詳細情報
はじめに:電力価格高騰に直面する新潟県の中小企業様へ
近年、世界的なエネルギー価格の上昇に伴い、電気料金の高騰が続いています。特に、大規模な工場や商業施設などで「特別高圧電力」を利用されている中小企業の皆様にとっては、経営を圧迫する深刻な問題となっているのではないでしょうか。新潟県では、このような厳しい状況下で事業継続に奮闘されている県内中小企業の負担を軽減し、経営の安定化を支援するため、「新潟県特別高圧電力利用者等支援事業補助金」を実施します。この制度は、令和7年7月から9月までの電気使用量に応じて、1kWhあたり最大1.2円を補助するものです。この記事では、補助金の対象者、金額、申請方法から採択されるためのポイントまで、専門家が徹底的に解説します。貴社の経営改善に繋がる重要な情報ですので、ぜひ最後までご覧ください。
この補助金のポイント
✓ 新潟県内で特別高圧電力を利用する中小企業が対象
✓ 令和7年7月~9月分の電気使用量に応じて支援
✓ 1kWhあたり最大1.2円を補助(上限額なし)
✓ 工業団地や商業施設のテナント事業者も対象になる可能性あり
✓ 申請期間は令和7年10月14日~11月14日の1ヶ月間!
① 補助金の概要
まずは、本補助金の基本的な情報について確認しましょう。
| 正式名称 | 新潟県特別高圧電力利用者等支援事業補助金 |
| 実施組織 | 新潟県(担当:産業労働部 創業・イノベーション推進課) |
| 目的・背景 | 電力価格の高騰により経営に大きな影響を受けている、特別高圧電力を利用する県内中小企業の負担軽減を図り、事業継続を支援することを目的としています。 |
| 対象期間 | 令和7年7月~9月使用分の特別高圧電力 |
| 申請受付期間 | 令和7年10月14日(火) ~ 令和7年11月14日(金) |
② 補助金額・単価
補助金額は、対象期間中の特別高圧電力使用量に、月ごとに設定された単価を乗じて算出されます。この補助金には上限額が設けられていないのが大きな特徴です。ただし、県の予算額を超える申請があった場合は、単価が調整され、補助金額が減額される可能性がある点にご注意ください。
補助単価
| 対象月 | 補助単価(上限) |
|---|---|
| 令和7年7月 | 1.0円 / kWh |
| 令和7年8月 | 1.2円 / kWh |
| 令和7年9月 | 1.0円 / kWh |
計算例
仮に、ある工場の電力使用量が以下の通りだった場合の補助金額を計算してみましょう。
- 7月の使用量: 100,000 kWh
- 8月の使用量: 120,000 kWh
- 9月の使用量: 110,000 kWh
7月分: 100,000 kWh × 1.0円/kWh = 100,000円
8月分: 120,000 kWh × 1.2円/kWh = 144,000円
9月分: 110,000 kWh × 1.0円/kWh = 110,000円
合計補助金額: 354,000円
※合計金額に1円未満の端数が生じる場合は切り捨てとなります。
③ 対象者・条件
本補助金の対象となるには、以下の要件をすべて満たす必要があります。自社が該当するか、慎重にご確認ください。
必須要件
- 要件1:新潟県内で事業を行う中小企業であること
新潟県内に店舗、工場、事業所などを有している必要があります。中小企業の定義は中小企業基本法に準じます。 - 要件2:特別高圧契約で電力を利用し、料金を負担していること
小売電気事業者と直接契約している場合はもちろん、工業団地や商業施設に入居しているテナント事業者等で、施設管理者等を通じて電気料金を負担している場合も対象となります。ただし、自身の使用電力量(kWh)が明確に区分・計量されていることが条件です。 - 要件3:事業継続の意思があること
本補助金を「経営改善」「人材投資」「設備投資」などに活用し、補助金受領後も事業を継続する意思があることが求められます。これは所定の様式を提出することで確認されます。
対象外となる事業者
上記の必須要件を満たしていても、以下のいずれかに該当する場合は対象外となります。
- みなし大企業:資本金や役員構成などから実質的に大企業の支配下にあると判断される中小企業。具体的な定義は交付要綱で確認が必要です。(例:発行済株式の1/2以上を単一の大企業が所有している場合など)
- 国、県、市町村その他これらに準ずるもの
- 新潟県が出資している法人
- 反社会的勢力に属する、または関連する者
④ 申請方法・手順
申請は、開設される特設サイトからのオンライン申請が基本となります。申請期間が約1ヶ月と限られているため、事前に流れを把握し、必要書類を準備しておくことが重要です。
申請受付期間:令和7年10月14日(火) ~ 令和7年11月14日(金)
※期間を過ぎると一切受け付けられませんので、期限厳守でお願いします。
申請ステップ
- STEP 1: 必要書類の準備
申請期間が始まってから慌てないよう、事前に下記の「必要書類リスト」を参考に準備を進めましょう。特に納税証明書などは発行に時間がかかる場合があります。 - STEP 2: 特設サイトで申請者情報を登録
申請期間になると、新潟県の公式サイト等で特設サイトのURLが公開されます。サイトの案内に従い、事業者情報などを入力します。 - STEP 3: 申請書類のアップロード
