沖縄県本部町にお住まいで、ご自宅のトイレが「くみ取り式」や古いタイプの「単独処理浄化槽」の方に朗報です。生活排水による水質汚濁を防ぎ、より快適な生活環境を実現するため、本部町では単独処理浄化槽などから高性能な「合併処理浄化槽」へ転換する際の費用を補助する制度を実施しています。この補助金を活用すれば、浄化槽の設置費用に加えて、古い浄化槽の撤去費用や配管工事費も対象となり、最大で96.8万円もの補助が受けられる可能性があります。しかし、この補助金は予算が約6基分と限られており、先着順での受付となります。申請を検討している方は、早めの情報収集と準備が不可欠です。この記事では、本部町の合併処理浄化槽設置補助金について、対象者や金額、申請手順、必要書類などを誰にでも分かりやすく徹底解説します。

この補助金のポイント

  • 最大96.8万円の高額補助!
  • 単独処理浄化槽・くみ取り槽からの転換が対象
  • 古い浄化槽の撤去費用や配管工事費も補助対象に!
  • 受付は令和7年6月2日から先着順!(予定基数:約6基)
  • 交付決定前の工事着手は絶対にNG!

補助金の概要

まずは、この補助金がどのような制度なのか、基本的な情報を確認しましょう。

正式名称

令和7年度本部町合併処理浄化槽設置整備事業費補助金

実施組織

沖縄県本部町

目的・背景

この事業は、各家庭から出る生活排水(トイレ、台所、風呂など)による川や海などの公共用水域の水質汚濁を防止することを目的としています。特に、し尿のみを処理する単独処理浄化槽や、処理を行わないくみ取り槽は、生活雑排水がそのまま流出するため、水質汚濁の大きな原因となります。そこで、し尿と生活雑排水を併せて処理できる「合併処理浄化槽」への転換を促進し、良好な生活環境の保全と公衆衛生の向上に寄与するために、設置費用の一部を補助するものです。

補助金額・補助率

補助金額は、設置する浄化槽の規模(人槽)に応じて上限額が定められています。さらに、条件を満たせば撤去費用や配管工事費用が加算されます。

補助金の上限額(基本額+加算額)

補助金は、以下の①基本額と②加算額の合計となります。

① 浄化槽設置費用(基本額)
人槽区分 補助限度額
5人槽 332,000円
6人から7人槽 414,000円
8人から10人槽 548,000円
② 加算額(条件に該当する場合)
工事区分 補助限度額
単独処理浄化槽の撤去 120,000円
くみ取り槽の撤去 90,000円
宅内配管工事 300,000円

補助金額の計算例

【例1】5人槽を設置し、古い単独処理浄化槽を撤去、配管工事も実施する場合

332,000円(5人槽) + 120,000円(単独撤去) + 300,000円(配管工事) = 最大 752,000円

【例2】8人槽を設置し、くみ取り槽を撤去、配管工事は不要な場合

548,000円(8-10人槽) + 90,000円(くみ取り槽撤去) = 最大 638,000円

※実際の補助額は、それぞれの工事にかかった費用と限度額を比較して、いずれか低い方の額となります。

対象者・条件

この補助金を利用するには、いくつかの条件を満たす必要があります。ご自身が対象となるか、事前にしっかり確認しましょう。

対象地域

本部町内のうち、以下のいずれかに該当する地域が対象です。

  • 公共下水道の事業計画区域外の地域
  • 公共下水道の事業計画区域内であっても、下水道の整備が7年以上先になる見込みの地域

重要:ご自宅が対象地域に含まれるかどうかは、申請前に必ず本部町役場の担当課(健康づくり推進課)にご確認ください。

補助対象者

上記の対象地域内で、既存の単独処理浄化槽またはくみ取り槽から、10人槽以下の合併処理浄化槽へ転換する個人の方が対象です。

補助対象外となるケース

以下の場合は補助の対象外となりますので、十分にご注意ください。

  • 法人及び団体
  • 浄化槽法に基づく設置届出を行わずに設置する者
  • 住宅等を借りていて、大家さん(賃貸人)の承諾を得られない者
  • 住宅の新築に伴って設置する者(あくまで既存住宅の転換が対象です)
  • 自分が居住しない建物(別荘、賃貸物件など)に設置する者
  • 町税等に滞納がある者
  • 補助金の交付決定前に、すでに設置工事に着手している者

