愛知県田原市で施設園芸を営む農業者の皆様へ朗報です。燃油価格の高騰が経営を圧迫する中、その負担を軽減し、さらに環境にも貢献できる「令和7年度脱炭素農業推進補助金」が公募されています。この補助金は、ヒートポンプや循環扇といった省エネルギー化設備の導入費用の一部を最大10万円まで補助する制度です。田原市が推進する「ゼロカーボンシティ」の実現に向けた重要な取り組みの一環であり、農業経営の持続可能性を高める絶好の機会と言えるでしょう。この記事では、補助金の対象者、対象設備、申請方法から採択のポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。ぜひ最後までお読みいただき、補助金を活用したスマートな経営改善にお役立てください。

この補助金のポイント

  • 対象者: 田原市内の施設園芸を営む農業者(個人・法人)
  • 補助額: 設備購入費の3分の1、上限10万円
  • 対象設備: ヒートポンプ、循環扇など燃油削減効果の高い省エネ設備
  • 申請期間: 令和7年4月1日(火)から随時受付(予算がなくなり次第終了)
  • 重要注意点: 過去にこの補助金を受けたことがある方は対象外

令和7年度 田原市脱炭素農業推進補助金とは?

本補助金は、田原市が掲げる「ゼロカーボンシティ」の実現を目指し、市内の農業、特にエネルギー消費の大きい施設園芸における温室効果ガスの削減を推進するために設けられた制度です。燃油の使用量を削減できる省エネルギー設備の導入を支援することで、農業経営の安定化と環境負荷の低減を両立させることを目的としています。

制度の概要

正式名称 令和7年度脱炭素農業推進補助金(省エネルギー化施設等)
実施組織 愛知県田原市(農林水産部 農政課)
目的 ゼロカーボンシティの実現に向け、温室効果ガスの削減が期待できる燃油削減効果の高い施設・設備等の導入を支援する。
対象者 田原市内で施設園芸を営む農業者(個人および法人)

補助金額と補助率について

この補助金の最大の魅力は、設備投資の初期費用を抑えられる点です。具体的な補助率と上限額をしっかり確認しておきましょう。

具体的な補助額

補助率 補助上限額
施設整備額の3分の1以内 10万円

計算例でシミュレーション

実際にどのくらいの補助が受けられるのか、具体的なケースで見てみましょう。

  • ケース1:45万円のヒートポンプを導入する場合
    450,000円 × 1/3 = 150,000円
    → 補助上限額が10万円のため、補助額は10万円となります。
  • ケース2:24万円の循環扇を導入する場合
    240,000円 × 1/3 = 80,000円
    → 上限額の範囲内なので、補助額は8万円となります。
  • ケース3:12万円の多段サーモを導入する場合
    120,000円 × 1/3 = 40,000円
    → 上限額の範囲内なので、補助額は4万円となります。

補助対象者の詳細な要件

補助金を受け取るためには、以下の4つの要件をすべて満たす必要があります。申請前に必ず確認してください。

4つの必須要件をチェック

  1. 田原市内の居住者・事業者であること
    個人の場合は田原市内に住所があること、法人の場合は田原市内に本店所在地があることが必須です。
  2. 施設園芸セーフティネット構築事業の加入者(または加入予定者)であること
    燃油価格高騰などに対する経営の安定化を図るための事業です。まだ加入していない場合でも、「加入予定者」として誓約書を提出することで申請が可能です。
  3. 国・県の補助事業に採択されていないこと
    同じ設備導入に対して、国や県の他の補助金と重複して受給することはできません。
  4. 市税の滞納がないこと
    田原市の市税を滞納していないことが条件となります。

【重要】令和7年度からの変更点

令和7年度より、過去にこの「脱炭素農業推進補助金」を受けたことがある方は、対象外となりました。初めて申請される方のみが対象となりますので、十分にご注意ください。

対象となる省エネ設備

補助の対象となるのは、燃油使用量の削減に直接的に貢献する施設や設備です。具体的には以下のようなものが挙げられます。

補助対象経費リスト

  • ヒートポンプ:空気中の熱を利用してお湯や温風を作る装置。従来の燃油ボイラーに比べて大幅なエネルギー削減が期待できます。
  • カーテン多層化:ハウス内の保温性を高めるためのカーテンを、単層から二層、三層へと増やす設備。暖房効率が向上し、燃油使用量を削減します。(※単層から多層への変更のみが対象)
  • 循環扇の設置:ハウス内の空気を循環させ、温度ムラをなくす設備。暖房効率を高め、局所的な過冷却を防ぎます。
  • 木質バイオマスボイラー:間伐材などを燃料とするボイラー。化石燃料からの転換によりCO2排出量を削減します。
  • 多段サーモ:時間帯や生育状況に応じて温度設定を細かく制御する装置。無駄な暖房を防ぎます。
  • 局所加温:作物が必要とする部分だけを効率的に温める設備。ハウス全体を暖めるよりもエネルギー消費を抑えられます。

