鹿児島県志布志市で農業を営む皆様へ朗報です。「日々の経営管理を効率化したい」「丹精込めて育てた作物の販路をもっと広げたい」「地域の遊休農地を活用して事業を拡大したい」といった課題やお考えはありませんか?志布志市では、このような意欲ある農業者を力強く支援するため、「畑かんに関する補助事業」を実施しています。この制度は、簿記ソフトの導入、展示会への出展、遊休農地の整備など、農業経営の様々な側面をサポートする3つのメニューから構成されており、最大10万円の補助が受けられます。本記事では、志布志市の「畑かんに関する補助事業」について、対象者、補助金額、申請方法から採択のポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく徹底解説します。この機会を最大限に活用し、あなたの農業経営を次のステージへと進めましょう。

志布志市「畑かんに関する補助事業」とは?3つの支援メニューを解説

この補助事業は、志布志市内の農業者が「畑かん」を有効活用し、持続可能で安定した農業経営を実現することを目的としています。「畑かん」とは、畑地かんがいの略で、畑に水を供給するための農業用水利施設のことです。天候に左右されずに作物を安定的に栽培し、収量や品質の向上を図るために不可欠なインフラであり、国(農林水産省)もその整備を推進しています。本事業は、この畑かん利用を前提条件として、農業者が直面する具体的な課題解決を支援する3つの事業で構成されています。

3つの支援事業の概要

本補助金は、以下の3つの事業から成り立っており、ご自身の課題に合わせて選択・申請することが可能です。

事業名 目的 上限金額
簿記ソフト購入費用事業 簿記知識の習得と経営管理の効率化・安定化 3万円
農産物流通促進事業 畑かん作物の販路拡大と農業経営の向上 10万円
遊休農地対策助成事業 遊休農地の解消と利用拡大 10万円

【メニュー別】補助金の詳細ガイド

ここでは、3つの事業それぞれの詳細な内容(補助金額、補助率、対象経費など)を解説します。

① 簿記ソフト購入費用事業

日々の取引記録や確定申告など、煩雑になりがちな経理作業を効率化し、経営状況を正確に把握するための支援です。

  • 補助金額: 上限3万円
  • 補助率: 簿記ソフト購入費用の3分の1以内
  • 計算例: 6万円の簿記ソフトを購入した場合、6万円 × 1/3 = 2万円が補助されます。
  • 対象経費: 農業経営に使用する簿記ソフトの購入費用
  • 注意点: 補助額が1,000円未満の場合は対象外となります。

② 農産物流通促進事業

畑かんを利用して生産した自慢の農産物を、より多くの人に知ってもらい、新たな販路を開拓するための活動を支援します。

  • 補助金額: 年間上限10万円
  • 補助率: 対象経費の合計額の2分の1以内
  • 利用回数: 各年度1回まで、通算3回まで
  • 対象経費: 展示会や商談会への参加に関する以下の経費が対象です。
    • ア 旅費
    • イ 需用費(消耗品費、印刷製本費)
    • ウ 役務費(通信運搬費、通訳手数料)
    • エ 委託料(販売補助員に係る委託料)
    • オ 使用料及び賃借料(会場借上げ料、備品借上げ料)

③ 遊休農地対策助成事業

耕作放棄され、荒れてしまった遊休農地を再生・整備し、再び価値ある農地として活用するための取り組みを支援します。

  • 補助金額: 年間上限10万円
  • 補助内容(2パターン):
    • 業者委託の場合: 対象経費の合計額の2分の1以内
    • 本人整備の場合: 10aあたり2万円
  • 対象経費: 草刈り、除礫、抜根、耕起・整備に係る経費など。
  • 注意点: 国や県の他の補助事業を受ける農地は対象外です。また、農業生産目的で植えられた樹木の抜根は対象外となる場合があります。

申請資格は?対象者と主要な要件をチェック

この補助金を利用するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。特に重要な共通要件をしっかり確認しましょう。

全事業共通の必須要件

以下の2つの条件は、3つの事業すべてに共通する大前提となります。

  1. 志布志市内に住所を有していること(個人農家、または法人の所在地)
  2. 畑かんを開栓し、利用していること

事業ごとの追加要件

特に「遊休農地対策助成事業」には、対象となる農地に関する追加の要件があります。

  • 市内の遊休農地を整備し、畑かんを開栓して耕作すること。
  • 対象の遊休農地は、以下のいずれかに該当する必要があります。
    • 農地中間管理機構と契約し、貸すまたは借りる農地
    • 購入によって新たに取得する農地

申請から受給までの6ステップ|手続きの流れと必要書類

補助金の申請は、正しい手順を踏むことが非常に重要です。ここでは、一般的な流れを6つのステップに分けて解説します。

ステップ1:事前相談

まずは、志布志市役所の担当課(農政畜産課)に連絡し、ご自身の計画が補助金の対象になるか、どのような書類が必要かなどを相談しましょう。早めの相談がスムーズな申請の鍵です。

