詳細情報
不妊治療は経済的な負担が大きく、特に先進医療を受ける際には高額な費用がかかります。東京都では、体外受精や顕微授精などの特定不妊治療において、保険適用と併用して行われる先進医療の費用を助成する制度があります。この助成金を利用することで、経済的な負担を軽減し、より安心して不妊治療に専念できる環境を整えることができます。この記事では、東京都特定不妊治療費助成事業(先進医療)について、対象者、助成額、申請方法などを詳しく解説します。
東京都特定不妊治療費助成事業(先進医療)の概要
正式名称:東京都特定不妊治療費助成事業(先進医療)
実施組織:東京都福祉局
目的・背景:東京都では、不妊治療における経済的負担を軽減するため、体外受精及び顕微授精を行う際に、保険適用された治療と併用して自費で実施される「先進医療」に係る費用の一部を助成します。
対象者の詳細:法律婚または事実婚の夫婦で、保険診療として特定不妊治療を受診し、先進医療を登録医療機関で受診していることなど、いくつかの要件を満たす必要があります。詳細は後述の「対象者・条件」をご確認ください。
助成対象となる先進医療
- SEET法
- タイムラプス
- 子宮内膜スクラッチ
- PICSI
- ERA / ERPeak
- 子宮内細菌叢検査(EMMA / ALICE)
- IMSI
- 二段階胚移植法
- 子宮内細菌叢検査(子宮内フローラ検査)
- 膜構造を用いた生理学的精子選択術 (マイクロ流体技術を用いた精子選別)
- 着床前胚異数性検査(PGT-A)
助成金額・補助率
先進医療にかかった費用の10分の7について、15万円を上限に助成されます。
計算例:
- 「1回の治療」の中で先進医療を3つ実施し、計100,000円かかった場合:100,000円×0.7=70,000円 ⇒ 助成額は7万円
- 「1回の治療」の中で先進医療を5つ実施し、計220,000円かかった場合:220,000円×0.7=154,000円 ⇒ 助成額は15万円
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 助成対象 | 保険診療と併せて実施した先進医療に係る費用 |
| 補助率 | 先進医療費の10分の7 |
| 上限額 | 15万円 |
対象者・条件
次の1~4の要件を全て満たす方が対象です。
- 法律婚の方:
- 「1回の治療」の初日から申請日まで婚姻関係があること。
- 「1回の治療」の初日から申請日までの間、夫婦いずれかが継続して東京都内に住民登録をしていること。
- 事実婚の方:
- 「1回の治療」の初日から申請日まで同一世帯である証明ができること。(例:住民票の続柄に夫(未届)、妻(未届)等の記載がある。)
- 「1回の治療」の初日から申請日まで他に法律上の配偶者がいないこと。
- 「1回の治療」の初日から申請日までの間、夫婦ともに継続して東京都内の同一住所に住民登録をしていること。
- 保険診療として特定不妊治療を受診し、先進医療を登録医療機関で受診していること。
- 申請者及び配偶者が当該特定不妊治療に関して医療費助成を受けていないこと。
- 「1回の治療」の開始日における妻の年齢が43歳未満であること。
具体例:
- 夫婦ともに東京都内在住で、法律婚をしているAさん夫婦。不妊治療のため、保険診療と併せて先進医療を受けました。Aさん夫婦は助成対象となります。
- 事実婚のBさん夫婦。住民票で同一世帯であることが証明でき、夫婦ともに東京都内在住です。Bさん夫婦も助成対象となります。
- Cさん夫婦は法律婚ですが、夫が東京都外に在住しています。この場合、申請者は都内在住の妻となります。
補助対象経費
助成の対象となるのは、保険診療と併せて実施した「先進医療に係る費用」です。保険診療分は対象外となります。
- 対象となる経費:先進医療の技術料、検査費用など
- 対象外となる経費:保険診療分、一般不妊治療(人工授精など)、体外受精及び顕微授精を全額自己負担で実施した場合
具体例:
- タイムラプス技術の費用:対象
- 体外受精の基本治療費(保険診療):対象外
- 人工授精の費用:対象外
申請方法・手順
原則として電子申請となります。下記URLにアクセスし、申請フォームに入力してください。
申請手順
- 申請フォームにアクセス
- 必要事項を入力
- 必要書類を添付(添付が難しい場合は郵送)
- 申請内容を確認し、送信
必要書類
- 特定不妊治療費(先進医療)助成事業受診等証明書(原本)
- 住民票の写し(原本)
- 戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)(原本)
- 振込先口座の通帳のコピー
申請期限:「1回の治療」が終了した日の属する年度末3月31日まで(電子申請送信日・消印有効)。
採択のポイント
東京都特定不妊治療費助成事業(先進医療)の審査は、提出された書類に基づいて行われます。以下のポイントを押さえて申請することで、採択の可能性を高めることができます。
- 正確な書類作成:申請書や証明書に不備がないように、正確に記入してください。
- 必要な書類の準備:必要な書類をすべて揃え、漏れがないようにしてください。
- 申請期限の厳守:申請期限を必ず守ってください。
審査基準:
- 対象要件を満たしているか
- 提出書類に不備がないか
- 申請内容が正確であるか
採択率の情報:非公開
よくある質問(FAQ)
- Q: 事実婚でも申請できますか?
A: はい、事実婚の方も申請可能です。ただし、住民票で同一世帯であることが証明できる必要があります。
- Q: 申請は郵送でもできますか?
A: 原則として電子申請ですが、難しい場合は郵送も可能です。詳細は東京都福祉局にお問い合わせください。
- Q: 申請に必要な書類は原本のみですか?
A: 住民票や戸籍謄本は原本が必要です。領収書は写しで構いません。
- Q: 助成金の振込先は誰の名義でも良いですか?
A: 申請者本人の名義の口座に限ります。
- Q: 治療が年度をまたいだ場合、申請はどうなりますか?
A: 「1回の治療」が終了した日の属する年度末が申請期限となります。
まとめ・行動喚起
東京都特定不妊治療費助成事業(先進医療)は、不妊治療における経済的負担を軽減するための重要な制度です。対象となる方は、ぜひこの機会に申請をご検討ください。申請には期限がありますので、早めの準備をおすすめします。
次のアクション:
- ご自身の状況が対象要件を満たしているか確認する
- 必要な書類を準備する
- 申請フォームから申請する
問い合わせ先:
東京都福祉局 子供・子育て支援部 家庭支援課 母子医療助成担当
電話:03‐5320‐4362
住所:〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1 都庁第一本庁舎30階