準備した必要書類のデータを、特設サイトのフォームからアップロードします。スキャンデータや写真データ(PDF、JPG等)での提出が一般的です。 - STEP 4: 申請内容の確認・送信
入力内容やアップロードした書類に間違いがないか最終確認し、申請を完了させます。 - STEP 5: 審査・交付決定
申請期間終了後、事務局にて審査が行われます。審査の結果、補助金の交付が決定されると、通知があります。 - STEP 6: 補助金の交付
交付決定後、指定した口座に補助金が振り込まれます。
必要書類リスト(想定)
過去の同様の事業を参考に、一般的に必要となる書類をリストアップしました。正式なリストは必ず特設サイトや公募要領でご確認ください。
- 補助金交付申請書(特設サイトで作成)
- 誓約書兼同意書(所定様式)
- 対象期間(令和7年7月~9月)の電力使用量がわかる書類の写し(検針票、電気料金請求書など)
- 履歴事項全部証明書(法人の場合、発行後3ヶ月以内のもの)
- 直近の確定申告書(別表一)の写し(個人事業主の場合)
- 県税の納税証明書(未納がないことの証明)
- 出資関係図など、みなし大企業でないことを証明する書類(該当する場合)
- 振込先口座の通帳の写し(表紙と見開き1ページ目)
⑤ 採択のポイント・注意点
この補助金は、事業計画の優劣を競うものではなく、要件を満たしていれば原則として交付されるタイプの支援策です。したがって、採択されるための最も重要なポイントは「不備なく、期限内に申請を完了させること」に尽きます。以下の点に注意して、確実な受給を目指しましょう。
- 対象者要件の再確認:特に「中小企業の定義」や「みなし大企業」の要件は複雑です。自社が本当に対象となるか、交付要綱を熟読して確認してください。
- 書類の準備は早めに:納税証明書など、取得に時間がかかる書類は申請期間開始を待たずに準備を始めましょう。
- 入力ミス・添付漏れに注意:オンライン申請は手軽ですが、入力ミスや書類の添付漏れが不採択の主な原因となります。送信前に何度も見直しを行ってください。
- 検針日の取り扱い:検針日が月初や月末でない場合、「当該期間(7月~9月)を最も多く含む3か月分の値」が対象となります。自社の検針サイクルを確認し、正しい期間の電力使用量を申告してください。
- 申請は1法人1回:県内に複数の事業所がある場合でも、申請は法人として1つにまとめて行う必要があります。各事業所の使用電力量を合算して申請してください。
⑥ よくある質問(FAQ)
Q1. 高圧電力や低圧電力の契約は対象になりますか?
A1. いいえ、対象外です。本補助金は、契約電力が原則として2,000kW以上の「特別高圧電力」の契約者のみを対象としています。高圧電力や低圧電力(業務用電力、従量電灯など)は対象となりませんのでご注意ください。
Q2. ショッピングモールに入居しているテナントです。申請できますか?
A2. 申請できる可能性があります。小売電気事業者と直接契約していなくても、施設管理者から自店舗の電力使用量に応じた電気料金を請求されている場合、対象となることがあります。ただし、自店舗の電力使用量(kWh)が子メーター等で明確に証明できることが必須条件です。施設管理者に使用電力量がわかる書類を発行してもらえるか、事前にご確認ください。
Q3. 申請すれば必ず補助金はもらえますか?
A3. 対象者の要件をすべて満たし、提出書類に不備がなく、申請内容が適正であると認められれば、原則として交付されます。ただし、県の予算額を大幅に超える申請があった場合には、補助単価が引き下げられ、予定していた額よりも減額される可能性があります。
Q4. 新潟県外に本社がありますが、県内に工場があります。対象になりますか?
A4. はい、対象となります。本社の所在地に関わらず、新潟県内に補助対象となる事業所(工場、店舗など)があれば申請可能です。申請は本社が法人として取りまとめて行い、県内事業所の電力使用量のみを申告してください。
Q5. 問い合わせはどこにすればよいですか?
A5. 申請期間が近づくと、県から委託された事業者が運営する「事務局」が開設される予定です。具体的な申請手続きや書類に関する質問は、その事務局へお問い合わせください。制度の概要については、新潟県庁の担当課(産業労働部 創業・イノベーション推進課)でも確認できます。
⑦ まとめ:今すぐ準備を始めましょう
今回は、「新潟県特別高圧電力利用者等支援事業補助金」について詳しく解説しました。電気料金の高騰が続く中、この補助金は対象となる中小企業にとって非常に価値のある支援策です。
重要ポイントの再確認
– 対象者: 新潟県内の特別高圧電力を利用する中小企業
– 対象期間: 令和7年7月~9月の電力使用分
– 補助額: 1kWhあたり最大1.2円(上限なし)
– 申請期間: 令和7年10月14日(火) ~ 11月14日(金)
– 申請方法: 特設サイトからのオンライン申請
申請期間は1ヶ月しかありません。スムーズに申請を完了させるためには、今から自社が対象になるかを確認し、必要書類の準備を始めることが不可欠です。この記事を参考に、ぜひ補助金を活用して、厳しい経営環境を乗り越える一助としてください。最新情報は新潟県の公式サイトで随時更新されますので、定期的にチェックすることをお勧めします。