「最近、テレビの音が大きいと言われる」「会話が聞き取りにくく、何度も聞き返してしまう」…そんなお悩みはありませんか?加齢による聴力の低下は、誰にでも起こりうることです。しかし、そのままにしておくと、ご家族や友人とのコミュニケーションが減り、社会的な孤立につながることも。そんな聞こえの悩みを抱える栗原市の高齢者の皆様に、ぜひ知っていただきたいのが「栗原市高齢者補聴器購入費助成事業」です。この制度を活用すれば、補聴器の購入費用として最大3万円の助成を受けることができます。この記事では、制度の詳しい内容から、対象者の条件、申請方法、そして採択されるためのポイントまで、どこよりも分かりやすく徹底的に解説します。聞こえを改善し、より豊かで安心な毎日を取り戻すための一歩を、この助成金とともに踏み出しましょう。

この助成金のポイント

  • 栗原市在住の65歳以上の高齢者が対象
  • 補聴器の購入費用を最大30,000円助成
  • 身体障害者手帳(聴覚障害)をお持ちでない方が対象
  • 耳鼻咽喉科の医師による証明が必要
  • 申請には所得要件(非課税)や市税の滞納がないことなどが条件

① 助成金の概要

正式名称と実施組織

この制度の正式名称は「栗原市高齢者補聴器購入費助成事業」です。実施しているのは、宮城県栗原市です。市民の高齢者福祉の向上を目的として運営されています。

制度の目的・背景

この助成金は、加齢により聴力機能が低下したことで、ご家族やご友人との円滑なコミュニケーションが難しくなっている高齢者の方を支援することを目的としています。補聴器を使用することで、日常生活におけるコミュニケーションを改善し、社会参加を促進することで、高齢者の閉じこもり防止や生活の質の向上、さらには認知症予防にもつなげることを目指しています。経済的な負担を軽減し、必要な方が補聴器を利用しやすくなるよう設けられた、非常に重要な制度です。

② 助成金額・補助率

助成される金額は、補聴器の購入にかかった費用に対して上限30,000円です。これは補助率ではなく、購入金額に応じて上限額までが支給される定額助成となります。具体的な内容は以下の表をご確認ください。

項目 内容
助成上限額 30,000円
補助対象 医療機器として認定された補聴器本体の購入費用
助成回数 原則として1人1回限り

助成金額の計算例

  • 例1:補聴器を50,000円で購入した場合
    購入費用(50,000円)が上限額(30,000円)を上回るため、助成額は30,000円となります。自己負担は20,000円です。
  • 例2:補聴器を25,000円で購入した場合
    購入費用(25,000円)が上限額(30,000円)を下回るため、助成額は購入費用と同額の25,000円となります。自己負担は0円です。

③ 対象者・条件

この助成金を利用するためには、以下のすべての要件を満たす必要があります。ご自身が該当するか、一つずつ丁寧に確認しましょう。

  1. 栗原市内に住所を有する満65歳以上の方であること。
    申請日時点で栗原市に住民票があることが必要です。
  2. 身体障害者手帳(聴覚障害)の交付を受けていないこと。
    すでに手帳をお持ちの方は、障害者総合支援法に基づく補装具費支給制度が優先されるため、この助成金の対象外となります。
  3. 両耳の聴力レベルが40デシベル以上で、医師から補聴器の必要性を認められること。
    指定の医療機関(耳鼻咽喉科)を受診し、聴力検査を受けた上で、医師による「意見書」を発行してもらう必要があります。40デシベルは「小さな声での会話が聞き取りにくい」レベルの目安です。
  4. 対象者及びその配偶者が市町村民税非課税であること。
    世帯の所得状況が要件となります。ご自身が非課税かどうかは、市役所の税務担当課で確認できます。
  5. 世帯員全員が市税を滞納していないこと。
    住民票上の世帯だけでなく、同居している方も含めて、市税(市民税、固定資産税など)の滞納がないことが条件です。
  6. 世帯員全員が暴力団員でないこと、また、それらと関わりを持っていないこと。
    反社会的勢力との関係がないことの誓約が求められます。

④ 補助対象経費

助成の対象となる経費と、対象とならない経費をしっかり理解しておくことが重要です。

対象となる経費

  • 医療機器として認定された補聴器本体の購入費用

片耳、両耳は問われませんが、助成は1台分(または1組分)の購入費用に対して上限3万円となります。

対象とならない経費の例

  • 集音器(医療機器認定を受けていないもの)
  • 補聴器の付属品(空気電池、充電器、乾燥ケースなど)
  • 修理費用、メンテナンス費用、調整費用
  • 医師の意見書作成にかかる文書料、診察料、検査費用
  • 送料、振込手数料など

【重要】補聴器と集音器の違い
補聴器は、薬機法にもとづき管理医療機器として認定されており、使用者の聴力に合わせて細かく調整が可能です。一方、集音器は医療機器ではなく、単に音を大きくする装置です。この助成金は医療機器である「補聴器」のみが対象ですので、購入の際は必ず販売店に確認してください。

⑤ 申請方法・手順

申請は、正しい手順を踏むことが非常に重要です。特に、補聴器を購入した後の申請となりますが、事前に医師の診断が必要です。以下のステップを参考に、計画的に進めましょう。

