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福祉施設・支援団体の皆様へ!入所者のマイナンバーカード取得支援が新たな収益に
高齢者施設や障がい者施設、介護施設などを運営されている皆様、日々の業務に加え、入所者や利用者の方々のマイナンバーカード取得手続きに時間や手間がかかっていませんか?「本人が市役所に行けない」「申請方法が複雑で難しい」といった理由で、カードの取得が進まないケースは少なくありません。しかし、そのサポート業務が施設の新たな収入源になることをご存知でしょうか。現在、全国の多くの自治体で、福祉施設などが利用者のマイナンバーカード取得を支援した場合に報奨金(謝礼金)を支払う「福祉施設等によるマイナンバーカード取得支援事業」が実施されています。この制度を活用すれば、入所者様へのサービス向上と施設の収益確保を両立できます。この記事では、制度の概要から申請方法、確実に報奨金を受け取るためのポイントまで、どこよりも詳しく解説します。
① 助成金の概要|福祉施設向けマイナンバーカード取得支援事業とは?
この事業は、ご自身でマイナンバーカードの申請や受け取りを行うことが困難な方々を支援するため、国の方針に基づき各市区町村が実施している制度です。福祉施設や支援団体の職員が、入所者や利用者に代わって申請手続きをサポートしたり、代理でカードを受け取ったりする業務に対して、報奨金(謝礼金)が支払われます。
正式名称
自治体によって「福祉施設等によるマイナンバーカード取得支援事業」「マイナンバーカード取得支援団体への報償費の支払いについて」など名称は若干異なりますが、事業内容はほぼ共通しています。
実施組織
事業所が所在する各地方自治体(市区町村)の市民課や住民課などが担当しています。
目的・背景
政府はデジタル社会の基盤としてマイナンバーカードの普及を推進していますが、高齢者、障がい者、長期入院者などの中には、自力で申請手続きを行うことが難しい方々が多くいらっしゃいます。こうした「申請困難者」のカード取得を円滑に進めるため、日頃から身近でサポートしている福祉施設や支援団体の協力を得て、申請・交付体制を強化することを目的としています。
② 報奨金額|1名あたり最大8,000円!
この事業の最大の魅力は、支援対象者1名あたりに支払われる報奨金の額です。多くの自治体で、以下の2つの支援業務に対してそれぞれ報奨金が設定されています。
| 支援業務 | 報奨金額(1名あたり) | 主な内容 |
|---|---|---|
| 申請サポート事業 | 4,000円 | 施設職員が利用者のマイナンバーカード交付申請を補助・代行する。 |
| 代理交付事業 | 4,000円 | 施設職員が利用者の代理人として市役所等でカードを受け取る。 |
| 両方を実施した場合 | 合計 8,000円 | 申請から受け取りまで一貫してサポートする。 |
計算例:
例えば、定員50名の施設で、まだカードを持っていない20名の入所者様に対して申請サポートと代理交付の両方を行った場合、
20名 × 8,000円 = 160,000円
の報奨金が施設に支払われることになります。これは施設にとって大きな収入となり得ます。
③ 対象者・条件|あなたの施設は対象?
この事業を利用するには、「支援を行う施設側」と「支援を受ける利用者側」の両方が条件を満たす必要があります。
対象となる福祉施設・支援団体等
報奨金の申請主体となれるのは、原則として事業を実施する市区町村内に事業所を置く以下の施設や団体です。
- 高齢者施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム等)
- 介護保険施設
- 障がい者支援施設、共同生活援助事業所(グループホーム)等
- その他、市町村長が認める福祉施設や支援団体
支援の対象となる方(利用者・入所者)
支援の対象となるのは、その市区町村に住民登録があり、かつ自力での申請や受取が困難な以下のような方々です。
- 福祉施設等に入所している方
- 要介護・要支援認定を受けている方
- 障がいのある方
- 長期入院されている方
- 75歳以上の方
- 成年被後見人、被保佐人、被補助人の方
- ひきこもり状態にあるなど、社会的参加を回避している方
※自治体によって対象者の定義が異なる場合がありますので、必ず事前に確認してください。
④ 報奨金の対象となる業務
この事業は物品購入などの「経費」を補助するものではなく、支援という「行為」に対して支払われる報奨金です。対象となる業務は主に以下の2つです。
申請サポート事業(1名につき4,000円)
利用者のマイナンバーカード交付申請を施設がとりまとめて支援する業務です。具体的には以下のような内容が含まれます。
- 申請に必要な顔写真の撮影手配・補助
- 個人番号カード交付申請書の記入補助・代筆
- スマートフォンやパソコンを使ったオンライン申請の操作補助
- 申請書のとりまとめと市役所への提出
代理交付事業(1名につき4,000円)
申請後に市役所から届く交付通知書(ハガキ)に基づき、施設職員が利用者の代理人としてカードを受け取りに行く業務です。
- 利用者からの委任状の取得
- 代理人(施設職員)と利用者本人の本人確認書類の準備
- 市役所の窓口でカードの受け取り、暗証番号の設定補助
- 受け取ったカードを利用者本人へ確実に手渡す
注意点:
市職員が施設に出張して申請を受け付ける「出張申請サポート」を利用した場合は、施設への報奨金支払いの対象外となります。あくまで施設が主体となってサポート業務を行うことが条件です。
⑤ 申請方法・手順|5ステップで完了!
