エネルギー価格の高騰や供給不安にお悩みの東京都内の中小企業経営者の皆様へ。自社で電気を創り、蓄える「エネルギー自給」の取り組みを支援する強力な助成金「中小企業の経営安定化に向けたエネルギー自給促進事業」が令和7年度(2025年度)も実施されます。本記事では、最大1,500万円が助成されるこの制度について、対象者、申請の流れ、スケジュールを分かりやすく徹底解説します。
中小企業の経営安定化に向けたエネルギー自給促進事業とは?
この事業は、原油価格高騰などの影響を受ける東京都内の中小企業が、太陽光発電設備や蓄電池を導入し、エネルギーを自給自足することで経営基盤を強化することを目的とした支援制度です。東京都が推進する「HTT(電力をⒽへらす・Ⓣつくる・Ⓣためる)」の取り組みの一環で、専門家による無料相談から設備導入の助成まで、手厚いサポートが受けられます。
3つの手厚い支援内容
本事業は、単なる助成金だけでなく、3段階の支援が用意されています。
- 1. HTT経営相談窓口:エネルギー自給に関するあらゆる相談に無料で応じます。何から始めれば良いか分からない場合に最適です。
- 2. 専門家派遣:専門家が無料で事業所を訪問し、現地調査や具体的な導入計画への助言を行います。(助成金申請の必須条件)
- 3. 助成金支援:専門家のアドバイスに基づき設備を導入する際の経費の一部を助成します。
助成金の詳細をチェック
助成金の具体的な内容について、対象者、助成額、対象経費を詳しく見ていきましょう。
助成対象者
以下の要件を満たす事業者が対象です。
- 法人:東京都内に登記簿上の本店または支店があり、都内で事業を営んでいる中小企業者
- 個人事業主:東京都内で開業届を提出または確定申告を行っており、都内で事業を営んでいる方
- ※本事業の「専門家派遣」の支援を受けた事業者に限ります。
助成額と助成率
助成額は最大1,500万円と非常に高額です。小規模企業者はさらに手厚い助成率が適用されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成限度額 | 1,500万円 |
| 申請下限額 | 100万円 |
| 助成率(通常) | 助成対象経費の 3分の2 以内 |
| 助成率(小規模企業者) | 助成対象経費の 4分の3 以内 |
| 助成対象期間 | 交付決定日の翌日から1年間 |
助成対象経費
専門家が必要と認めた、創電・蓄電に関する設備導入費用が対象です。
- (例)太陽光発電設備の導入費用
- (例)蓄電池設備の導入費用
【注意】以下の経費は対象外です
- 売電収入を主目的とした事業計画に係る経費
- 自動車の購入経費
- 居住部分に係る経費
申請の流れとスケジュール
申請は「専門家派遣」と「助成金申請」の2ステップで進みます。特に専門家派遣の申し込みが先になる点にご注意ください。
STEP1: 専門家派遣の申し込み【必須】
まずは専門家派遣に申し込み、事業所への訪問を受け、具体的なアドバイス(支援レポート)をもらう必要があります。費用は無料で、1社あたり最大2回まで利用可能です。
STEP2: 助成金の電子申請
専門家派遣が終了した事業者に、事務局からメールで申請フォームのURLが送付されます。申請は国の電子申請システム「Jグランツ」で行います。利用には「GビズIDプライム」アカウントが必須です。取得には2~3週間かかる場合があるため、早めに準備しましょう。
令和7年度の重要スケジュール
| 内容 | 期間・期限 |
|---|---|
| 専門家派遣 申請受付期間 | 令和7年4月15日(火)~ 令和7年8月29日(金) |
| 助成金 申請期限 | 令和7年11月28日(金)16時30分 |
| 交付決定 | 令和7年9月下旬以降(順次) |
※期間内であっても予算に達し次第、申込受付を終了する場合がありますので、早めの申請をおすすめします。
まとめ
「中小企業の経営安定化に向けたエネルギー自給促進事業」は、エネルギーコストの削減と経営の安定化を同時に実現できる、非常に魅力的な制度です。専門家の無料サポートを受けながら、最大1,500万円の助成金を活用して、持続可能な経営基盤を構築する絶好の機会と言えるでしょう。
まずは第一歩として、無料の「HTT経営相談窓口」に相談するか、助成金の前提となる「専門家派遣」に申し込むことから始めてみてはいかがでしょうか。
対象者・対象事業
東京都内に登記簿上の本店または支店があり、都内で事業を営む中小企業者。または、都内で開業届を提出し事業を営む個人事業主。
必要書類(詳細)
専門家派遣申込書、助成金申請書(Jグランツ経由)、履歴事項全部証明書、事業計画書、経費の見積書、直近の確定申告書、納税証明書など。詳細は募集要項をご確認ください。
対象経費(詳細)
専門家派遣において専門家が必要と認めた創電・蓄電の取組に資する設備導入等の経費。具体例:太陽光発電設備の導入費、蓄電池設備の導入費など。※売電収入を目的とした事業計画や自動車の購入経費は対象外。