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横浜市次世代重点分野立地促進助成金とは?
「横浜市次世代重点分野立地促進助成金」は、横浜経済の持続的な成長を目指し、特定の重点分野における企業の立地を促進するための制度です。市外から横浜市へ初めて進出する企業や、すでに市内で事業を行う企業が本社機能などを拡張・移転する場合に、最大375万円の助成金が交付されます。特に2025年度(令和7年度)からは対象分野が「半導体」や「先端技術」などに拡充され、より多くの企業が活用しやすくなりました。
この制度は、特にイノベーション創出が期待されるテック系スタートアップの集積を後押しする内容となっており、要件緩和などの特例も設けられています。横浜市での新たな事業展開や拠点強化を検討している企業にとって、非常に魅力的な支援策です。
助成金の3つの支援パターンと助成額
本助成金は、企業の状況に応じて3つの支援パターンが用意されています。自社の計画がどれに該当するか確認しましょう。
1. 市内初進出(上限300万円)
横浜市外の企業が、市内に初めて本社や研究所などの拠点を設置する場合に適用されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象企業 | 横浜市外に本社を置く企業 |
| 対象機能 | 本社、研究所、事務所、子育て関連施設 |
| 助成額 | 床面積10㎡あたり20万円(上限300万円) |
| 主な要件 | 対象部分の床面積50㎡以上 かつ 対象分野の従業者数3人以上 |
| 特例(テック系スタートアップ) | 床面積10㎡以上で対象となります。 |
| 特例(都心部地域以外への立地等) | 都心部地域以外への立地:従業者数1人以上に緩和 外資系企業の一次投資:従業員数要件なし |
2. 拡張・移転特例(上限150万円)
すでに横浜市内に事業所を持つ企業が、市内で本社や研究所を拡張、または移転する場合に適用されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象企業 | 横浜市内に事業所を持つ企業 |
| 対象機能 | 本社、研究所、子育て関連施設 |
| 助成額 | 増加する床面積10㎡あたり20万円(上限150万円) |
| 主な要件 | 床面積が拡張・移転前より50㎡以上増加 かつ 従業者数が3人以上増加 |
| 特例(テック系スタートアップ) | 床面積が10㎡以上増加で対象となります。(対象機能:本社、研究所) |
3. CO₂排出実質ゼロの上乗せ助成(上限75万円)
上記1または2の助成を受ける企業が、脱炭素先行地域である「みなとみらい21地区」に立地し、再生可能エネルギー由来の電力を活用するなどしてCO₂排出を実質ゼロにする場合に、助成額が上乗せされます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 「市内初進出」または「拡張・移転特例」の助成を受ける企業 |
| 上乗せ助成額 | 床面積10㎡あたり5万円(上限75万円) |
| 要件 | みなとみらい21地区に立地し、事業所の電力消費に伴うCO₂排出を実質ゼロとすること |
これにより、例えば市外からみなとみらい21地区に初進出し、CO₂排出ゼロの取り組みを行う場合、最大で300万円 + 75万円 = 375万円の助成が受けられる可能性があります。
対象となる7つの重点分野
助成対象となる事業は、以下のいずれかの分野に該当する必要があります。自社の事業内容と照らし合わせてみましょう。
- 脱炭素:再生可能エネルギー、省エネルギー、水素関連技術など
- 半導体:半導体の設計、製造、関連装置・材料など
- モビリティ:自動運転、MaaS、次世代自動車技術など
- IT・情報通信:AI、IoT、5G、ソフトウェア開発など
- 健康医療:ライフサイエンス、創薬、医療機器、ヘルスケアサービスなど
- 先端技術:ロボティクス、ドローン、量子技術など
- 子育て:保育施設の設置、子育て支援サービス・技術開発など
申請スケジュールと手続きの流れ
申請には事前の手続きが不可欠です。特に賃貸借契約前の「事業計画概要書」の提出が必須となるため、スケジュール管理が重要です。
申請の主な流れ
- 事前相談:計画段階で必ず横浜市経済局へ相談します。
- 事業計画概要書の提出:賃貸借契約を締結する前日までに提出が必要です。
- 賃貸借契約の締結:事業計画概要書の提出後に契約を行います。
- 事業所の設置:2025年12月末までに事業所を設置します。
- 助成金交付申請(本申請):事業所設置後に本申請を行います。
- 審査:横浜市による審査が行われます。(令和8年2月頃)
- 助成金交付:審査通過後、助成金が交付されます。(令和8年3月頃)
重要な申請期限
- 事業計画概要書の提出締切:2025年12月26日(金)
- 交付申請(本申請)の締切:2026年1月30日(金)
申請前の重要チェックポイント
- 契約前の事前相談が必須:本助成金の最大の注意点は、賃貸借契約を締結する前に必ず横浜市へ相談し、「事業計画概要書」を提出する必要があることです。契約後の申請は認められないため、計画の早い段階で問い合わせましょう。
- 財務状況の確認:申請にあたり、直近2期分の財務状況が確認されます。
- テック系スタートアップの要件:特例を受けるには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 1事業年度分の決算を終え、設立から15年未満であること
- スタートアップとしての資金調達実績等があること
- テック系としての研究開発実績があること
まとめ
「横浜市次世代重点分野立地促進助成金」は、横浜市での事業展開を目指す企業、特に成長分野の企業やスタートアップにとって、初期投資の負担を軽減する大きなチャンスです。対象分野が広く、最大375万円という手厚い支援が魅力です。ただし、契約前に事前相談と書類提出が必須という重要なルールがあります。横浜市への進出や事業拡大を検討している方は、まずは計画段階で早めに横浜市経済局へ問い合わせてみることをお勧めします。