報奨金を受け取るまでの流れは、どの自治体でも概ね以下の5つのステップで進みます。特に事前の申込みが必須である点に注意してください。
ステップ1:事業実施申込み及び事前打合せ
まず、支援業務を実施する前に、市区町村の担当窓口へ「事業参加申込書」などを提出します。多くの自治体で実施希望日の2週間前までの提出が求められます。提出後、市の担当者と支援の対象人数、実施日時、具体的な手順などについて打ち合わせを行います。
ステップ2:申請サポート・代理交付の実施
打ち合わせ内容に基づき、施設内で利用者の申請サポートや代理交付業務を実施します。誰のサポートを何月何日に行ったかなど、実績報告に必要な記録を正確に残しておきましょう。
ステップ3:実績報告書の提出
支援業務が完了したら、定められた期限内(例:令和8年3月13日までなど)に実績報告書を提出します。この際、以下の書類一式が必要となるのが一般的です。
- 実績報告書:事業全体の報告を行う書類。
- 申請サポート実施報告書:申請支援を行った対象者リスト。
- 代理交付実施報告書:代理交付を行った対象者リスト。
- 請求書:報奨金の請求を行う書類。
- 支払金口座振替依頼書:報奨金の振込先口座を指定する書類。
これらの様式は各自治体のウェブサイトからダウンロードできます。
ステップ4:審査
提出された実績報告書に基づき、市区町村が内容を審査します。書類に不備がなければ、支払い手続きに進みます。
ステップ5:報奨金の振込
審査完了後、指定された法人名義または団体名義の口座に報奨金が振り込まれます。個人名義の口座には振り込めないので注意が必要です。
⑥ 採択のポイント|確実に報奨金を受け取るために
この事業は競争型の補助金とは異なり、要件を満たして正しく手続きを行えば、原則として報奨金を受け取ることができます。以下の3つのポイントを必ず押さえておきましょう。
ポイント1:何よりも先に「事前申込と打合せ」
最も重要なのが、支援業務を始める前に必ず市役所に申し込むことです。事前の打ち合わせなしに実施した支援は、後から報告しても報奨金の対象外となってしまいます。まずは担当窓口に連絡することから始めましょう。
ポイント2:報告書類の正確な記入
実績報告書には、支援対象者の氏名、住所、生年月日などを正確に記入する必要があります。記載漏れや誤りがあると、審査に時間がかかったり、差し戻されたりする原因になります。提出前に複数人でダブルチェックすることをお勧めします。
ポイント3:振込先口座の確認
報奨金は、必ず法人または団体名義の口座を指定する必要があります。施設長個人の口座などは指定できません。事前に法人口座の通帳などを準備しておきましょう。
⑦ よくある質問(FAQ)
Q1. マイナンバーカードの「更新」手続きも対象になりますか?
A1. はい、多くの自治体で新規取得だけでなく、有効期限を迎えたカードの更新手続きのサポートも報奨金の対象としています。詳しくは所在地の自治体にご確認ください。
Q2. 申請サポートと代理交付は、両方実施しないと報奨金はもらえませんか?
A2. いいえ、片方のみの実施でも対象となります。例えば、申請サポートだけを実施した場合は1名あたり4,000円、代理交付だけを実施した場合も1名あたり4,000円が支払われます。
Q3. 報奨金はいつ頃振り込まれますか?
A3. 実績報告書を提出してから、審査を経て振り込まれるまで、通常1ヶ月から2ヶ月程度かかることが多いようです。自治体の締め日や処理状況によって変動します。
Q4. 自分の施設がある自治体でこの事業を実施しているか調べるには?
A4. インターネットで「〇〇市(お住まいの自治体名) 福祉施設 マイナンバーカード 支援事業」などのキーワードで検索するか、市区町村のウェブサイトをご確認ください。見つからない場合は、市民課や住民課のマイナンバー担当窓口に直接電話で問い合わせるのが確実です。
Q5. 支援業務にかかった人件費や交通費は別途支給されますか?
A5. いいえ、支給されません。1名あたり4,000円(または8,000円)の報奨金は、そうした経費も含んだ謝礼という位置づけです。
⑧ まとめ|今すぐ自治体の制度を確認しよう!
「福祉施設等によるマイナンバーカード取得支援事業」は、福祉施設にとって多くのメリットがある制度です。
- 施設の新たな収益源となり、運営基盤の強化につながる。
- 入所者・利用者の利便性が向上し、施設への満足度が高まる。
- 職員が手続きに習熟することで、今後の業務負担が軽減される。
- 地域社会に貢献し、施設の信頼性が高まる。
この機会に、ぜひ本事業の活用をご検討ください。最初の一歩は、あなたの施設が所在する市区町村のウェブサイトを確認するか、担当窓口に問い合わせることです。利用者へのサービス向上と施設運営の安定化のために、この制度を最大限に活用しましょう。