詳細情報
吹付けアスベストによる健康被害を防ぐため、豊川市、札幌市、川崎市では、民間建築物を対象としたアスベスト対策の補助金制度を設けています。分析調査から除去工事まで、最大180万円の補助が受けられるチャンスです。この記事では、各自治体の補助金制度の概要、対象者、申請方法などを詳しく解説します。ぜひ、この機会にアスベスト対策を進め、安全な住環境を実現しましょう。
吹付けアスベスト対策補助金とは
吹付けアスベストは、過去に建築物の断熱材や耐火材として広く使用されていましたが、その有害性が明らかになり、現在では使用が禁止されています。しかし、既存の建築物にはまだ吹付けアスベストが残っている可能性があり、飛散による健康被害が懸念されています。そのため、各自治体では、吹付けアスベストの分析調査や除去工事に対して補助金制度を設けています。
補助金の概要
- 正式名称: 豊川市吹付けアスベスト対策事業補助金、札幌市民間建築物吹付けアスベスト対策促進事業、川崎市民間建築物吹付けアスベスト対策事業
- 実施組織: 豊川市建設部建築課建築指導係、札幌市都市局建築指導部建築安全推進課、川崎市まちづくり局指導部建築指導課建築安全担当
- 目的・背景: 民間建築物に露出して吹き付けられたアスベストの飛散による健康障害を予防し、市民の健康と安全を守る
- 対象者: 市内の民間建築物の所有者、区分所有者の団体または管理者
助成金額・補助率
各自治体によって補助金額や補助率が異なります。以下に詳細を示します。
| 自治体 | 分析調査 | 除去等工事 |
|---|---|---|
| 豊川市 | 上限25万円 | 費用の3分の2以内、上限180万円 |
| 札幌市 | 無料(調査員派遣) | 費用の3分の2、上限120万円 |
| 川崎市 | 費用の10/10、上限15万円(1箇所)、25万円(複数箇所) | 費用の2/3、上限300万円 |
計算例: 豊川市で除去工事に300万円かかった場合、補助金は200万円となりますが、上限の180万円が支給されます。
対象者・条件
- 豊川市: 市内の建築物(分析調査は愛知県のアスベスト調査台帳に記載された建築物が対象)
- 札幌市: 市内の建築物で、建築基準法第6条に定める建築基準関係規定に適合しているもの。札幌市アスベスト調査台帳に記載されていること(派遣申請時に記載同意も可)
- 川崎市: 平成18年9月30日以前に建築確認を得て着工されたもの。吹付けアスベスト等が露出して施工されていること。大規模な事業者が所有権等の権利を有しないこと。
具体例: 川崎市の場合、資本金3億円以下の会社が所有する建築物が対象となります。
補助対象経費
- 分析調査: 吹付けアスベストの含有の有無を調べるための調査費用
- 除去等工事: 吹付けアスベストの除去、封じ込め、囲い込みにかかる費用
対象外経費: 内装改修に伴う既存天井材等の更新は、神戸市の除去等工事への補助では対象外となります。
申請方法・手順
各自治体によって申請方法が異なります。詳細は各自治体の公式サイトをご確認ください。
- ステップ1: 事前相談(川崎市、神戸市)
- ステップ2: 申請書類の準備
- ステップ3: 申請書類の提出
- ステップ4: 審査
- ステップ5: 交付決定
- ステップ6: 工事の実施
- ステップ7: 実績報告
- ステップ8: 補助金の請求
必要書類: 各自治体の申請要綱をご確認ください。一般的に、申請書、見積書、図面、写真、資格証明書などが必要です。
申請期限: 各自治体によって異なります。豊川市は令和7年12月23日まで、札幌市は令和7年9月26日まで(受付終了)、神戸市は令和7年12月12日までです。
オンライン/郵送: 川崎市では郵送による申請も受け付けています。オンライン申請が可能な場合もありますので、各自治体の公式サイトをご確認ください。
採択のポイント
- 審査基準: 各自治体の要綱に定められた基準を満たしていること。
- 採択率: 各自治体によって異なります。
- 申請書作成のコツ: 申請要件をよく理解し、必要書類を漏れなく準備すること。
- よくある不採択理由: 申請書類の不備、対象要件を満たしていない、予算上限に達したなど。
よくある質問(FAQ)
- Q: アスベストなら全て補助対象になりますか?
A: 飛散のおそれの高い建築材料である「吹付けアスベスト」及び「アスベスト含有吹付けロックウール」が対象となります。(川崎市) - Q: どんな人が補助を受けられますか?
A: 補助の交付対象は建築物の所有者、区分所有者の団体又は管理者に限ります。(川崎市) - Q: アスベスト含有調査及びアスベスト除去等を行った後でも補助金交付申請はできますか?
A: 補助金交付決定を受ける前に、アスベスト含有調査、アスベスト除去等又はその契約を行ったものは、補助金を交付できません。(川崎市) - Q: アスベスト含有調査を行わないで、最初からアスベスト除去等の補助金交付申請をすることは可能ですか?
A: アスベスト含有の範囲等を確認し、要件適合の判断を行うため、アスベスト含有調査結果が必要となります。(川崎市) - Q: 解体予定の建築物も対象になりますか?
A: 解体予定の建築物は対象となりません。(川崎市、神戸市)
まとめ・行動喚起
吹付けアスベスト対策補助金は、市民の健康と安全を守るための重要な制度です。対象となる建築物を所有されている方は、ぜひこの機会に補助金を活用し、アスベスト対策を進めてください。まずは、各自治体の公式サイトで詳細を確認し、事前相談を行うことをお勧めします。
問い合わせ先:
- 豊川市建設部建築課建築指導係: 0533-89-2117
- 札幌市都市局建築指導部建築安全推進課: 011-222-4894(札幌市コールセンター)
- 川崎市まちづくり局指導部建築指導課建築安全担当: 044-200-2757