詳細情報
東京都内の学校関係者の皆様へ朗報です。福島県への修学旅行や部活動の合宿にかかるバス経費を大幅に削減できる補助金があるのをご存知でしょうか?東京都と東京観光財団が実施する「被災地応援ツアー・福島県教育旅行復興支援事業」は、福島県の復興を応援しながら、子どもたちの貴重な体験学習を経済的にサポートする素晴らしい制度です。この制度を活用すれば、バス1台あたり最大7万円の補助を受けることが可能です。この記事では、補助金の対象者、金額、申請の具体的なステップ、そして採択されるための重要なポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。大切な教育旅行の計画に、ぜひお役立てください。
この記事でわかること
- 補助金の概要:どんな目的で、誰が対象の制度なのか
- 具体的な補助金額:新規・継続、宿泊地などの条件別の詳細な金額
- 申請の全ステップ:福島県の制度との連携から補助金受け取りまでの流れ
- 必要書類リスト:申請時に必要な書類一式と入手方法
- 採択のコツ:申請で失敗しないための重要ポイントと注意点
被災地応援ツアー(福島県教育旅行復興支援事業)とは?
制度の目的と背景
この事業は、東京都および東京観光財団が、東日本大震災からの復興に取り組む福島県の観光振興と地域経済の活性化を継続的に支援するために実施しています。都内の学校や生徒たちが福島県を訪れ、宿泊や学習体験、地域特産品の購入といった消費活動を通じて、現地の復興を後押しすることを目的としています。
大きな特徴は、福島県が実施する「福島県教育旅行復興事業」と連携している点です。まず福島県の補助金交付決定を受けることが、この東京都の補助金申請の前提条件となります。二段階の支援を受けることで、より手厚いサポートが実現されています。
事業の概要
| 正式名称 | 令和7年度「被災地応援ツアー・福島県教育旅行復興支援事業」 |
|---|---|
| 実施組織 | 東京都 / 公益財団法人東京観光財団 |
| 対象期間 | 令和7年4月1日(火)から令和8年3月31日(火)までに完了する旅行 |
| 支援内容 | 福島県への教育旅行や合宿で利用する貸切バスの経費の一部を補助 |
補助金額と補助率の詳細
補助金額は、いくつかの条件によって変動します。自校がどの区分に該当するかしっかり確認しましょう。
基本補助額と条件別の上限額
補助の基本は「バス1台当たりの経費の1/2」です。ただし、以下の通り上限額が設定されています。
| 区分 | 基本上限額 | 浜通り宿泊の場合の上限額 |
|---|---|---|
| 新規校 (※1) | 60,000円 | 70,000円 (+1万円) |
| 継続校 (※2) | 50,000円 | 60,000円 (+1万円) |
※1 新規校:過去に福島県の関連補助金(教育旅行復興事業補助金、合宿誘致・交流促進事業助成金)の交付を受けたことがない学校・部活動等。
※2 継続校:過去に上記の福島県の関連補助金の交付を受けたことがある学校・部活動等。
【重要】参加人数による減額措置
旅行全体の参加人数が10名未満の場合、上記の上限額はすべて半額になります。例えば、新規校が浜通りに宿泊する場合でも、参加者が9名であれば上限額は35,000円となります。
【補足】浜通りエリアとは?
浜通りでの宿泊は補助額が加算されます。対象となる市町村は以下の通りです。
相馬市、南相馬市、新地町、浪江町、富岡町、楢葉町、双葉町、大熊町、広野町、飯館村、川内村、葛尾村、いわき市
計算例で理解を深める
具体的なケースで補助金額をシミュレーションしてみましょう。
- ケース1:都内の新規校がバス2台でいわき市(浜通り)に宿泊。バス経費が1台あたり15万円の場合
- 補助率計算:15万円 × 1/2 = 75,000円
- 上限額:新規校+浜通り宿泊なので、70,000円
- 補助金額:70,000円/台 × 2台 = 140,000円
- ケース2:都内の継続校の部活動(参加者8名)がバス1台で会津若松市に合宿。バス経費が10万円の場合
- 補助率計算:10万円 × 1/2 = 50,000円
- 上限額:継続校なので50,000円。しかし参加者10名未満のため、上限は半額の25,000円。
- 補助金額:25,000円/台
補助の対象者と条件
この補助金を利用するには、いくつかの要件を満たす必要があります。自校が対象となるか、旅行内容が条件に合致するかを確認しましょう。
対象となる団体
対象となるのは、以下のいずれかに該当する東京都内の団体です。
- ① 都内の学校:福島県内で宿泊を伴う修学旅行・宿泊学習等を実施する、都内に所在する学校(小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校、専修学校など)。
- ② 都内の部活動等:福島県内で合宿を実施する、都内の学校に公認されている部活動、サークル、ゼミナール等。
対象となる旅行の条件
上記の団体が実施する旅行でも、内容に条件があります。
- ① 修学旅行・宿泊学習等の場合:以下の教育素材を1つ以上行程に含める必要があります。
- 震災学習・ホープツーリズム
- 福島県内の学校との交流
- 歴史学習・伝統工芸体験・異文化体験
- 環境学習・自然体験
- 農村・収穫体験
- スキー体験
- ② 合宿の場合:部活動等の本来の目的である文化活動、スポーツ活動、学習等を行う場合に限ります。
補助対象となる経費
補助金の対象となる経費は明確に定められています。
- 対象経費:教育旅行や合宿の移動に係る貸切バスの経費(車両借上料、燃料費、運転手人件費など)。
