大阪府内のホテルや旅館、簡易宿所の事業者様へ朗報です。誰もが安全で快適に利用できる施設を目指すための「大阪府宿泊施設バリアフリー改修等事業費補助制度」が創設されました。この制度を活用すれば、バリアフリー改修工事や関連備品の購入費用について、最大3,900万円、補助率2/3の支援を受けられます。この記事では、制度の概要から申請方法まで、専門家が分かりやすく解説します。

補助金制度の早わかりサマリー

1. 補助金の概要と目的

この補助金は、大阪府の宿泊税を活用し、高齢者や障がいのある方、子育て世帯など、誰もが安全で快適に宿泊できる環境整備を促進することを目的としています。府内の既存宿泊施設が行うバリアフリー改修工事や関連する設計、備品購入の費用の一部を支援します。

2. 補助対象の条件

対象となる事業者・施設

以下の条件をすべて満たす施設が対象です。

• 大阪府内に所在する既存の宿泊施設であること。
• 建築基準法上の用途が「ホテル」または「旅館」であること。
• 旅館業法第3条第1項の許可を受け、ホテル・旅館営業または簡易宿所営業を行っていること。

対象外となる施設

以下の施設は補助の対象外となりますのでご注意ください。

• 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定される「店舗型性風俗特殊営業」を行っている施設。
• バリアフリー法および大阪府福祉のまちづくり条例の現行基準を既に満たしている施設。

3. 補助対象となる事業

補助の対象となる事業は、大きく分けて以下の3つです。

1. バリアフリー改修工事

施設内の様々な場所のバリアフリー化工事が対象です。

• 廊下、階段、傾斜路（スロープ）
• 便所（多機能トイレ等）、浴室
• 客室、出入口、敷地内の通路、駐車場
• エレベーター、エスカレーター、その他の昇降機
• 案内設備、標識
• 子育て支援設備（授乳室、おむつ交換台など）

2. バリアフリー改修工事に係る設計

上記の改修工事を行うための設計費用も対象となります。

3. バリアフリー化に資する備品の購入

工事を伴わない備品の購入も対象です。（例：段差解消機、移動用リフト、多言語翻訳機、コミュニケーション支援ボードなど）

4. 補助率と補助限度額

補助率は対象経費の3分の2以内で、事業内容に応じて以下の通り上限額が定められています。

5. 申請期間とスケジュール

申請受付期間： 令和7年8月22日（金曜日）から 令和8年1月30日（金曜日）まで

6. 申請方法と手続きの流れ

申請方法

以下のいずれかの方法で申請が可能です。

1. 窓口提出：大阪府咲洲庁舎27階の担当窓口へ直接持参。
2. 郵送提出：担当部署宛に郵送。返信用のレターパックの同封が必要です。
3. オンライン申請：大阪府行政オンラインシステムを利用。

手続きのステップ

申請から補助金受領までの大まかな流れは以下の通りです。

1. 1事業計画の策定、見積取得、申請書類の準備
2. 2交付申請書を提出（事業着手の14日前まで）
3. 3大阪府による審査・交付決定通知
4. 4事業の着手・完了
5. 5実績報告書を提出（事業完了から30日以内）
6. 6補助金額の確定・請求・補助金の受領

7. 公式資料・問い合わせ先

申請にあたっては、必ず公式の交付要綱や手引きをご確認ください。申請様式も公式サイトからダウンロードできます。