補助対象経費

補助金の対象となる経費は、主に以下の通りです。

  • 合併処理浄化槽本体の購入費
  • 合併処理浄化槽の設置工事費(掘削、基礎工事、本体据付、埋め戻しなど)
  • 既存単独処理浄化槽またはくみ取り槽の撤去費用(清掃、掘り出し、処分費用など)
  • 宅内配管工事費(浄化槽への流入管、ます、および住居敷地に隣接する側溝までの放流管の設置に係る工事)

対象外経費の注意点:大規模な増改築を行う場合の配管工事費は、加算の対象となりません。

申請方法・手順

申請から補助金交付までの流れは以下の通りです。特に、工事に着手する前に必ず交付決定を受ける必要がある点に注意してください。

申請期間・スケジュール

  • 受付開始日: 令和7年6月2日(月曜日)
  • 補助予定基数: 約6基
  • 受付方法: 予算の範囲内で先着順

予算がなくなり次第、受付終了となりますので、早めの行動が鍵となります。

申請から交付までのステップ

  1. ステップ1:申請
    必要書類を揃え、本部町役場の健康づくり推進課窓口に「交付申請書」を提出します。
  2. ステップ2:交付決定
    町が申請内容の審査と現地確認を行い、問題がなければ「交付決定通知書」が届きます。
  3. ステップ3:工事着手
    必ず「交付決定通知書」を受け取ってから、浄化槽の設置工事を開始してください。
  4. ステップ4:実績報告
    工事完了後30日以内、または当該年度の3月15日のいずれか早い日までに、必要書類を添えて「実績報告書」を提出します。
  5. ステップ5:交付確定
    町が実績報告書を審査し、内容に問題がなければ「交付確定通知書」が届きます。
  6. ステップ6:請求
    「交付確定通知書」を受け取ったら、「請求書」を健康づくり推進課へ提出します。
  7. ステップ7:補助金交付
    指定した本人名義の口座に補助金が振り込まれます。

必要書類一覧

申請には多くの書類が必要です。事前にリストを確認し、漏れなく準備しましょう。様式は本部町の公式サイトからダウンロードできます。

【申請時に提出する書類】

  • 合併処理浄化槽補助金交付申請書(様式第1号)
  • 審査期間を経過した浄化槽設置届出書の写し
  • 浄化槽設置場所の位置図 又は付近の見取図
  • 住宅平面図(浄化槽の位置、流入・放流経路を示したもの)
  • 公図
  • 土地及び建築物の登記簿謄本
  • 住民票謄本
  • 全国浄化槽推進市町村協議会の登録証の写し
  • 登録浄化槽管理表(C票)
  • 浄化槽設置工事業の登録通知書の写し及び浄化槽設備士免状の写し
  • 土地、住宅を借りている者は、賃貸人の承諾書
  • 浄化槽工事見積書(撤去・配管工事費は区別して記載)
  • 町税等に滞納がないことを証する証明書

【実績報告時に提出する書類】

  • 合併処理浄化槽設置事業実績報告書(様式第6号)
  • 浄化槽法第7条検査の検査依頼書の写し
  • 浄化槽法第11条法定検査契約書等の写し
  • 保守点検及び清掃に係る業務委託契約書等の写し
  • 工事代金領収書の写し
  • 工事の状況写真(工事前、工事中、工事後)
  • 単独浄化槽撤去に係る工事写真及び産業廃棄物管理票(マニフェスト)E票の写し
  • 浄化槽使用廃止届出書の写し(該当する場合)
  • 配管工事に係る写真及び出来高が確認できる配管図(該当する場合)
  • 浄化槽設置工事施工監理報告書

