愛知県稲沢市で活用されていない畑(遊休農地)をお持ちではありませんか? または、これから農業を始めるにあたり、そうした農地を再生して活用したいと考えている農業者の方はいらっしゃいませんか?稲沢市では、農地の荒廃を防ぎ、有効活用を促進するため「遊休農地流動化促進事業」という補助金制度を実施しています。この制度を活用すれば、最大で10aあたり10万円の補助を受けることが可能です。本記事では、この魅力的な補助金制度について、2つの事業内容から対象者、申請方法まで、誰にでも分かりやすく徹底解説します。

稲沢市「遊休農地流動化促進事業」とは?

稲沢市の「遊休農地流動化促進事業」は、市内の畑地における荒廃を防止し、農地の貸し借り(流動化)を促進することで、農地の有効利用を図ることを目的とした補助金制度です。この事業は、目的別に大きく分けて以下の2つの事業で構成されています。

  • 遊休農地流動化事業: 遊休農地を再生して新たに耕作する農業者(担い手)を支援する事業
  • 遊休農地荒廃防止事業: 遊休農地の所有者・管理者が、受け手が見つかるまでの間の荒廃防止対策(防草シート設置)を行うのを支援する事業

それぞれの事業で対象者や補助額、要件が異なりますので、ご自身の状況に合わせてどちらが利用できるか確認していきましょう。

1. 遊休農地流動化事業(担い手向け)

こちらは、遊休農地を借りて再生し、農業を始める・拡大する「担い手」向けの補助金です。荒れた土地を農地として蘇らせるための初期費用を大幅に軽減できます。

補助対象者

対象となる遊休農地(畑地に限る)を再生し、耕作する農業者(担い手)

補助額

10aあたり 100,000円

※交付額は1,000円未満切り捨て。予算には限りがあります。

主な交付要件

  • 現況地目が「畑」であり、今後も畑として利用することが目的であること。
  • 農業委員会によって、同一年または前年に「遊休農地」と判定された農地であること。
  • 毎年12月までに、新規で5年以上の利用権設定(農業経営基盤強化促進法に基づく)を受けていること。
  • (特例)5年以上の利用権設定を受けた農地のうち、半分以上が遊休農地である場合、設定を受けた全ての面積が補助対象となります。

申請スケジュール

  1. 事前相談: まずは市役所農務課へ相談しましょう。
  2. 利用権設定(随時): 申請年度の1月~12月の間に利用権設定を完了させます。
  3. 補助金申請(毎年2月上旬頃): 市から補助金の案内が郵送された後、申請します。
  4. 交付決定・請求: 交付決定後、15日以内に請求書を提出します。

※農業委員会で把握している遊休農地に利用権設定がされると、市から自動的に補助金の案内が郵送される場合があります。

2. 遊休農地荒廃防止事業(所有者・管理者向け)

こちらは、遊休農地の所有者や管理者が、農地の借り手が見つかるまでの間、雑草の繁茂などを防ぐために防草シートを設置する際の費用を補助する制度です。近隣への迷惑防止や、将来的な農地活用に向けた環境維持に役立ちます。

補助対象者

  • A:防草シートを購入した遊休農地の所有者または管理者
  • B:防草シートの敷設を業者へ委託する遊休農地の所有者または管理者

補助額

10aあたり 10,000円
または、防草シート購入費・敷設委託費の実費のいずれか低い額

※交付額は1,000円未満切り捨て。予算には限りがあります。

申請スケジュールと注意点

A:防草シートを自分で購入・設置する場合

申請期限:毎年3月10日まで

  1. 防草シートを購入し、支払いを済ませる。
  2. 期限までに申請書類を提出する。

※注意:領収書の発行日から1年を経過したものは対象外です。

B:業者に敷設を委託する場合

申請期限:毎年1月31日まで

  1. 業者から見積書を取得する。
  2. 期限までに申請書類を提出する。

※重要:市の交付決定前に業者に委託・敷設した場合は補助対象外となります。必ず申請・交付決定後に作業を依頼してください。

申請方法と必要書類

申請は、稲沢市役所農務課への持参、郵送、メールのいずれかの方法で行います。事業ごとに必要な書類が異なりますので、ご注意ください。

事業名 必要書類
遊休農地流動化事業
  • 補助金交付申請書(様式第1)
  • 利用権等の設定が確認できるもの(農地基本台帳の写し等)
荒廃防止事業(購入)
  • 補助金交付申請書(様式第2)
  • 領収書の写し
  • 農地の情報がわかるもの(農地基本台帳の写し等)
  • 農地の位置図
  • 敷設状況が確認できる写真
荒廃防止事業(委託)
  • 補助金交付申請書(様式第2)
  • 見積書の写し
  • 農地の情報がわかるもの(農地基本台帳の写し等)
  • 農地の位置図

※申請様式は稲沢市の公式ウェブサイトからダウンロードできます。

まとめ

稲沢市の「遊休農地流動化促進事業」は、遊休農地の問題を解決し、地域の農業を活性化させるための重要な制度です。農地を再生したい担い手の方にも、管理に困っている所有者の方にも、大きなメリットがあります。要件や申請期限が複雑な部分もありますので、まずは稲沢市役所の農務課に相談することから始めてみてはいかがでしょうか。この機会に補助金を活用し、大切な農地を未来へ繋いでいきましょう。

お問い合わせ先

稲沢市役所 経済環境部 農務課 農業振興グループ

住所:愛知県稲沢市稲府町1番地

電話:0587-32-1352

公式ウェブサイト:遊休農地流動化促進事業