はい、可能です。物品購入費と工事施工費など、複数の経費区分をまとめて一度に申請することができます。ただし、それぞれの経費区分で上限額が定められている点にご注意ください。
Q4. 予算が上限に達したかどうかは、どこで確認できますか?
A4. 予算の上限に達した場合、大牟田市の公式ウェブサイトで告知される可能性が高いです。申請を検討している場合は、定期的にサイトを確認するか、事前に担当窓口へ問い合わせることをお勧めします。
Q5. 市税の滞納のない証明書はどこで取得できますか?
A5. 大牟田市役所2階の税務課窓口で取得することができます。申請には発行から3か月以内のものが必要ですので、計画的に準備してください。
まとめ:誰もが利用しやすいお店づくりへ
今回は、大牟田市の「合理的配慮提供支援助成金」について詳しく解説しました。
- 目的:事業者の合理的配慮の提供を支援し、共生社会を実現する。
- 対象:大牟田市内の事業者(個人事業主含む)。
- 金額:最大20万円(工事施工費の場合)。
- 注意点:事前着手は絶対NG!先着順のため早めの準備を。
この助成金を活用することは、単なる経費削減以上の意味を持ちます。障害のある方や高齢者、ベビーカーを利用する方など、より多くのお客様が安心して利用できる環境を整えることで、顧客満足度の向上や新たな顧客層の獲得にも繋がります。ぜひこの機会に、誰もが快適に過ごせるお店づくりを検討してみてはいかがでしょうか。
提出先及び問合せ先
大牟田市役所 福祉課障害福祉担当
〒836-8666 大牟田市有明町2丁目3番地
TEL:0944-41-2663
FAX:0944-41-2664
Eメール:e-fs-shougai01@city.omuta.fukuoka.jp
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