※上記以外の設備についても、燃油削減効果が認められれば対象となる可能性があります。導入を検討している設備がある場合は、事前に農政課へお問い合わせください。

申請手続きの完全ガイド

補助金の申請は、手順をしっかり踏むことが重要です。ここでは申請から交付までの流れを分かりやすく解説します。

申請期間とスケジュール

【申請期間】 令和7年4月1日(火曜日)より随時受付

本補助金は、市の年度予算がなくなり次第、受付が終了となります。導入計画が決まっている方は、できるだけ早く申請準備を進めることを強くお勧めします。

申請から補助金交付までの流れ

  1. 事前準備:導入する設備を決め、業者から見積書やカタログを取得します。
  2. 書類作成・提出:下記の「必要書類一覧」を参考に、申請書と添付書類を準備し、田原市役所農政課へ提出します。
  3. 交付決定:市が申請内容を審査し、適正と認められれば「交付決定通知書」が届きます。(注意:必ずこの通知書を受け取ってから、設備の発注・購入を行ってください)
  4. 事業実施:設備の購入・設置を行います。
  5. 実績報告:事業完了後、実績報告書(様式第7号)に関連書類を添えて提出します。
  6. 額の確定:実績報告の内容が審査され、補助金の額が確定し、「額の確定通知書」が届きます。
  7. 請求・交付:請求書(様式第10号)を提出すると、後日指定の口座に補助金が振り込まれます。

必要書類一覧

申請には以下の書類が必要です。様式は田原市の公式サイトからダウンロードできます。

  • 農水産振興対策事業補助金交付申請書(様式第1号)
  • 【添付書類】
    1. 見積書
    2. 製品カタログ(導入する設備の仕様がわかるもの)
    3. 施設園芸セーフティネット構築事業への加入を確認できる書類(加入予定者は誓約書)
    4. 事業実施場所の位置図(地図など)
    5. 現況が分かる写真(設備を設置する場所の写真)

採択されるための3つのポイント

この補助金は要件を満たせば比較的採択されやすいと考えられますが、予算には限りがあります。確実に採択されるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

ポイント1:早めの申請を心がける

最も重要なポイントです。この補助金は「先着順」の要素が強い「予算がなくなり次第終了」の制度です。受付開始後、できるだけ早い段階で申請できるよう、事前に計画を立て、見積もり取得などの準備を進めておきましょう。

ポイント2:書類の不備をなくす

申請書類に不備があると、修正に時間がかかり、その間に予算が上限に達してしまうリスクがあります。公式サイトにある記入例をよく確認し、見積書やカタログなどの添付書類に漏れがないか、提出前に何度もチェックしましょう。不明な点は、遠慮なく担当課に問い合わせることが大切です。

ポイント3:燃油削減効果を明確にする

申請する設備が「燃油使用量の削減」という目的に合致していることが大前提です。提出するカタログ等で、導入する設備が省エネ性能に優れ、燃油削減に貢献するものであることを明確に示せるようにしましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 個人事業主の農家でも申請できますか?

A1. はい、対象です。田原市内に住所を有する個人の方であれば、法人格がなくても申請できます。

Q2. 施設園芸セーフティネット構築事業にまだ加入していませんが、申請できますか?

A2. はい、申請時点で未加入でも「加入予定者」として申請が可能です。その場合は、指定の「誓約書」を提出する必要があります。

Q3. 中古のヒートポンプを購入予定ですが、対象になりますか?

A3. 一般的に補助金の対象は新品の設備に限られることが多いです。中古品が対象となるかについては、必ず事前に田原市農政課へ直接ご確認ください。

Q4. 令和6年度にこの補助金を受けましたが、令和7年度も別の設備で申請できますか?

A4. いいえ、できません。令和7年度の要綱から、過去に同補助金の交付を受けたことがある方は対象外となりました。

Q5. 申請すれば必ず補助金はもらえますか?

A5. 申請内容が要件を満たしているかの審査があります。また、市の予算が上限に達した場合は受付が終了となるため、必ずしも交付されるとは限りません。そのため、早めの申請が重要になります。

まとめ:今すぐ行動して、経営改善と環境貢献を!

「令和7年度 田原市脱炭素農業推進補助金」は、燃油コストの削減という直接的な経営メリットに加え、田原市の環境未来に貢献できる、非常に意義のある制度です。上限10万円という金額は、最新の省エネ設備導入の大きな後押しとなるでしょう。

重要ポイントの再確認

  • 対象は田原市内の施設園芸農家
  • 補助額は最大10万円(補助率1/3)
  • 申請は令和7年4月1日からで、予算がなくなり次第終了
  • 過去の受給者は対象外という点に注意

次のアクションとして、まずは田原市の公式サイトで最新の募集要項と申請様式をダウンロードし、導入を検討している設備の業者に見積もりを依頼することから始めましょう。ご不明な点があれば、下記の問い合わせ先に相談してみてください。この機会を最大限に活用し、持続可能な農業経営への一歩を踏み出しましょう。

申請・問い合わせ先

田原市 農林水産部 農政課
〒441-3492 愛知県田原市田原町南番場30-1 (田原市役所北庁舎1階)
電話:0531-27-7275
ファクス:0531-22-3817
メール:noseishinko@city.tahara.aichi.jp