申請のステップ

  1. STEP1:市役所の担当窓口へ相談
    まずは栗原市役所の長寿福祉課など、担当窓口に連絡し、制度の詳細や申請に必要な書類(申請書、医師の意見書様式など)を入手します。
  2. STEP2:耳鼻咽喉科を受診
    市から受け取った意見書の様式を持って、耳鼻咽喉科を受診します。聴力検査などを受け、医師に補聴器の必要性を判断してもらい、意見書を記入してもらいます。
  3. STEP3:補聴器販売店で補聴器を購入
    医師の意見書に基づき、補聴器販売店でご自身の聴力に合った補聴器を選び、購入します。その際、必ず「領収書」と「内訳書(品名、金額がわかるもの)」を受け取ってください。
  4. STEP4:申請書類の準備と提出
    下記の「必要書類リスト」を参考に、すべての書類を揃えて市役所の担当窓口に提出します。
  5. STEP5:審査・交付決定
    市役所で申請内容の審査が行われます。審査には1ヶ月程度かかる場合があります。審査に通ると「交付決定通知書」が郵送されます。
  6. STEP6:助成金の受領
    交付決定後、指定した口座に助成金が振り込まれます。

必要書類リスト

  • 栗原市高齢者補聴器購入費助成金交付申請書
  • 補聴器の必要性を証明する医師の意見書(市所定の様式)
  • 補聴器の購入に係る領収書及び内訳書の写し
  • 助成金の振込先口座がわかる通帳等の写し
  • 世帯全員の市町村民税が非課税であることを証明する書類(非課税証明書など)
  • 世帯全員の市税の滞納がないことの証明書
  • 世帯全員が暴力団員でないことの誓約書
  • その他、市が必要と認める書類

※必要書類は変更される可能性があるため、必ず申請前に栗原市の公式サイトまたは担当窓口で最新の情報をご確認ください。

申請期限・スケジュール

2025年度の申請は2025年8月1日(金)から受付開始とされています。多くの自治体では、予算の上限に達し次第、受付を終了することがあります。補聴器の購入を検討している方は、早めに準備を進めることをお勧めします。

⑥ 採択のポイント

この助成金は、要件を満たしていれば基本的に採択される可能性が高い制度です。しかし、ケアレスミスで不採択とならないよう、以下のポイントをしっかり押さえましょう。

申請書作成のコツ

  • 丁寧な字で、記入漏れなく:申請書は楷書で丁寧に記入し、すべての項目を埋めましょう。空欄があると審査が遅れる原因になります。
  • 書類はすべて揃える:提出前に、必要書類リストと照らし合わせて、すべて揃っているか何度も確認してください。
  • 不明点は事前に確認:少しでも分からないことがあれば、自己判断せず、必ず市役所の担当窓口に電話などで確認しましょう。

よくある不採択理由

  • 対象者の要件(年齢、住所、所得など)を満たしていなかった。
  • 医師の意見書がない、または内容に不備があった。
  • 購入した製品が助成対象外の「集音器」だった。
  • 領収書の日付が申請期間外だった。
  • 市税の滞納があった。
  • 申請書類に記入漏れや押印漏れがあった。

⑦ よくある質問(FAQ)

Q1. 申請は本人でないとできませんか?

A1. ご家族による代理申請も可能です。ただし、申請者本人の意思確認や、委任状が必要になる場合があります。詳しくは市役所の担当窓口にご確認ください。

Q2. どんな補聴器でも対象になりますか?

A2. いいえ、薬機法で定められた「管理医療機器」としての補聴器のみが対象です。インターネット通販などで安価に販売されている「集音器」は対象外です。購入前に必ず販売店に医療機器認証番号などを確認しましょう。

Q3. 申請からどのくらいで助成金は振り込まれますか?

A3. 一般的には、申請書類に不備がなければ、審査を経て1ヶ月から2ヶ月程度で振り込まれることが多いです。ただし、申請が集中する時期は前後する可能性があります。

Q4. 市町村民税が非課税かどうかは、どこで確認できますか?

A4. 栗原市役所の税務担当課で「(市町村民税)非課税証明書」を発行してもらうことで確認できます。発行には手数料がかかる場合があります。

Q5. 過去にこの助成金を利用したことがあっても申請できますか?

A5. この助成事業は、原則として「1人1回限り」の助成となっています。そのため、過去に一度でも利用したことがある場合は、再度申請することはできません。

⑧ まとめ・行動喚起

今回は、栗原市の高齢者を対象とした「高齢者補聴器購入費助成事業」について詳しく解説しました。

重要ポイントの再確認

  • 対象者:栗原市在住の65歳以上で、市民税非課税などの要件を満たす方。
  • 助成額:最大30,000円。
  • 必須事項:耳鼻咽喉科医による「意見書」が必要。
  • 注意点:医療機器認定の「補聴器」のみが対象。「集音器」は対象外。

聞こえの問題は、生活の質に大きく影響します。この助成金を活用することで、経済的な負担を軽くし、前向きな一歩を踏み出すことができます。ご家族との会話が増え、趣味を楽しみ、地域活動にも積極的に参加できるようになるかもしれません。

もし、ご自身やご家族が「聞こえ」に少しでも不安を感じているなら、まずはかかりつけの耳鼻咽喉科医や、栗原市役所の担当窓口に相談することから始めてみませんか?この制度が、あなたの毎日をより明るく、豊かなものにするきっかけとなることを願っています。

お問い合わせ先

栗原市役所 保健福祉部 長寿福祉課 長寿いきがい係
(※連絡先は変更になる可能性があるため、公式サイトをご確認ください)
▶ 栗原市公式サイトで詳細を確認する