ステップ2:申請書類の準備

市の公式サイトから申請様式をダウンロードするか、窓口で入手し、必要事項を記入します。一般的に、以下の書類が必要となりますので、計画的に準備を進めましょう。

  • 補助金交付申請書
  • 事業計画書
  • 収支予算書
  • 見積書の写し(購入するソフトや委託する業者など)
  • 市税の納税証明書
  • 畑かんを開栓していることがわかる書類(開栓通知書など)
  • 【遊休農地対策の場合】農地の状況がわかる写真や図面、契約書の写しなど

ステップ3:申請書の提出

準備した書類一式を、農政畜産課の窓口に提出します。申請期間が定められている場合がありますので、必ず事前に確認してください。一部情報サイトでは2025年9月30日が締切とされていますが、市の公式サイトには明記されていません。通年で受け付けている可能性もありますが、予算がなくなり次第終了となることが多いため、早めの申請をおすすめします。

ステップ4:審査・交付決定

提出された書類をもとに市が審査を行います。審査が通ると、「交付決定通知書」が送付されます。

【最重要ポイント】補助金の対象となる経費の支払い(ソフトの購入、業者への発注など)は、必ずこの「交付決定通知書」を受け取った後に行ってください。決定前に支払った経費は補助対象外となります。

ステップ5:事業実施と実績報告

事業計画に沿って、簿記ソフトの購入や展示会への出展、農地整備などを実施します。事業が完了したら、速やかに「実績報告書」を作成し、領収書や写真などの証拠書類を添えて市に提出します。

ステップ6:補助金の交付

実績報告書の内容が審査され、補助金額が確定すると、「額の確定通知」が届きます。その後、指定した口座に補助金が振り込まれて、手続きは完了です。

採択率を上げるには?審査のポイントと申請書作成のコツ

この補助金は要件を満たせば比較的採択されやすいと考えられますが、より確実に採択されるためには、申請書の内容が重要です。審査で重視されるポイントを理解し、計画をしっかりと伝えましょう。

審査で重視される3つのポイント

  • 1. 事業計画の具体性と実現可能性: 「何のために、何をして、どのような効果を目指すのか」が具体的に示されているか。
  • 2. 畑かん利用との明確な関連性: 畑かんを利用して生産した作物の販路拡大など、事業と畑かんの結びつきが明確か。
  • 3. 志布志市の農業振興への貢献度: 自身の経営改善だけでなく、地域の遊休農地解消など、市全体の農業にどう貢献するかが示されているか。

よくある不採択理由

うっかりミスでチャンスを逃さないよう、以下の点には特に注意しましょう。

  • 対象要件を満たしていない(例:畑かんを開栓していない)。
  • 申請書類に不備がある(記入漏れ、添付書類の不足)。
  • 交付決定前に事業に着手してしまっている(購入・契約済み)。

よくある質問(FAQ)

Q1. 申請はいつまでですか?

A1. 志布志市の公式サイトには明確な締切日は記載されていません。しかし、予算には限りがあるため、年度の早い時期に申請することをおすすめします。申請を検討している場合は、まず担当課に現在の受付状況を確認してください。

Q2. 3つの事業のうち、複数に申請することは可能ですか?

A2. 制度上、可否が明記されていません。例えば、「簿記ソフトを購入し、かつ遊休農地も整備したい」といったケースが考えられます。このような場合は、必ず事前に市の担当課に相談し、同時申請が可能かどうかを確認してください。

Q3. 申請前に購入した簿記ソフトは対象になりますか?

A3. いいえ、対象になりません。補助金の原則として、必ず市の「交付決定」を受けた後に購入・契約したものが対象となります。これを「事業着手」と呼びます。フライングしないように十分ご注意ください。

Q4. 「農地中間管理機構」とは何ですか?

A4. 農地中間管理機構(農地バンク)は、農地を貸したい農家から農地を借り受け、まとまった形で借りたい担い手農家へ貸し付ける公的機関です。遊休農地の発生防止や、農地の集約化を進める役割を担っています。

Q5. 遊休農地対策で「本人整備」の場合、経費はどのように証明すればよいですか?

A5. 本人整備の場合は「10aあたり2万円」という定額助成のため、業者に支払った領収書は不要です。ただし、作業前後の写真や作業日誌など、実際に整備を行ったことを証明する書類の提出を求められるのが一般的です。必要な書類については、事前に担当課にご確認ください。

まとめ|志布志市の補助金を活用して農業経営をステップアップ!

今回は、鹿児島県志布志市が実施する「畑かんに関する補助事業」について詳しく解説しました。最後に、重要なポイントを再確認しましょう。

  • 対象者: 志布志市在住で畑かんを利用している農家(個人・法人)。
  • 支援内容: 「簿記ソフト購入」「農産物流通促進」「遊休農地対策」の3つのメニュー。
  • 補助額: 最大10万円(事業により上限額は異なる)。
  • 重要事項: 必ず交付決定後に事業に着手すること。
  • 最初の一歩: まずは市の担当課へ電話で事前相談を!

この補助金は、志布志市で頑張る農業者の皆様にとって、経営基盤の強化や事業拡大の大きなチャンスとなります。ぜひ本記事を参考に、補助金の活用を検討してみてください。

お問い合わせ先

農政畜産課 作物グループ
〒899-7492 鹿児島県志布志市有明町野井倉1756番地
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