福井県海外出願支援事業とは?
福井県海外出願支援事業は、福井県内の中小企業が開発した優れた技術や製品、デザイン、ブランドなどを海外で保護し、事業展開を有利に進めるために、特許・実用新案・意匠・商標などの外国への出願にかかる費用の一部を補助する制度です。公益財団法人ふくい産業支援センターが、国の補助金を活用して実施しています。
海外での事業展開には、知的財産の保護が不可欠ですが、その出願費用は高額になりがちです。この補助金を活用することで、費用負担を軽減し、戦略的な海外進出を後押しします。1企業あたり最大300万円の支援が受けられる、県内事業者にとって非常に魅力的な制度です。
補助金の概要
| 補助金名 | 海外出願支援事業 |
|---|---|
| 実施機関 | 公益財団法人ふくい産業支援センター |
| 対象者 | 福井県内に事業所を有する中小企業者等(みなし大企業は除く) |
| 補助率 | 補助対象経費の1/2以内 |
| 補助上限額 |
|
| 募集期間(令和7年度) | 令和7年5月12日(月)~6月13日(金)17時必着 |
| 支援期間 | 交付決定日 ~ 令和8年1月16日 |
補助対象となる経費
海外の特許庁へ出願するために、支援期間内に発注・支払いを行った以下の経費が対象となります。
対象経費
- 外国特許庁への出願手数料
- 現地代理人費用
- 国内代理人費用
- 翻訳費用
対象外となる経費
- 弁理士間の仲介手数料
- 先行技術調査費用
- 日本国特許庁への出願費用
- 日本国内の消費税および海外の付加価値税(VAT)やサービス税
対象者の詳細要件
補助対象となるのは、福井県内に事業所を持つ中小企業者で、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 国内出願済みであること:
申請時点で日本国特許庁に特許・実用新案・意匠・商標の出願が完了しており、採択後にその出願に基づいて外国へ出願する予定であること(一部例外あり)。 - 権利取得の可能性があること:
先行技術調査などの結果から、外国での権利取得の可能性が明らかに否定されないこと。 - 事業計画があること:
権利が成立した場合に、その権利を活用した事業展開を計画していること。または、外国での冒認出願(第三者による抜け駆け出願)対策の意思があること。 - 資金能力があること:
外国出願に必要な自己資金や資金計画を有していること。
※注意:みなし大企業は対象外です。
大企業が実質的に経営を支配していると見なされる企業(株式の保有割合や役員の兼任状況などによる)は対象となりません。詳細は公募要領をご確認ください。
申請から補助金交付までの流れ
申請後のプロセスは以下の通りです。選考委員会でのプレゼンテーションが重要なポイントとなります。
- STEP1:申請
募集期間内(令和7年6月13日17時まで)に必要書類を郵送または持参にて提出します。 - STEP2:選考委員会(7月~8月頃)
出願予定の知的財産の内容や、関連する製品・サービス等の事業計画についてプレゼンテーションを行います。 - STEP3:交付決定・事業開始
採択されると交付決定通知が届き、支援期間が開始します。この日以降に発注・支払いした経費が補助対象となります。 - STEP4:実績報告
支援期間終了後(令和8年1月16日まで)、すべての支払いを完了させ、出願の証拠書類等を添付して実績報告書を提出します。 - STEP5:補助金額の確定・振込
実績報告書の内容が審査され、補助金額が確定した後、指定の口座に補助金が振り込まれます。 - STEP6:事業完了後のフォローアップ
事業完了後5年間、事業状況に関する調査(フォローアップ調査)に協力する必要があります。
採択率アップの鍵!加点措置を活用しよう
選考委員会では、以下の項目に該当する場合に加点措置が講じられます。該当する企業は積極的にアピールしましょう。
- 地域未来牽引企業に選定されている
- 平成26年度以降、本事業に一度も採択されていない新規利用である
- 直近3年間に「JAPANブランド育成支援等事業」に採択されている
- 直近3年間に「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」に採択されている
- 賃上げを実施する計画がある(給与総額等を対前年度比1.5%以上増加)
- ワーク・ライフ・バランス推進企業である(えるぼし認定、くるみん認定など)
特に「賃上げ」や「ワーク・ライフ・バランス」に関する加点は、事前の準備や計画が必要です。詳細は公式サイトの様式やQ&A集をご確認ください。
まとめ
福井県の「海外出願支援事業」は、グローバル市場を目指す中小企業にとって、知的財産戦略を強化するための強力なサポート制度です。出願費用の負担を大幅に軽減できるだけでなく、事業計画を練り直す良い機会にもなります。募集期間は限られていますので、海外展開を検討している企業は、ぜひこの機会に申請を検討してみてはいかがでしょうか。まずは公式サイトで詳細を確認し、早めに準備を始めましょう。