- 対象外経費:バスの有料道路料金、駐車場代、宿泊費、食費、施設利用料、バスガイド料などは対象外です。
注意点:公費相当額の除外
国や他の自治体からバス経費に対して補助金が出ている場合、その金額(公費相当額)は補助対象経費から除いて計算する必要があります。この補助金は、他の補助金を差し引いた後の自己負担額に対して適用されます。
申請方法と手順(5ステップ)
申請は福島県の補助金と連携しているため、少し複雑に見えますが、手順通りに進めれば問題ありません。必ず旅行実施前に東京観光財団の交付決定を受ける必要がありますので、スケジュールには余裕を持ちましょう。
- 【Step 1】福島県へ補助金申請
まず、連携元である「福島県教育旅行復興事業」に申請し、交付決定を受けます。これが全てのスタートです。 - 【Step 2】東京観光財団へ交付申請
福島県から交付決定通知書が届いたら、速やかに東京観光財団へ本補助金の交付申請を行います。必要書類を揃え、簡易書留で郵送します。 - 【Step 3】東京観光財団から交付決定
申請書類に不備がなければ、約1週間程度で東京観光財団から交付決定通知書が届きます。この通知を受け取ってから旅行を実施します。 - 【Step 4】旅行の実施
計画通りに福島県への教育旅行・合宿を実施します。 - 【Step 5】実績報告と補助金請求
旅行完了後、定められた期間内に実績報告書と請求書を提出します。内容が審査され、問題がなければ指定の口座に補助金が振り込まれます。
必要書類一覧
交付申請時に必要な主な書類は以下の通りです。詳細は必ず公式の募集要領をご確認ください。
- 福島県教育旅行復興支援事業補助金 交付申請書(別記様式1)
- 福島県へ提出した申請書類一式の写し
- 福島県からの補助金交付決定通知書の写し
- 印鑑証明書(私立学校の場合)
- 法人登記簿謄本(私立学校の場合)
- 【大学等の部活動の場合】代表者の身分証明書(学生証等)の写し、住民票など
申請様式は東京観光財団の公式サイトからダウンロードできます。
申請書類の送付先
〒163-0915
東京都新宿区西新宿二丁目3番1号 新宿モノリス15階
公益財団法人東京観光財団 地域振興部 事業課
福島県教育旅行復興支援事業担当
採択されるための3つの重要ポイント
この補助金は、事業計画の優劣を競うものではなく、要件を満たして正しく手続きを行えば採択される可能性が高い制度です。以下の3つのポイントを必ず守りましょう。
ポイント1:福島県の交付決定を先に受ける
最も重要なポイントです。福島県の「福島県教育旅行復興事業」の交付決定通知書がなければ、東京都の補助金申請は受理されません。まずは福島県の制度について調べ、申請を完了させましょう。
ポイント2:スケジュール管理を徹底する
「旅行実施前に交付決定を受ける」というルールは絶対です。福島県の申請・決定、東京都の申請・決定にはそれぞれ時間がかかります。旅行計画の早い段階から、逆算して申請準備を進めることが成功の鍵です。
ポイント3:書類の不備をなくす
申請書の記入漏れ、押印漏れ、必要書類の添付漏れは、審査の遅れや不採択に直結します。提出前には、募集要領のチェックリストと照らし合わせ、複数人でダブルチェックすることをお勧めします。特に、福島県に提出した書類の「写し」一式を忘れずに添付しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 福島県の補助金と東京都の補助金は両方もらえるのですか?
はい、両方受給できます。というより、この東京都の補助金は、福島県の「福島県教育旅行復興事業」の補助金交付決定を受けていることが申請の必須条件となっています。両方の制度を活用することで、バス経費の負担を大きく軽減できます。
Q2. 新規校と継続校の判断はいつ時点のものですか?
過去に福島県が実施する「福島県教育旅行復興事業補助金」および「福島県合宿誘致・交流促進事業助成金」の交付を受けたことがあるかどうかで判断されます。初めて申請する場合は「新規校」となります。
Q3. バスを使わず、新幹線などで移動する場合も対象になりますか?
いいえ、対象外です。この補助金は、あくまで移動に係る「貸切バスの経費」を対象としています。公共交通機関での移動は対象となりません。
Q4. 申請書類の提出はメールやFAXでも可能ですか?
いいえ、受け付けていません。必ず「簡易書留」で指定の送付先に郵送してください。
Q5. 東京都の一般向け「被災地応援ツアー」(宿泊割引)と併用できますか?
いいえ、併用はできません。このバス代補助は学校・部活動等の団体向け、宿泊割引は個人向けの制度となっており、どちらか一方の利用となります。
まとめ:制度を賢く活用し、有意義な福島旅行を実現しよう
「被災地応援ツアー・福島県教育旅行復興支援事業」は、東京都内の学校にとって非常に価値のある補助金です。バス経費の負担を最大7万円軽減できるだけでなく、福島県の復興支援という社会貢献にも繋がります。
申請の鍵は、①福島県の補助金交付決定を先に受けること、②旅行実施前に東京都の交付決定を受けることの2点です。スケジュール管理をしっかりと行い、書類に不備がないよう丁寧に準備を進めましょう。
この制度を活用して、生徒たちにとって忘れられない学びと体験の機会を創出し、同時に福島県の未来を応援する旅を実現してください。
お問い合わせ先
公益財団法人東京観光財団 地域振興部 事業課
福島県教育旅行復興支援事業担当
電話: 03-5579-2682
Eメール: chiiki@tcvb.or.jp
公式サイト: https://www.tcvb.or.jp/jp/news/2025/0327_6648/