採択のポイント

この補助金は審査で優劣をつけるタイプではなく、要件を満たした申請を先着順で受け付けるものです。そのため、採択されるためには以下のポイントが重要になります。

とにかく早く準備・申請する

補助予定基数が約6基と非常に少ないため、受付開始後すぐに予算が上限に達する可能性があります。受付開始日に申請できるよう、事前に業者選定や見積取得、必要書類の準備を完璧に進めておくことが最も重要です。

書類の不備をなくす

提出書類が多岐にわたるため、一つでも不備があると受付が遅れ、その間に予算が尽きてしまう可能性があります。町の公式サイトにある「提出書類一覧」を何度も確認し、施工業者とも協力して、完璧な状態で提出しましょう。不明な点は事前に役場の担当課に問い合わせることが賢明です。

信頼できる施工業者を選ぶ

工事は「沖縄県知事より浄化槽工事業の許可を受けた業者」に依頼する必要があります。また、補助金申請の手続きに慣れている業者を選ぶと、書類準備などがスムーズに進みます。複数の業者から見積もりを取り、実績や対応を比較検討しましょう。

よくある不採択理由

  • 交付決定前の工事着手:これが最も多い失格理由です。絶対にフライングしないでください。
  • 申請期間の遅れ:気づいた時には予算が終了していたというケースです。
  • 対象外の工事:新築住宅での設置は対象外です。
  • 税金の滞納:申請前に納税状況を確認しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 新築の家を建てるのですが、この補助金は使えますか?

A1. いいえ、使えません。この補助金は、既存の住宅で単独処理浄化槽またはくみ取り槽を使用している方が、合併処理浄化槽へ「転換」する場合を対象としています。新築に伴う設置は対象外です。

Q2. 早く工事をしたいので、申請と同時に工事を始めてもいいですか?

A2. 絶対にダメです。必ず本部町から「交付決定通知書」が届いた後に工事を開始してください。交付決定前に着工した場合は、補助金を受け取ることができなくなります。

Q3. 予算が「約6基」とのことですが、もし7番目だったらどうなりますか?

A3. この補助金は先着順のため、予算の上限に達した時点で受付終了となります。7番目の申請だった場合、残念ながらその年度の補助は受けられません。来年度以降に同様の事業があれば再度申請を検討することになります。

Q4. 申請はどこにすればいいですか?郵送でも可能ですか?

A4. 申請書類は、本部町役場の「健康づくり推進課 健康づくり推進班」の窓口に直接提出する必要があります。郵送での受付については明記されていないため、事前に担当課へご確認ください。

Q5. 補助金はいつもらえますか?

A5. 補助金は、工事完了後に実績報告書を提出し、町の検査を経て交付額が確定した後に、請求書を提出することで振り込まれます。工事費用の支払いは一度ご自身で全額立て替える必要がありますので、資金計画にご注意ください。

まとめ・行動喚起

今回は、沖縄県本部町の「合併処理浄化槽設置整備事業費補助金」について詳しく解説しました。

重要ポイントの再確認

  • 対象者:本部町内の対象地域で、単独処理浄化槽・くみ取り槽から合併処理浄化槽へ転換する個人。
  • 補助額:浄化槽設置、撤去、配管工事を合わせて最大96.8万円
  • 受付:令和7年6月2日から先着順(約6基)
  • 最重要注意点:必ず交付決定後に工事を開始すること!

この補助金は、費用負担を大幅に軽減できる大変魅力的な制度ですが、枠が非常に少ないため、スピードが命運を分けます。この記事を参考に、まずはご自宅が対象地域かを確認し、信頼できる施工業者を探すところから始めてみてはいかがでしょうか。

詳細や不明な点については、必ず下記の公式情報をご確認いただくか、担当課へ直接お問い合わせください。

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