栃木県で事業承継をお考えの中小企業経営者の皆様へ朗報です。優れた技術や経営資源を次世代へ円滑に引き継ぐため、専門家活用にかかる経費の一部を補助する「令和7(2025)年度栃木県事業承継支援補助金」の公募が開始されました。本記事では、この補助金の概要、対象者、申請方法などを分かりやすく解説します。
栃木県事業承継支援補助金とは?
この補助金は、後継者不足やM&Aを検討している栃木県内の中小企業が、事業承継をスムーズに進めるために弁護士や税理士などの専門家を活用する際の費用を支援する制度です。企業の価値算定や法務・税務の手続きなど、専門的な知識が必要な場面での負担を軽減し、安定した雇用と地域のサプライチェーン維持を目的としています。
補助金概要(早見表)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限額 | 50万円 |
| 補助率 | 補助対象経費の2分の1以内 |
| 申請期間 | 令和7年6月10日(火)~ 令和7年11月28日(金) |
| 注意点 | 申請額が予算上限に達し次第、募集を終了します。 |
| 事業実施期間 | 令和7年4月1日 ~ 令和8年2月15日 |
補助対象となる方(補助対象者)
補助金の対象となるには、以下の主な要件を満たす必要があります。
- 栃木県内に本店を有する中小企業者であること。(個人事業者の場合は、栃木県内に住所を有すること)
- 【特例】栃木県内の中小企業をM&Aにより買収する場合に限り、栃木県外に本店を有する中小企業者も対象となります。
- 事業承継後も常時使用する従業員の雇用を維持し、事業拠点を栃木県内に維持・確保することが見込まれること。
- みなし大企業ではないこと。
- 支援機関から推薦を受けていること。(商工会、商工会議所、金融機関など。詳細は交付要領をご確認ください)
※その他の要件もありますので、申請前に必ず公式の交付要領をご確認ください。
補助の対象となる経費
事業承継を進めるにあたり、弁護士、税理士、公認会計士、司法書士、中小企業診断士などの専門家に業務を委託するための費用が対象です。具体的には以下のような経費が該当します。
対象経費の例
- 株価など企業価値の算定費用
- 贈与税・相続税のシミュレーション費用
- デューデリジェンス(企業調査)の委託費用
- 最終契約書やレビューの作成費用
- 不動産鑑定評価書の作成費用
- 労務関連手続きの委託費用
- 債務整理手続きの委託費用
- 代表者変更等に伴う登記手続き費用
対象外となる経費
- M&Aの成功報酬
- 後継者や承継時期が未定の段階での相談費用
- 国など他の補助金と重複する経費
申請手続きの流れ
申請は以下のステップで進めます。特に、事前に支援機関からの推薦を受ける必要がある点にご注意ください。
- STEP 1: 支援機関への相談・推薦依頼
まず、商工会や金融機関などの支援機関に相談し、「推薦書」の発行を依頼します。 - STEP 2: 申請書類の準備・提出
県のホームページから様式をダウンロードし、必要書類を揃えて事務局へ郵送またはメールで提出します。 - STEP 3: 審査・交付決定
事務局による審査が行われ、採択されると「交付決定通知書」が届きます。 - STEP 4: 事業の実施
交付決定後、計画に沿って専門家への委託などの事業を実施します。(事業実施期間内に行う必要があります) - STEP 5: 実績報告
事業完了後、期限内(事業完了日から30日以内、または令和8年2月20日のいずれか早い日)に実績報告書を提出します。 - STEP 6: 検査・補助金の交付
報告書の内容が検査され、金額が確定した後に補助金が交付(振込)されます。
申請・問い合わせ先
申請書類の提出や制度に関するご質問は、以下の事務局までお問い合わせください。
事業承継支援補助金事務局 (一般社団法人栃木県商工会議所連合会内)
- 住所: 〒320-0806 栃木県宇都宮市中央3-1-4 栃木県産業会館3階
- 電話番号: 028-637-3725
- E-mail: jigyoushoukei@ftcci.or.jp
- 受付時間: 月曜日~金曜日(祝日・年末年始除く)午前9時~午後5時
まとめ
「栃木県事業承継支援補助金」は、事業承継という重要な経営課題に取り組む中小企業にとって、金銭的な負担を軽減できる大変有効な制度です。専門家の力を借りることで、法務・税務上のリスクを回避し、円滑なバトンタッチが実現できます。
公募期間は令和7年11月28日(金)までですが、予算がなくなり次第終了となります。事業承継を具体的に検討されている経営者の方は、ぜひお早めに支援機関へ相談し、本補助金の活用をご検討ください。
対象者・対象事業
栃木県内に本店を有する中小企業者(個人事業者の場合は県内に住所)。または、栃木県内の中小企業者をM&Aにより買収する県外の中小企業者。支援機関からの推薦を受けていること等が要件。
必要書類(詳細)
補助事業計画申請書, 交付申請書, 補助事業計画書, 申請者の概要, M&Aの概要, 誓約書・役員名簿, 県税に未納がないことを証明する書類, 履歴事項全部証明書または住民票の写し, 直近1期分の決算報告書等の写し, 見積書等, 支援機関からの推薦書
対象経費(詳細)
事業承継にあたり専門家(弁護士、税理士、公認会計士、司法書士、中小企業診断士等)に委託する経費。具体例:株価など企業価値の算定、贈与税・相続税のシミュレーション、デューデリジェンス、最終契約書等の作成、不動産鑑定評価書作成、労務関連手続き、債務整理手続き、代表者の変更等に伴う登記手続きなど。※M&Aの成功報酬等は対象外